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プロヴァンス風景

描かれているのは南仏プロヴァンスの風景。光にあふれたこの地の環境が、ボナールの表現、とりわけ色彩に与えた影響ははかりしれません。ボナールが好んで用いた紫、黄色に加え、さまざまな階調の緑、ピンク、青、そして白など、震えるようにきらめく色彩が画面に散りばめられ、まるで宝石箱の中をのぞくかのようです。これだけの色数(実に多様な筆触にも注目)をひとつの画面に取り込み、なおかつ絵画が破綻せずに緊張感をもって成立しているのは驚嘆すべきことでしょう。ボナールが、20世紀絵画史において圧倒的な色彩の使い手であることを体現するような作品です。

TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション|ギャラリートーク

本展を担当した研究員が、どのようにトリオを作ったのか、実際に作品を並べることで見えてきた共通点など、会場で作品を前にお話します。 2024年7月19日(金)18:30-19:00 横山由季子(本展企画者、東京国立近代美術館研究員) 1F企画展ギャラリー 1Fエントランスホール 事前予約不要 参加無料 ※当日有効のTRIO展観覧券をご提示ください(当日に限り再入場可) イベントの撮影・録画・録音はお断りしております。 内容や日時は都合により変更となる可能性がございます。あらかじめご了承ください。

コレクションに向ける眼差し

いま、美術館同士が協働して互いのコレクションを活用して展覧会を行うこと——。移動や輸送が制限されたコロナ禍、そしてその後の輸送費や保険料の高騰は、日本で数多く開催されてきた、美術館の名を冠した大規模な海外美術館のコレクション展を含む、展覧会の在り方を見つめなおす一つの契機となった。 そんな中、企画はコロナ禍以前に始まったという「トライアローグ 横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」(2020–22)をはじめ、収集対象が類似した美術館同士の共同企画、あるいは現存作家や個人コレクションとの連携による展示が、これまでにも増してさまざまな美術館で開かれ、コレクションを活用した企画展の可能性が活発に模索されているように思われる。 「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」は、これまでの海外美術館のコレクション展と、そうした近年改めて注目を集める国内美術館のコレクションによる企画展とを併せてハイブリッドのように構成された展覧会として捉えることもできるかもしれない。 本展を特徴づけるのは、モダンアートの充実したコレクションを有するパリ、東京、大阪という3つの都市にある美術館が、日本とフランスの交流を一つの背景としながら、トランプのカードを同時にきるように、1館1作品を突き合わせて「トリオ」を組み、並置するという、そのユニークな形式にある。 会場に一歩足を踏み入れると、パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館の存在が印象的に立ち現れるかのように、まず各館のコレクションの始まりを象徴する作品であるロベール・ドローネー、安井曽太郎、佐伯祐三による椅子に座る人物像からスタートし、さらに三都市の風景にフォーカスしたトリオが並ぶ。 会場風景|「コレクションのはじまり」(左から:佐伯祐三《郵便配達夫》1928年、大阪中之島美術館蔵/ロベール・ドローネー《鏡台の前の裸婦(読書する女性)》1915年、パリ市立近代美術館蔵/安井曽太郎《金蓉》1934年、東京国立近代美術館蔵)|撮影:木奥惠三 その後も、「近代化する都市」や「夢と無意識」といった章立てのもと、シュルレアリスムやキュビスム、抽象といった美術史的な視点にも目を配りつつ、より自由な発想でさまざまな切り口から、作品同士の類似性——モチーフや形、素材、共通するテーマやイメージの連関——を軸に、全34組のトリオが構成されている。アンリ・マティス、萬鉄五郎、アメデオ・モディリアーニによる「モデルたちのパワー」、ラウル・デュフィ、辻永、アンドレ・ボーシャンによる「空想の庭」など、トリオの鑑賞の際は、まず一定の距離をとって眺め、その後作品に近づいていくという行為を繰り返すことになるのだが、美術館を代表する名品から、近年収蔵された現代作家の作品まで、絵画、彫刻、版画、素描、写真、デザイン、映像など多様なジャンルを横断する、実にさまざまな組み合わせと向き合うことになる。「見て、比べて、話したくなる」という展覧会コピーに示されているとおり、来場者たちは異なる都市や時代に生まれた作品同士に見出される、響き合いや差異への気づきへと促されるが、同時に、本展の企画者たちに自身の眼差しが重なっていくような感覚をおぼえるのではないだろうか。 会場風景|Ⅵ「響きあう色とフォルム」|撮影:木奥惠三 TRIO展は、各館のコレクションに精通した担当者が、作品情報やイメージを何度もブラウズして組み合わせを検討し、それを逐次共有し、オンラインでディスカッションを重ねることができる現在だからこそ実現され得た展示の形であろう。本展の会場でめまぐるしく展開されるトリオを眺めながら、ヴァルター・ベンヤミンが「複製技術時代の芸術作品」(1936)において述べていた、写真や映画などの複製技術の登場による芸術の礼拝的価値から展示的価値へのシフトなどについて、デジタル化時代のいま改めて思いを巡らせたのであった。 最後に、見るたびに多くの気づきを与えてくれる東京国立近代美術館のクロノロジカルに構成された常設展が同時に見られることにも触れておきたい。いま、同じ建物の中で展開されている対照的な二つの展示を併せて見ることで、さまざまな形をとって現れる美術館の「コレクション」というものについて、そして今後も継続されていく作品収集や展示の可能性について考える、貴重な機会になるはずだ。 『現代の眼』639号

TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション|トークセッション|あこがれのまなざし

エッセイストの松浦弥太郎氏と、展覧会担当研究員がトリオ展やコレクションの楽しみ方を語ります。 2024年7月20日(土)14:00-15:00(開場は13:30) 松浦弥太郎(エッセイスト、クリエイティブ・ディレクター) 横山由季子(本展企画者、東京国立近代美術館研究員) 東京国立近代美術館 地下1階講堂 140名(先着順) 開催当日の10:00より、1階インフォメーションカウンターにて整理券を配布します。 整理券は、定員に達し次第、配布終了となります。 整理券の配布枚数はお一人につき1枚まで、参加者ご本人が直接お受け取りください。 整理券に番号はありません。会場内は全席自由です。 参加無料(観覧券不要) イベントの撮影、録画、録音はお断りしております。 イベント参加後の展覧会への再入場は当日に限り可能です。 内容や日時は都合により変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。 イベントのオンライン同時配信、およびアーカイブ配信はありません。 登壇者プロフィール 松浦弥太郎 エッセイスト、クリエイティブ・ディレクター。『暮しの手帖』元編集長。現在は『DEAN & DELUCA Magazine』編集長。ユニクロの「LifeWear Story 100」責任編集なども担当。

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美術文献ガイド0:東京国立近代美術館のツールを使う

0.1 東京国立近代美術館の展覧会情報の調べ方 この項では、東京国立近代美術館(以下、東近美)で開催した展覧会に関する情報の調べ方について説明します。展覧会情報とは、主に下記5点の内容に関する情報です。 展覧会の会期・会場 展覧会の出品作品 展覧会の出品作家 展覧会を開催するにあたって執筆された論文 展覧会を評して書かれた短評(展評) 0.1.1 開催展覧会一覧 東近美が開催した展覧会(企画展)の情報は下記のページで通覧することができます。 0.1.2 展覧会カタログ 展覧会の開催に際して作成された展覧会カタログには、「作品図版」「作品データ・解説」「関係論文」「参考文献」「出品作家の解説・肖像・年譜」等が掲載されています。展覧会開催時における最新の研究成果がまとめられており、作家や作品の情報を調べる際の大変重要な資料となります。 a) 検索方法 東近美OPACで展覧会名や作家名をキーワードにして検索すると、展覧会カタログの項目にヒットします。東近美開催の展覧会のカタログに関しては、カタログの目次内容をキーワードにして検索することも可能です。 b) 請求記号 <参考>東近美展覧会カタログの請求記号 [C*||NMA1||展覧会番号] について 請求記号は3つの部分で構成されています。 例えば[CO||NMA1||457]という請求記号が付けられている場合、「CO」(Catalogue One personの略)は1人の作家が出品した展覧会という事を示し、中央の「NMA1」(National Museum of Artの略)は東近美で開催された展覧会という意味を表しています。もしここで頭の「CO」が「CG」(Catalogue Groupの略)であれば、展覧会で2人以上の作家の作品が展示された事を示します。 最後の数字は、東近美で開催された展覧会に開催年月順で付けた通し番号(展覧会番号)となっています。閲覧室では展覧会番号順に並べています。展覧会番号がわかればすぐにカタログを見つける事ができるでしょう。 例) CO←「CO」=個展/「CG」=グループ展NMA1← 東近美にて開催された展覧会457← 展覧会番号 0.1.3 ニュースレター 東近美ニュースレター『現代の眼』は1954年から現在に至るまで刊行されています。記事の内容は時代の変遷とともに変化していますが、企画展の予告や、展覧会に関する論文や報告、また、新収蔵作品の解説、企画展・常設展で取り上げた作家に関する論説など、様々な記事が掲載されています。 a) インターネット 一部の『現代の眼』は「東京国立近代美術館リポジトリ」でご覧いただけます。また、最新号はHP上にも掲載されています。ただし、著作権処理の都合上、作品画像を伏せている場合があります。 b) 冊子体 東近美OPACで「現代の眼」のキーワードで検索すると雑誌の項目にヒットします。年次から西暦を選択すると、その年に出版された雑誌が確認できます。『現代の眼』については、目次内容をキーワードにした検索が可能になっています。 『現代の眼』 No.1(1954- ) [MN||NMA1]  0.1.4 研究紀要 『東京国立近代美術館研究紀要』には、当館研究員などによる美術作品の調査報告、研究論文が掲載されています。 a) インターネット 11号以降は、機関リポジトリから全文PDFを読むことができます。ただし、著作権処理の都合上、作品画像を伏せている場合があります。 b) 冊子体 東近美OPACで「東京国立近代美術館 研究紀要」をキーワードにして検索すると雑誌の項目にヒットします。年次から西暦を選択すると、その年に出版された雑誌が確認できます。『研究紀要』については、目次内容をキーワードにした検索が可能になっています。 『東京国立近代美術館研究紀要』第1号(1987)- [MB||NMA1] 0.1.5 年報・活動報告 『活動報告』は年度毎に発行される美術館活動に関する報告書です。1952年の開館から昨年度までに開催された展覧会の記録が掲載されています。「展覧会の内容」「入場者数」「新聞・雑誌等における掲載記事」等が記載されています。展覧会の開催年度がわかれば、その年度の年報を確認することによって、展覧会情報を得ることができます。 また、標記年度に東近美の所蔵品となった作品(新収蔵作品)がジャンルごとに掲載されています。多くが年度ごとに刊行されているため、最新の新収蔵作品を確認する際に便利です。掲載作品データには、「作家名」「作品名」「材質」「寸法」のほか、初出展覧会名や収蔵経緯も掲載されています。ただし、年度によって作品図版が掲載されていない場合もあります。 a) インターネット 『活動報告』は「東京国立近代美術館リポジトリ」でご覧いただけます。 b) 冊子体 東近美OPACで「東京国立近代美術館 年報」をキーワードにして検索すると雑誌の項目にヒットします。『国立近代美術館年報』『東京国立近代美術館年報』『独立行政法人東京国立近代美術館年報』『独立行政法人東京国立近代美術館活動報告』の順で誌名の変遷に伴いデータが分かれています。 『国立近代美術館年報』 1952- [MA||NMA1] 『東京国立近代美術館年報』 昭和42(1967)年-平成11(1999)年, 年刊. [MA||NMA1] 『独立行政法人国立美術館 東京国立近代美術館年報』 平成12(2000)年-平成19(2007)年, 年刊. [MA||NMA1] 『独立行政法人国立美術館 東京国立近代美術館活動報告』 平成20(2008)年-, 年刊. [MA||NMA1] 0.1.6 出品作家 1952年12月から2012年3月までに東京国立近代美術館(本館・工芸館)の企画展に出品された作家名(団体名含む)は、『東京国立近代美術館60年史』発行の際に作成された「本館・工芸館企画展出品作家総索引(和・欧)」で調べることができます。記載されている「展覧会番号」を手掛かりに、「0.1.1 開催展覧会一覧」で紹介した「東京国立近代美術館開催展覧会一覧 」から展覧会名等の情報を確認することができます。 『東京国立近代美術館60年史』 東京国立近代美術館, 2012, 884p [MP||NMA1||2012] 0.2 東近美の所蔵作品の調べ方 この項では、東近美の所蔵作品に関する情報の調べ方について説明します。作品の情報とは、美術作品に関する「作家名」「作品名」「制作年」「技法」「支持体」「寸法(cm)」「所蔵先」などを指します。 0.2.1 所蔵作品 東近美では、20世紀はじめから現代に至るまでの国内外の美術作品を収集しています。所蔵作品の検索方法は「独立行政法人国立美術館所蔵作品総合目録検索システム」を用いる場合、『所蔵品目録』で探す場合の2種類があります。 a) 総合目録検索システム 「独立行政法人国立美術館所蔵作品総合目録検索システム」では、独立行政法人国立美術館6館のうち、所蔵作品を有する東近美、国立西洋美術館、京都国立近代美術館、国立国際美術館の4館の所蔵作品の情報を検索することができます。所蔵館を「東京国立近代美術館」に絞り込んで検索することもできます。 「作家名」「作品名」「制作年」「技法」「支持体」「形状」「員数」「寸法(cm)」「収蔵年度」「所蔵館名」などが記載されています。また、作品によっては、作品図版や解説、「来歴」(これまでにその作品が誰に所蔵されたか)、「展覧会歴」(どのような展覧会に出品されたか)、「参考文献」(どのような文献で紹介されたか)といった情報も掲載されています。データ更新は原則として毎年度末に行われています。更新状況はサイト上から確認することができます。 b) 所蔵品目録 『東京国立近代美術館 所蔵品目録』は1973年から発行されています。作品分野別に発行されており、所蔵品全作について白黒図版が掲載されいます。作品ごとに、「作者名(生没年)」「作品名」「制作年」「材質・寸法」「最初の発表展覧会名」「収蔵年度」などが記載されています。冒頭に記載された凡例には、分野や年代といった収録範囲が示されています。また、各巻末には索引が設けられており、「作者名」(日英併記)からも調べることができます。 『東京国立近代美術館所蔵品目録』 1973. [CC||NMA1||1973] 『東京国立近代美術館所蔵品目録 : 絵画』 2004. [CC||NMA1||2004] 『東京国立近代美術館所蔵品目録 : 水彩・素描 書 彫刻(立体造形) 資料 戦争記録画』 2006. [CC||NMA1||2006] 『東京国立近代美術館所蔵品目録 : 版画』 1993. [CC||NMA1||1993] 『東京国立近代美術館所蔵品目録 : 岸田劉生 作品と資料』 1996. [CC||NMA1] 『東京国立近代美術館所蔵品目録 : 補遺』 1994. [CC||NMA1||1994] 『東京国立近代美術館所蔵品目録 : 補遺 若林奮資料』 1994. [CC||NMA1] 『東京国立近代美術館所蔵品目録 : 工芸』 2003. [CC||NMA1||2003] 『東京国立近代美術館所蔵品目録 : デザイン』 2003. [CC||NMA1||2003] なお、東近美の所蔵品目録は、東近美OPACで「詳細検索」を選択し、「請求記号」欄に【CC||NMA1||*】と入力して検索すると確認することができます。 c) 所蔵品目録 東近美(本館)所蔵のコレクションは、当館ウェブサイト内の「作品検索」から確認できます。 東近美(本館)ウェブサイト > コレクション > 作品検索 0.2.2 図版や解説 a) 名品選 東近美(本館)所蔵の重要文化財を含む代表的なコレクションは、当館ウェブサイト内の「名品選」から確認できます。 東近美(本館)ウェブサイト > コレクション > 名品選 b) 刊行物 『東京国立近代美術館の名作』は、カラー作品図版と共に、日本語・英語による解説が付された資料です。巻末の作品リストで作品名・作家名から調べることができます。 『東京国立近代美術館の名作』岡﨑素子編集・デザイン・文. 国立美術館/誠文堂新光社 (発売), 2019 (国立美術館ガイド:1) [CC||NMA1||[2019]] 『名品選』は、東近美の所蔵作品の中から63点を選び、作品ごとにカラー図版、作品・作家に関する解説が付された資料です。目次からは収録作品の一覧を確認することができます。また、別冊には解説の英訳があります。 『名品選 : 東京国立近代美術館のコレクションより』 蔵屋美香, 保坂健二朗, 桝田倫広編集 東京国立近代美術館, [2016], 2冊, [CC||NMA1||[2016]] 『20世紀の絵画』は、2004年12月時点で所蔵している代表的な絵画作品202点を収録した資料です。カラー図版、日本語による作家・作品解説が掲載されています。巻末に、作品リスト、作家索引が付されています(日英併記)。 『20世紀の絵画 : 東京国立近代美術館所蔵名品選』東京国立近代美術館編 東京国立近代美術館, 2005, 309p. [CC||NMA1||[2005]] 『近代日本美術の名作』は、近代日本美術の動向を、当館だけではなく、他館の所蔵作品も交えながら作品図版と共に解説した資料です。一部の作品には日本語による解説があります。巻末には「作家略歴」「年表」「主要人名索引」が付されています。 『近代日本美術の名作 : 東京国立近代美術館ギャラリー・ガイド』東京国立近代美術館編 東京国立近代美術館, c1997, 167p. [CC||NMA1||1997] 『近代日本美術の名作』は、当館の代表作品を収録した資料です。カラー図版、日本語による作品・作家に関する解説が掲載されています。 『近代日本の美術 : 東京国立近代美術館所蔵作品選 』東京国立近代美術館編 東京国立近代美術館, 1984, 238p. [CC||NMA1||[1984] 『東京国立近代美術館60年史』 は、東京国立近代美術館開館60周年を記念して編まれた年史です。年度ごとに、東近美の主な新収蔵作品10点がセレクトされ、白黒図版や作品データと共に掲載されています。 『東京国立近代美術館60年史』 東京国立近代美術館, 2012, 884p [MP||NMA1||2012] b) 教材 国立美術館の各館教育普及担当が作成した「国立美術館アートカード・セット」は、国立美術館の所蔵作品を用いた鑑賞学習教材です。冊子には東近美だけではなく、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館の収蔵作品カラー図版・情報・解説が、鑑賞のポイントと共に掲載されています。 『国立美術館アートカード・セット』国立美術館編 東京 : 国立美術館, 2017 [MP||NMA||[2017]] 0.3 東近美の所蔵作家・出品作家に関する資料 この項では、当館で作成・整理した資料の中から、所蔵作家や過去の出品作家に関して調査する上で役立つ資料を紹介します。 0.3.1 刊行物 『美術家たちの証言』は、当館のニュースレター『現代の眼』の中から、日本近現代の美術家による71篇の記事をまとめた資料です。巻末には作家名の索引が付されています。 『美術家たちの証言 : 東京国立近代美術館ニュース 「現代の眼」 選集』 東京国立近代美術館編 美術出版社, 2012, 302p [MP||NMA1||[2012] 当館で2013年に開催した「プレイバック・アーティスト・トーク」展は、2005年~2011年にかけて行われたイベント「アーティスト・トーク」を振り返った展覧会でした。そのカタログには「アーティスト・トーク」を行った12人名の作家のトーク内容が掲載されています。 『プレイバック・アーティスト・トーク』 東京国立近代美術館編 東京国立近代美術館, c2013, 55p[CG||NMA1||493] 0.3.2 作家ファイル(東近美アートライブラリ作成) 東近美の所蔵作家・出品作家、約4,100名に関する非図書資料(展覧会案内・チラシなどのエフェメラ)を、作家名ごとにファイルしたものです。2019年7月より、東近美OPACで検索できるようになりました。閲覧を希望される方は、カウンターにお申し付けください。なお、デリケートな資料ですので、閲覧出納に時間を要する場合があります。あらかじめご了承ください。 作家ファイル 0.3.3 作家シート(東近美アートライブラリ作成) 東近美アートライブラリで作成した約6,200人の美術関係の物故者シートで、新聞などに掲載された死亡記事をスクラップして作家名の五十音順にファイルしたものです(2019年3月末をもって更新停止)。当該ファイルは閲覧室に配架してありますが、東近美OPACで検索できないため、お探しの場合はカウンターにお申し付けください。 作家シート 美術文献ガイドメニュー 0:東京国立近代美術館のツールを使う 1:人物情報の探し方 2:作品情報の探し方 3:展覧会情報の探し方 4:雑誌情報の探し方

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ハルバース、 フレッド

TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション|ギャラリートーク

本展を担当した研究員が、どのようにトリオを作ったのか、実際に作品を並べることで見えてきた共通点など、会場で作品を前にお話します。 2024年7月5日(金)18:30-19:00 横山由季子(本展企画者、東京国立近代美術館研究員) 1F企画展ギャラリー 1Fエントランスホール 事前予約不要 参加無料 ※当日有効のTRIO展観覧券をご提示ください(当日に限り再入場可) イベントの撮影・録画・録音はお断りしております。 内容や日時は都合により変更となる可能性がございます。あらかじめご了承ください。

所蔵作品展 MOMATコレクション(2024.4.16–8.25)

2024年4月16日-8月25日の所蔵作品展のみどころ 山口勝弘《ヴィトリーヌ No.47(完全分析方法による風景画)》1955 年 MOMATコレクションにようこそ! 当館コレクション展の特徴をご紹介します。まずはその規模。1952年の開館以来の活動を通じて収集してきた13,000点超の所蔵作品から、会期ごとに約200点を展示する国内最大級のコレクション展です。そして、それぞれ小さなテーマが立てられた全12室のつながりによって、19世紀末から今日に至る日本の近現代美術の流れをたどることができる国内随一の展示です。今期のみどころ紹介です。5室「パリのサロン」、9室「『20 Photographs by Eugène Atget』」、10室「東西ペア/三都の日本画」は、企画展「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」(5月21日~)に関連した展示です。また3階7、8室「プレイバック「日米抽象美術展」(1955)」は、当館黎明期の重要展覧会を再現VRなどを駆使して振り返る企画第二弾です。そのほか前会期好評だった1室「ハイライト」の鑑賞プログラムの試み、12室「作者が語る」は作品を入れ替えて継続します。 今期も盛りだくさんのMOMATコレクション、どうぞお楽しみください。 今会期に展示される重要文化財指定作品 今会期に展示される重要文化財指定作品は以下の通りです。 原田直次郎《騎龍観音》1890年、護国寺蔵、寄託作品|1室 和田三造《南風》1907年|1室 岸田劉生《道路と土手と塀(切通之写生)》1915年|2室 中村彝《エロシェンコ氏の像》1920年|3室(展示期間:2024年6月16日まで) 原田直次郎《騎龍観音》1890年、護国寺蔵、寄託作品 和田三造《南風》1907年 岸田劉生 《道路と土手と塀(切通之写生)》1915年 中村彝《エロシェンコ氏の像》1920年 展覧会について 4階 1-5室 1880s-1940s 明治の中ごろから昭和のはじめまで 「眺めのよい部屋」美術館の最上階に位置する休憩スペースには、椅子デザインの名品にかぞえられるベルトイア・チェアを設置しています。明るい窓辺で、ぜひゆったりとおくつろぎください。大きな窓からは、皇居の緑や丸の内のビル群のパノラマ・ビューをお楽しみいただけます。 「情報コーナー」開館70周年を記念してMOMATの歴史を振り返る年表と関連資料の展示コーナーへとリニューアルしました。年表には美術館の発展に関わる出来事のほか、コレクションの所蔵品数や入場者数の推移を表したグラフも盛り込んでいます。併せて、所蔵作品検索システムもご利用いただけます。 1室 ハイライト パウル・クレー《花ひらく木をめぐる抽象》1925年 展示風景(クレー作品への問いかけシート)撮影:大谷一郎 3000㎡に200点近くが並ぶ、所蔵作品展「MOMATコレクション」。「ハイライト」では近現代美術を代表する作品を揃え、当館のコレクションの魅力をぎゅっと凝縮してご紹介しています。日本画のコーナーでは、前期(4月16日―6月16日)は加山又造の《千羽鶴》を、後期(6月18日―8月25日)は鏑木清方の《墨田河舟遊》を展示します。ガラスケースの中では、新収蔵品《渡船・雨宿芝山象嵌屏風》をはじめとする国立工芸館の名品も合わせてご覧いただけます。ケースの外には、重要文化財の原田直次郎《騎龍観音》、和田三造《南風》のほか、日本近代洋画の人気作品や日本の前衛美術に大きな影響をもたらした西洋の作家たちの作品を並べました。今回はいつもの作品解説のほかに、鑑賞のきっかけとなるような問いかけを示しました。これらの問いかけは、子どもから大人まで多くの方々が参加してきた当館の鑑賞プログラムでの実践をもとに選んでいます。MOMATコレクションと初めて出会う方も、すでに顔なじみの方も、さまざまな視点から作品をじっくり眺めて、肩の力を抜いて鑑賞をお楽しみください。 2室 1910年代―個への目覚めと多様性 関根正二《三星(さんせい)》1919年 ヨーロッパで学んだ美術家たちが相次いで帰国し、美術・文芸雑誌が次々と創刊されて、ヨーロッパの新しい美術や考えが盛んに紹介された明治時代の末、1910年頃。しかしこの時代は、海外からの刺激に共感しながらも、同時に自分自身のものの見方や考えに基づいた自己表現を追究した時代でもありました。 既成概念にとらわれず、芸術家が自己表現を追い求める自由をよしとした、高村光太郎の「人が『緑色の太陽』を画いても僕はこれを非なりと言わないつもりである」(1910年)は、そうした大正時代の個性主義の幕開けを象徴する言葉として知られています。日本画においても、伝統や様々な過去の作品のとらえ直しや研究の中から、画家個人の資質を活かした題材や表現の探究がみられます。こうして1910年代は、個への意識にうながされた多様な表現が生み出されることになりました。 3室 大戦とバブル 藤田嗣治《パリ風景》1918年 「戦争があるなんて、作り話ぢやないのかしらん」―小川未明の小説『戦争』(1918年)には、日本が戦争に参加し多くの死者が出ていることを信じたくない作者の心境と、海外で起きていることに無関心な市民の様子が描かれています。第一次世界大戦に直接関わる日本の美術作品もほとんどありません。むしろ日本は当時、軍需品の輸出によって好景気を迎え、「成金」と呼ばれる企業家が続々と登場していました。この部屋に並ぶ作品はおよそ10年のうちに作られた作品群ですが、歴史の諸相をよく伝えるでしょう。藤田嗣治が描く重く寂しいパリの風景と、同時期に外国貿易で栄えた門司港を描いた柳瀬正夢の絵はじつに対照的。大戦中に起こったロシア革命から逃れてきたニンツアは、同じ頃に新宿中村屋に身を寄せていました。村山知義、古賀春江、岡本唐貴らの作例に見るように、海外から影響を受けて日本で前衛傾向が高まるのもこの時代です。 4室 長谷川利行 東京放浪 長谷川利行《カフェ・パウリスタ》1928年 無頼、天衣無縫、放浪と飲酒のデカダンス。生き様も画風も同じく嵐のようであった長谷川利行が関西から上京してきたのは30歳を迎える1921年のこと。独学で始めた油絵は白を基調に鮮やかな色彩が走る激しい作風が特徴で、大きな画面もたった数時間で仕上げてしまう速筆が評判でした。彼のアトリエとなったのは関東大震災(1923年)後の東京の盛り場や下町です。《カフェ・パウリスタ》と《ノアノアの女》に描かれているのは当時流行の最先端であったカフェ。《タンク街道》《鉄工場の裏》《お化け煙突》はいずれも、労働者が集まっていた隅田川沿いの江東地域の風景です。ときに「肖像画の押し売り」をしながら街をうろつきまわっていた長谷川の絵は、スピードに満ちた迫力がある一方で、ナイーブで詩的な印象を覚えさせます。およそ100年前の東京を思い浮かべつつ、無造作になすりつけられたような筆が生み出す不思議な広がりをお楽しみください。 5室 パリのサロン 石井柏亭《サン・ミシェル橋》1923年 今日では美術館をはじめ作品を展示する場は多岐にわたりますが、およそ100年前の芸術家たちにとって、サロン(公募展)は重要な発表の舞台でした。フランスでは、1880年に国家主催のサロンが民営化されて以降、次々と新たなサロンが枝分かれし、20世紀に入ると、フォーヴィスムやキュビスムが生まれる土壌となります。とりわけ、サロン・デ・ザンデパンダン(1884年設立)、サロン・ドートンヌ(1903年設立)、サロン・デ・チュイルリー(1923年設立)には多くの芸術家が参加しました。こうしたサロンに出品したのはフランス人だけではありません。第一次世界大戦終結後の1920年代、世界中から芸術家たちがパリに集いました。好景気とシベリア鉄道の開通を背景に、日本からも大勢が訪れ、パリに暮らす日本人画家は一時300人を超えたと言います。彼らはこぞってパリのサロンに作品を送りました。ここでは、サロンの常連だった西洋の画家の作品とともに、サロンに挑んだ日本人画家たちの滞欧作を中心に展示します。 3階 6-8室 1940s-1960s 昭和のはじめから中ごろまで9室 写真・映像10室 日本画建物を思う部屋(ソル・ルウィット《ウォールドローイング#769》) 6室 興亜のまぼろし 和田三造《興亜曼荼羅》1940年 第二次世界大戦下の日本は、欧米列強の支配からアジアを解放するというビジョン―和田三造の《興亜曼荼羅》に示されるような、いわゆる「大東亜共栄圏」構想を掲げ、インドネシアやフィリピン、ビルマ(現在のミャンマー)など南方に進出しました。その背景には、石油や鉄鋼などの資源や航空基地の獲得といった戦争遂行上の目的がありました。占領地域では日本語教育などの皇民化政策がとられ、現地の人々は日本の戦時体制に組み込まれていきます。画家たちは「彩管報国」(絵筆で国に報いること)の理念のもと、戦争画を描きました。軍から委嘱された画家もいれば、自ら志願して現地に赴いた画家もいます。各地の戦闘場面や風俗を描いた絵画は、観衆の領土拡大への意欲を後押しし、戦意高揚に貢献しました。描かれた人々の表情には、画家たちのどのような眼差しが込められているのでしょうか。 7室 プレイバック「日米抽象美術展」(1955)① 「日米抽象美術展」(1955)展示風景 7・8室では、国立近代美術館(東京・京橋)で開催された「日米抽象美術展」(1955年4月29日―6月12日)を振り返ります。同展はアメリカ抽象美術家協会(AAA)が「第18回アメリカ抽象美術展」(1954年3月7日―28日、ニューヨーク、リヴァーサイド美術館)を開催するに際して、同協会から長谷川三郎(1906–1957)に日本の抽象作品の出品要請がなされたことをきっかけとしています。この展示のために長谷川は日本アブストラクト・アート・クラブを設立し、この要請に応えています。「日米抽象美術展」はそのお返しとしてAAAの抽象作品を招いて行われたのでした。この時期の日本では、さまざまな国際展が開かれてもいました。国立近代美術館の1階から3階にかけて行われた展示の会場構成を手掛けたのは、当時東京大学工学部の助教授であった建築家の丹下健三でした。1階では日本の彫刻作品、2階にはアメリカ側の作品、3階には日本側の作品が展示されました。7室では、残された資料や記録のほかに、それらを元に制作した展覧会再現VRを通して当時の様子をご覧いただけます。 8室 プレイバック「日米抽象美術展」(1955)② 篠田紅紅《風》1972年 8室では、所蔵品の中から「日米抽象美術展」の出品作家による作品を展示しています。同展で実際に展示された作品は、山口勝弘《ヴィトリーヌ No.47(完全分析方法による風景画)》(1955年)と、ハンス・リヒター《色のオーケストレーション》(1923年)の2点になります。「日米抽象美術展」は、日本とアメリカの抽象美術を並べて展示するのではなく、3階と2階のフロアにそれぞれ分けて展示することで、両国の抽象美術の今を対比的に検証する構成となっていました。また、日本側の一角には井上有一(1916–1985)や上田桑鳩(1899–1968)、篠田桃紅(1913–2021)、森田子龍(1912–1998)らによる前衛書(墨象)が展示されており、書と絵画が並ぶ初めての機会でもありました。1950年代は、世界的にも日本の書への関心が高まっていただけでなく、抽象美術と前衛書が最も接近していた時期でもありました。当時の新聞や雑誌に掲載された展覧会評には、両国いずれの作品が優れているかなどの議論が交わされています。資料も併せてご覧ください。 9室 『 20 Photographs by Eugène Atget』 ウジェーヌ・アジェ《『20 Photographs by Eugène Atget』より 紳士服店》1925年 (printed 1956) ベル・エポックに華やぎ、近代化と都市改造が進むパリとその郊外で、失われるかもしれない風景や街路、労働者、商店、室内装飾、庭園等を写真で記録し続けたのがウジェーヌ・アジェでした。今回展示しているのは、アジェのガラス乾板ネガから、写真家ベレニス・アボットによってプリントされた20点組ポートフォリオ作品です。1920年代にパリでマン・レイの助手を務め、自身のスタジオも持っていたアボットは、アジェの作品から強い影響を受けた写真家のひとりです。アボットは晩年のアジェの作業場を度々訪れては写真や撮影について対話し、交流を深めました。アジェは主題と調和する、当時すでに時代遅れだった撮影機材とプリント技法で写真制作をしていましたが、アボットはその諧調を損なわず、ネガに含まれた情報を最大限引き出せるよう、暗室で試行錯誤を重ねました。画像の保存性と耐久性を高めるため銀塩印画紙に金調色したプリントには、撮影から100年、プリントから60年以上経った今なお、アジェが後世に残したかったイメージと共に、アボットが大切にした写真の本質を見て取ることが出来ます。 10室 東西ペア/三都の日本画 フランシス・ベーコン《スフィンクス−ミュリエル・ベルチャーの肖像》1979年 手前のコーナーでは、洋の東西を越えて共通点を持つ国内・海外の作品をペアでご紹介します。当館が初めて海外作家の絵画を購入したのは、開館から四半世紀後となる1977年のことでした(アルベール・グレーズ《二人の裸婦の構成》)。MOMATコレクションは19世紀末から今日に至る日本の近現代美術の流れをたどることを柱としていますが、その流れの中に海外作品も織り込むことで、日本の近現代美術の地域性や、地域を超えた普遍性を捉えなおす機会が生まれます。それぞれのペアのつながりをぜひ探してみてください。奥のケースでは、1階で開催されるTRIO展(5月21日~)にあわせて、三都の日本画を紹介しています。三都と言っても、ここでは東京、京都、大阪の三都。出身地や居住地などでこの三つの都市と関わりの深かった日本画家の作品を選び、キャプションにそれぞれ区別できるシールを貼って示しています。描かれた主題や風俗、表現などに地域性が見いだせるか否かを考えながらご覧いただければと思います。 2階 11室 黙(らない)、認(めない) 山城知佳子《肉屋の女》2016年 山城知佳子《肉屋の女》には、沖縄の米軍基地内の「黙認耕作地」にある闇市が登場します。「黙認耕作地」とは、沖縄での地上戦後に米軍が強制接収した土地のうち、元の所有者による耕作が「黙認」された区域を指しています。無かったこと、知らなかったことにされている事実や記憶と、私たちはどのように向き合うことができるでしょうか。このコーナーでは、日本とアメリカという国家に抑圧される沖縄を起点に、暴力やジェンダーなどのテーマを扱う山城知佳子、自身が歴史や社会の中で構成されてきた「女」であることを引き受けながら、個々の生きる営みを眼差す石内都、戦後に日本国籍を失った在日韓国人として、日韓のはざまでアイデンティティを問い続ける郭徳俊の作品を紹介します。  彼らは「黙認」された人間や空間を具体化し、無闇に晒すのではなく、イメージの抑制や抽象化、異なる要素の並置といった表現手法を通じて、より開かれたかたちで、その複雑なありようを共有しようと試みています。 12室 作者が語る アーティスト・トーク第18回 辰野登恵子 作者だけが作品の意味や意義を知っているわけでは必ずしもなく、作品はいつも、私たちの解釈に開かれています。とはいうものの、やはり作者の言葉には強い説得力があります。当館では2005年から断続的にアーティスト・トークを開催し、その記録に取り組んできました。制作にまつわる考えを作者本人から聞くことができるのは、現代の美術ならではの大きな恩恵です。このほど、アートライブラリで公開していた過去のトークに英語字幕を付けて、ウェブサイトで公開いたしました(第一弾として21本を公開し、順次追加予定)。これにちなんで、菊畑茂久馬、辰野登恵子、堂本右美、中村宏の4作家のトーク映像とともに、作品を紹介します。小部屋で上映している加藤翼の映像作品には、作者インタビューのご案内を付しました。 作者が語る貴重な資料と合わせて、作品をあらためてじっくりご覧ください。また、ウェブサイトを通じて、ご家庭でもアーティストの言葉をお楽しみいただければ幸いです。 開催概要 東京国立近代美術館所蔵品ギャラリー(4F-2F) 2024年4月16日(火)~8月25日(日) 10:00–17:00(金曜・土曜は10:00–20:00) 入館は閉館30分前まで 月曜日(ただし4月29日、5月6日、7月15日、8月12日は開館)、4月30日、5月7日、7月16日、8月13日 一般 500円 (400円) 大学生 250円 (200円) ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 5時から割引(金曜・土曜) :一般 300円 大学生 150円 高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。入館の際に、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。 キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。 本展の観覧料で入館当日に限り、コレクションによる小企画「新収蔵&特別公開|ジェルメーヌ・リシエ《蟻》インターナショナル編」(2F ギャラリー4)もご覧いただけます。 5月18日(土)(国際博物館の日) 東京国立近代美術館

新収蔵&特別公開|ジェルメーヌ・リシエ《蟻》 インターナショナル編

フランスの彫刻家ジェルメーヌ・リシエの彫刻《蟻》(1953年)を初公開します。リシエ(1902–1959)は、第二次大戦後における女性彫刻家の先駆的存在の一人で、近年その再評価が急速に進んでいます。オーギュスト・ロダンの助手、エミール=アントワーヌ・ブールデルに学び、古典的彫塑の手法を守った点で近代彫刻の正当な継承者と言える一方、人体と自然界・動植物のイメージを有機的に結合させた独自の作風を確立して注目を浴びますが、キャリア全盛期に病に倒れました。 前会期では、リシエの《蟻》を起点に、時代的、テーマ的に関連づけられる日本人アーティストの作品を中心に展示を構成しました。今会期は「インターナショナル編」と題し、《蟻》はそのままに、フランス、イタリア、アメリカほか当館の海外作家の作品を中心にご紹介します。人脈的なつながり、形体的なつながり、多方向にその網を張りめぐらす、リシエの彫刻の豊かな表現をお楽しみください。 ジェルメーヌ・リシエ《蟻》1953年 撮影:大谷一郎 開催概要 東京国立近代美術館2Fギャラリー4 2024年4月16日(火)~8月25日(日) 10:00–17:00(金曜・土曜は10:00–20:00)入館は閉館30分前まで 月曜日(ただし4月29日、5月6日、7月15日、8月12日は開館)、4月30日、5月7日、7月16日、8月13日 一般 500円 (400円) 大学生 250円 (200円) ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 5時から割引(金曜・土曜) :一般 300円 大学生 150円 高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。入館の際に、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。 キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。 ※「友の会MOMATサポーターズ」、「賛助会MOMATメンバーズ」会員の方は、会員証のご提示でご観覧いただけます。 ※「MOMAT支援サークル」のパートナー企業の皆様は、社員証のご提示でご観覧いただけます。(同伴者1名迄。シルバー会員は本人のみ) 本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)もご覧いただけます。  5月18日(土)(国際博物館の日) 東京国立近代美術館

肉屋の女

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