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「夏休み!こども美術館2023」参加者募集中!(締切:7月10日(月))

夏休みの小学生向けプログラム「夏休み!こども美術館」の参加者を募集しています。 A:2023年7月29日(土)10:30~12:00B:2023年7月29日(土)14:00~15:30C:2023年7月30日(日)10:30~12:00D:2023年7月30日(日)14:00~15:30 小学1年生~小学6年生 各回15名(要事前申込、抽選制) 2023年7月10日(月)

ガウディとサグラダ・ファミリア展|開幕記念座談会

ガウディの建築はなぜ今なお多くの人々を魅了し続けているのか?サグラダ・ファミリア聖堂に焦点を当てる本展覧会を通して見えてくるガウディの実像は? 本展の学術監修者である鳥居徳敏氏と、サグラダ・ファミリアの主任建築家ジョルディ・ファウリ氏、そしてサグラダ・ファミリア聖堂彫刻家の外尾悦郎氏にお集まりいただき、長年ガウディの建築にたずさわってこられたそれぞれの立場から、ガウディ建築の魅力を語っていただきます。ガウディを知り尽くす三人の鼎談を通して、ガウディの新たな見方が広がってくる ことを期待しています。 鳥居徳敏(本展学術監修、神奈川大学名誉教授)ジョルディ・ファウリ(サグラダ・ファミリア聖堂主任建築家)外尾悦郎(サグラダ・ファミリア聖堂彫刻家) 司会:鈴木勝雄(東京国立近代美術館) ※日西の逐次通訳あり 2023年6月13日(火)13:30-15:30(開場は13:00) 東京国立近代美術館 地下1階講堂 100名 ※要整理券 ※事前申込不要 当日12:00より、1階インフォメーションカウンターにて整理券を配布します。(定員に達し次第、配布終了) 整理券について 配布枚数はお一人につき1枚まで。参加者ご本人が直接お受け取りください。整理券に番号はありません。会場内は全席自由席です。 参加無料(「ガウディとサグラダ・ファミリア展」の観覧券あるいはその半券をご提示ください)講演の撮影、録画、録音はお断りしております。講演会参加後の展覧会への再入場は可能です。本イベントのオンライン同時配信、アーカイブ配信はありません。内容や日時は都合により変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。 登壇者プロフィール 鳥居徳敏(神奈川大学名誉教授) 1947年浜松市出身。名古屋工業大学建築学科卒業、博士(工学)。73年渡西。マドリッド工科大学建築学部にてスペイン建築史を専攻。83年、ガウディ建築の二大造形源泉を解明した研究書『ガウディの謎に満ちた世界』をスペインの国費で出版。この本は、今でもサグラダ・ファミリア聖堂の建築家や模型職人たちの基礎資料となっている。著書に『ガウディの建築』『アントニオ・ガウディ』『ガウディ建築のルーツ』(鹿島出版会)、『建築家ガウディ、その歴史的世界と作品』『建築家ガウディ全語録』(中央公論美術出版)、『よみがえる天才6 ガウディ』(ちくまプリマー新書)など。 ジョルディ・ファウリ(サグラダ・ファミリア聖堂主任建築家) 1959年バルセロナ生まれ。カタルーニャ工科大学建築学部バルセロナ校(ETSAB)博士号取得(論文「サグラダ・ファミリアの身廊の柱とアーチにおける構成と連続性」)。1993年からサグラダ・ファミリアの主任建築家補佐、2012年から主任建築家を務める。王立サン・ジョルディ美術カタルーニャ・アカデミー会員。2010年バルセロナ市賞(建築・都市部門)を共同受賞。著書に「サグラダ・ファミリア聖堂」(Editorial Palacios & Museos、第3版、2023年)など。 © Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família 外尾悦郎(サグラダ・ファミリア聖堂彫刻家) 1953年、福岡県生まれ。京都市立芸術大学美術学部彫刻科を卒業後、中学校・高校定時制非常勤教師として勤務ののち、78年バルセロナへ渡る。彫刻家として認められ、サグラダ・ファミリアの彫刻に携わる。リヤドロ・アートスピリッツ賞、ミケランジェロ賞、文部科学大臣表彰、文化庁長官表彰など受賞多数。王立サン・ジョルディ美術カタルーニャ・アカデミー会員。著書に『バルセロナにおいでよ』(筑摩書房)、『ガウディの伝言』(光文社)、『サグラダ・ファミリア ガウディとの対話』(原書房)、『外尾悦郎 彫刻作品集』(ソトオ企画)など。 写真提供: ソトオ企画

ジャリ

ダン

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アートライブラリの過去の取り組み

bauhaus×MOMAT 資料展示:「bauhaus100 japan」関連企画「bauhaus×MOMAT」企画:東京国立近代美術館アートライブラリ日時:2020年2月12日(水)~6月13日(土) 2020年7月7日(火)~10月24日(土)会場:東京国立近代美術館アートライブラリ詳細はこちら展示資料リストはこちら(800 KB)  ※終了いたしました。 “めざめ”のその後――1990年以降のアジアの美術を巡って 資料展示:「アジアにめざめたら」展関連企画「“めざめ”のその後――1990年以降のアジアの美術を巡って」企画:東京国立近代美術館アートライブラリ、国際交流基金アジアセンター日時:2018年11月16日(金)~12月22日(土)会場:東京国立近代美術館アートライブラリ詳細はこちら展示資料リストはこちら(1.04 MB)  ※終了いたしました。 アーカイブズ・オブ・アメリカンアート(AAA)のすべて 公開講演会:「アーカイブズ・オブ・アメリカンアート(AAA)のすべて」主催:東京国立近代美術館共催:「科学研究費補助金(基盤研究(B):課題番号26280125(平成26~28年度)   「ミュージアムと研究機関の協働による制作者情報の統合」   (代表:丸川雄三[国立民族学博物館])」/ 慶應義塾大学アート・センター後援:アート・ドキュメンテーション学会 / 日本アーカイブズ学会 / 全国美術館会議日時:2016年6月18日(土) 開場12:00 開会12:30~17:00会場:東京国立近代美術館講堂   参加費無料 / 使用言語:英語(逐次通訳あり)詳細はこちら  ※終了いたしました。 JAL プロジェクト2016 東京国立近代美術館は、昨年に引き続き、国立新美術館、東京国立博物館および東京文化財研究所とともに「海外日本美術資料専門家(司書)の招へい・研修・交流事業 2016」(略称:JALプロジェクト)をスタートいたします。 JAL プロジェクト2016のご案内 (2016/4/22 公開)  ※終了いたしました。 JAL プロジェクト2015 東京国立近代美術館は、昨年に引き続き、国立新美術館、国立西洋美術館および東京文化財研究所とともに「海外日本美術資料専門家(司書)の招へい・研修・交流事業 2015」(略称:JALプロジェクト)をスタートいたします。 JAL プロジェクト2015のご案内 (2015/5/2 公開)  ※終了いたしました。 JAL プロジェクト2014 東京国立近代美術館は国立新美術館、国立西洋美術館および東京文化財研究所とともに「海外日本美術資料専門家(司書)の招へい・研修・交流事業 2014」(略称:JALプロジェクト)をスタートいたします。 JAL プロジェクト2014のご案内 (2014/5/27 公開)  ※終了いたしました。

斎藤義重《ペンチ》1967年|キュレータートーク|所蔵品解説007

所蔵作品の新たな見方、楽しみ方をお伝えするオンラインキュレータートーク。今回は、斎藤義重《ペンチ》(1967年)を紹介します。この作品、実は動かすことができます。展示中は中々お見せすることができない動かした状態を、この映像の中でご覧いただけます。 https://www.youtube.com/watch?v=Nyu1H7GTnLE

MOMATコレクション小特集「プレイバック「抽象と幻想」展(1953–1954)」講演会

※このイベントは終了しました。 概要 当館が開館1周年を迎えるにあたり行われた「抽象と幻想」展(1953–1954)。現在、MOMATコレクションでは、同展の再現VRなどを駆使した小特集「プレイバック「抽象と幻想」展(1953–1954)」を開催しています。その関連イベントとして、暮沢剛巳教授をお迎えし、ミュージアム論の観点から、過去の展覧会の再構成を行うことの意義や、展覧会研究の現状、また、「抽象と幻想」展と1936年にMoMAで開催された展覧会との関係など幅広い知見からご講演いただきます。 2023年1月28日(土)14:00-16:00(開場は13:30) 東京国立近代美術館 地下1階講堂 130名※予約不要 ※聴講無料 14:00-14:45 長名大地「プレイバック「抽象と幻想」展(1953–1954)ができるまで」14:45-15:45 暮沢剛巳「美術館・美術団体・美術評論ー「抽象と幻想」の背景について」15:45-16:00 質疑応答 暮沢剛巳(くれさわたけみ)氏東京工科大学デザイン学部教授。主著に『ミュージアムの教科書 深化する博物館と美術館』(青弓社、2022年)、『拡張するキュレーション 価値を生み出す技術』(集英社、2021年)、『現代美術のキーワード100』(筑摩書房、2009年)など多数。長名大地(おさなたいち)東京国立近代美術館 主任研究員。本展企画者。 東京国立近代美術館 JSPS科研費研究課題「シュルレアリスム美術における展覧会の機能に関する総合的研究」(基盤研究(C)22K00182、代表:石井祐子) ※参加無料(観覧券不要)。※講演の撮影、録画、録音はお断りしております。※会場内ではマスクの着用にご協力ください。※内容や日時は都合により変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。※オンライン配信およびアーカイブ配信はございません。 こちらの講演会では、文字支援(UDトーク)があります。ご希望の方は、お手持ちのスマホにUDトークのアプリをダウンロードの上、ご参加ください。 ※試験的な実施のため、運用中に不具合が生じ得ることをあらかじめご了承ください。

ピーター・ドイグ作品で物語をつくろう!  第2週入選作品(2020)

『この人はだれ?何をしているの?』『このあとどうなるのかな?』 どこか懐かしくて不思議なピーター・ドイグの作品をみていると、想像がどんどん広がります。あなたの心に浮かんだストーリーを、短い文章にして応募してみませんか?「遠くて美術館に行けない…」そんな人でも大丈夫です! 対  象: 小学生・中学生・高校生応募期間:2020年8月4日(火)~8月31日(月) 第2週 8/11(火)~17(月) 【第2週】は、77通のご応募がありました!ご応募ありがとうございました♪審査の結果、今回は入選作品12点、そのうち「研究員のイチオシ!」作品3点を選出しました。今週は特に中学生の作品が多く集まりました。力作ばかりのため、研究員は断腸の思いで選んでいます。 研究員のイチオシ ピーター・ドイグ《ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ》2000-02年、油彩・キャンバス、196×296cm、シカゴ美術館 K・Mさん(高校1年生) 空の鞄を背負い歩みを進めると、薄緑の平野の先には大きな青い湖が静かに広がっていた。オーロラを歪めた空に鈍く光る白。門扉を挟む二人の男。飴玉を埋め込んだような白い石壁は大きく曲がり、その先にはまた別の景色が広がっているのだろう。きっとこの世界について何か知っている筈だろうと近づいてみると、青い服の男が声を掛けてきた。「通行料の石を。」何を言っているんだと言いかける口を一旦閉じて聞き返す。「石?」すると男はまた同じ言葉を繰り返した。「通行料の石を。」ふと鞄に重さを感じて開けてみれば、なんと空だった筈の中身がオレンジ色の石に置き換わっている。試しに青い男に差し出すと、彼は石を壁に埋め込んだ。なるほど、こうしてこの石壁は出来ていたのか。門扉から一歩足を踏み出すと黄色い男が声を掛けてくる。「いってらっしゃいませ。」藍色の湖は不気味な程に澄んでいる。この世界に別れを告げるにはまだ早そうだ。 研究員からのコメント 作品の水や空の情景描写が秀逸。とくにカラフルな石垣と人物二人の関係を、通行料と門番という役割で読み解く発想力は思わず膝を打ちました。これからの展開を読みたくなる作品。(企画展室 山田) ピーター・ドイグ《スピアフィッシング》2013年、油彩・麻、288×200cm、作家蔵 篠原灯子さん(小学2年生) ある日、二人の人げんは、たびに出た。みどりのふねをこいでね。一人がこう言った。「どこまでこいで行くの?」もう一人がこたえた。「どこまでも。さ」ほそくなったみか月がでている。一人がもう一人に、黄色いレインコートをさし出した。雨がふってきたのだ。一人はレインコートをもらうと、それにくるまってねむったのであった。もう一人は、よるのいきをすいこみ、はきだして、ふねをこぐのをやめて、ねむったのであった。 研究員からのコメント ドイグさんの作品がいろいろな物語を想像させるように、印象的な会話によってこの人たちは家族なのか友だちなのか、どうして旅に出たのかとイメージが広がります。絵の中の空気感を表すのに「レインコート」を使うのが絶妙です。(企画展室 山田) 鈴木リアーナ萌香さん(中学2年生) 僕はこれから海に行く。でも、空は真っ暗だ。何でこの時間に行くって。魚が寝静まる頃が最高の瞬間だからだ。外に出る頃には少し明りが入っていた。緑のボートに乗ってさあ、出発だ。そう思った時、後に女の子がいるのが目に入った。何でこんな時間に女の子が。「どこから来たの?」返事は返ってこない。本当は無視して行きたかった。でも、「乗る?」女の子は無言で乗り込んだ。いよいよ出発だ。女の子は不思議そうにこちらを見ている。会話が無いので一人で来ている感じだ。僕は勢いよく海に飛び込んだ。海面に顔を出すと、ボートには誰もいなかった。周りを見渡しても誰もいない。いったい女の子はどこに行ったのか、それとも、元々いなかったのか、その答えは誰もわからない。 研究員からのコメント 緑色のボートに乗った女の子の希薄な気配が味わえるお話でした。本当は無視して行きたかったのに乗せてあげる僕は、いい人なのか魔が差したのか。女の子がちゃんと水面に映っているか確認してしまいました。(教育普及室 細谷) 入選作品 ピーター・ドイグ《ブロッター》1993年、油彩・キャンバス、249×199 cm、リバプール国立美術館、ウォーカー・アート・ギャラリー 長谷里紗さん(中学2年生) 「あの日」 「水の上に立ってみたい。」そう思ったことはないだろうか。僕はあの日、水の上に立ってた。たぶん。あの時のことはいまいちおぼえていない。冬の日、雪がつもっていた。雪だらけの山道、僕は一人で歩いていた。進んでいくと、池なのか、水溜りなのか、かなり大きな穴の中に水が入っていた。そのすぐ近くには、金色の木が、一本はえていた。まるで、僕たちの世界とは、全くちがう世界のようだった。もちろん水の表面は、こおっていた。その時、僕は、何を思ったのか、水の上に立とうとしていた。いや、立てた。大きな穴の真ん中に立った時、まるで異世界だった。自分のうつった水の表面には、自分と、何らかの全てがうつっているきがした。あの時の景色は今でも忘れられない。世界には、見えているようで、見えていないことがたくさんあることを知った。そんな夢を見た。 齋藤愛佳さん(中学2年生) 「僕の中の君」 「たった今、親友がこの世を去った。」そう伝えられた時、僕は真っ先にこの場所へ来た。ここは、僕と親友だけの秘密の場所だ。僕たちの思い出の場所。春は、日が暮れてもずっと話していた。夏には、一緒に水浸しになったな。秋は背中を合わせて本を読んだ。つい昨日は、雪に寝そべって星を眺めたね。これからもずっと僕の隣にいると思っていた。どうして君なの。どうして僕ではないの。どうして君が死ななければならなかったの。太陽は僕を慰めるように照っている。でも僕を慰めることができるのは君だけだよ。君はどこにいるの。この湖の中にいるのだろうか。いるのだったら顔を見せてよ。声だけでもいいから。これから先、僕はどう生きたらいいの。君に会いたい、もう一度だけ。その時、湖に一瞬、微笑んでいる君の姿が見えた。「君は僕の中にいたんだね。」 ぷりんさん(高校1年生) 一段と冷え込む今日、僕は家を飛び出した。今思えばくだらない理由で飛び出してきたものだ。無我夢中で走って気がついたらここにいた。下は氷張りで無様な僕が映し出される。ここは寒い、家に帰りたい。そう思って辺りを見渡しても枯れかけた木が冷たく僕を見下ろすだけだった。なんで家を飛び出しちゃったんだろう。いつもなら暖かい暖炉の前で母さんのスープをすすっていただろうに。ふいに寂しくて涙が出てきた。もうすぐ夜が来る。ここで一夜過ごすなんて無理だろう。氷の向こうの僕の顔が歪んだ。 ピーター・ドイグ《オーリン MKⅣ Part2》1995~96年、油彩・キャンバス、290×200cm、ヤゲオ財団コレクション、台湾 會澤椛蓮さん(中学2年生) 初雪の降る平野で朝早くから競争が行われていました。それは坂を勢いよく滑り、最後おもいきりジャンプするのです。そのジャンプの高さで皆は競いあったのでした。そこに一人コートもニット帽もしていない貧乏な男の子が来ました。名も知らない少年に皆は戸惑いやがてひそひそとしゃべりだしました。周りの目を気にもとめず滑りだした少年はなんと今までの誰よりも高く飛んだのです。これに驚いた皆は少年を囲みこの上ない記録だと褒め称えました。少年は生まれた時から一人で人とのしゃべり方も分かりませんでした。それでも何か温かみを感じ嬉しい気持ちでいっぱいになったのでした。 平野いろはさん(中学2年生) 僕は世界で戦えるようなスキー選手を夢見て日々練習している。僕が住んでいる町は雪が少ない。だけど、親友と同じ夢を見て、フォームなど必死になって努力を続けている。本格的なスキー場には年に一度行けるか行けないかぐらいの頻度だ。「おお!」親友が歓声を上げた。僕は生まれて初めての記録を出し、高く宙へ舞った。今までにない感覚。僕は今、この瞬間、自信で満ち溢れた。その後もスキー漬けの日々が続いた。そして、初めての大会。僕は緊張でいっぱいだった。これまでに無いほど高く飛んだ。体がふわっとしたような気がした。僕はいつのまにか3段の表彰台の一番上に立っていた。夢ではないか?僕は咄嗟に頬をつねった。痛い。実感がみるみる湧いてきて笑顔に溢れた。これから僕が世界と戦うなんて誰も予想もしていなかった。 福永 愛さん(中学3年生) 最近私は怒られてばかりである。理不尽な理由で怒られ謝らされる、それの繰り返しだ。そんなつまらない日々から抜け出したい。しかし何をすれば良いのか。そんなことを思いながら私は歩き続ける。目的地などない。そんな時目に入った。そうだ、スキーだ。昔、周りも呆れるほどよくやったものだ。だから、スキーは得意な方でもある。一発、大きく飛んで周りに見せつけてストレスを発散してやる。そう決心した私はもちろん道具などあるはずもないので全てレンタルした。借りる時不思議そうな顔で見られたがスキーをすることに興奮していた私はそんなことに気づくはずもなかった。思いっきり勢いをつけ飛んだ。ん、なんか感覚が違う。そして異常なまでの視線を感じる。そう、そこには雪がなかった。 ピーター・ドイグ《赤いボート(想像の少年たち)》2004年、油彩・キャンバス、200×186cm、個人蔵 田辺春音さん(中学2年生) 僕たちは今、手作りの船に乗って向こう側の岸へとすすんでいる。自分たちの手で作った船ということもあって、乗れるのはせいぜい六人ほどだが、沈むことはなく、しっかりと船の役わりをはたしている。ここは赤道付近に位置する南国で、一年中朝から晩までとてもあつい。でも船に乗って川を渡っている時は不思議なことに、少しだけすずしく感じる。まわりにある水のおかげだろうか。そしてなぜ、僕たちが船で向こうの岸へ行こうとしているのかというと、食料となる、ヤシの実をとるためだ。僕たちが住んでいるほうにはヤシの木があまり生えていないため、わざわざむこう岸まで渡らないといけない。でも、このヤシの実はとてもおいしい。僕たちは、毎日、ヤシの実をとるために船で向こうの岸へとわたっているのだ。 ピーター・ドイグ《ピンポン》2006~08年、油彩・キャンバス、240×360cm、ローマン家 関 玲音さん(中学2年生) 「一人の男」 俺は今、日本からはなれたところに暮らしている。日本の東京と比べればビルも無いしコンビニだってない。でも東京とは違うところがある。それは家の近くに、小さな卓球台があるところだ。俺は毎朝起きてからすぐにここに来る。家族は生まれたときからいなくて、友達もいない、誰とも話したこともない。だから俺は、いつも一人で卓球をしているんだ。そんなある日、いつものように一人で卓球をしていたら、一人の男の人が急にボールを返してきた。俺は驚きながらも相手に返した。俺らは何回も打ち合った。この日は楽しくて時間を忘れて打ち合っていた。それから次の日も、その次の日もその人とボールを打ち合った。やがてその人とは、人生で初めての「友達」というものになった。俺はこの時、近くに喋れる人がいることが、どんなに幸せなのかと初めて思った。 河田嶺至さん(小学2年生) 僕は昔から漁をして魚を食べてた。僕の船は世界にたったひとつしかないエメラルドグリーンの船だった。ある日僕はかわいらしい女性と会って、やがて僕たちは愛し合うようになった。時が経ち僕たちは婚礼の式をあげた。一ヶ月ほどたった頃、僕は妻と漁をしに行った。そして、魚をたくさんとってたくさん食べた。彼女と結婚して五年間たってその日の朝、妻が唸りだした。その一時間後、救急車が来て病院までとばした。そしてそのまた一時間後、かわいらしい男の子の赤ん坊が生まれた。十三年ほど過ぎた頃だったかな、その息子と初めて漁をしたのは。息子は僕のオレンジ色のウエットスーツを受け継いでくれた。漁の腕前はすごいもんだ。

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