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ガイドスタッフによる所蔵品ガイド
ガイドスタッフによる所蔵品ガイド ガイドスタッフ(当館ボランティア)が選んだ所蔵作品数点を、対話を交えて鑑賞します。ガイドスタッフ・作品は毎回変わります。その日出会った参加者との対話をお楽しみください。 開館日の平日 14時~14時50分頃開館日の土日祝日 11時~11時50分頃 どなたでも なし 4階エレベーター前ホール(MOMATコレクション展示室内) 無料(要観覧券) ご参加にあたって: プログラムの特性上、ガイドスタッフや作品の事前周知はしておりません。ご了承ください。 災害や会場の混雑状況等により、予告なく中止することがあります。 お問い合わせ 東京国立近代美術館 教育普及室メール: volunteer@momat.go.jp電話:03-3214-2605(受付時間:平日10:00-17:00)
中平卓馬 火―氾濫
日本の写真を変えた、伝説的写真家 約20年ぶりの大回顧展 日本の戦後写真における転換期となった1960 年代末から70 年代半ばにかけて、実作と理論の両面において大きな足跡を記した写真家である中平卓馬(1938-2015)。その存在は森山大道や篠山紀信ら同時代の写真家を大いに刺激し、またホンマタカシら後続の世代にも多大な影響を与えてきました。1960 年代末『PROVOKE』誌などに発表した「アレ・ブレ・ボケ」の強烈なイメージや、1973 年の評論集『なぜ、植物図鑑か』での自己批判と方向転換の宣言、そして1977 年の昏倒・記憶喪失とそこからの再起など、中平のキャリアは劇的なエピソードによって彩られています。しかしそれらは中平の存在感を際立たせる一方で、中平像を固定し、その仕事の詳細を見えにくくするものでもありました。 本展では、あらためて中平の仕事をていねいにたどり、その展開を再検証するとともに、特に、1975 年頃から試みられ、1977 年に病で中断を余儀なくされることとなった模索の時期の仕事に焦点を当て、再起後の仕事の位置づけについてもあらためて検討します。 2015 年に中平が死去して以降も、その仕事への関心は国内外で高まり続けてきました。本展は、初期から晩年まで約400 点の作品・資料から、今日もなお看過できない問いを投げかける、中平の写真をめぐる思考と実践の軌跡をたどる待望の展覧会です。 見どころ これまで未公開の作品を多数展示 近年その存在が確認された《街路あるいはテロルの痕跡》の1977 年のヴィンテージ・プリントを初展示。昏倒によって中平のキャリアが中断する前の、最後のまとまった作品発表となった雑誌掲載作13 点です。2021 年に東京国立近代美術館が本作を収蔵して以来、今回が初めての展示となります。また1976 年にマルセイユで発表されて以来、展示されることのなかった《デカラージュ》など、未公開の作品を多数展示します。 カラー写真の重要作を一挙に展示 1974 年に東京国立近代美術館で開催した「15 人の写真家」展の出品作《氾濫》をちょうど半世紀ぶりに同じ会場で再展示します。カラー写真48 点組で構成される幅約6 メートルの大作で、中平のキャリア転換期における重要作です。 また、中平存命中最後の重要な個展「キリカエ」(2011 年)に展示されたカラーの大判プリント64 点を展示します。 雑誌から読み解く中平の試み 『アサヒグラフ』や『朝日ジャーナル』など、キャリア前半の1960 年代から1970 年代前半にかけて発表された作品の掲載誌を多数展示。当時、雑誌は社会にイメージを流通させる手段として重要な役割を担っていました。写真がどのように流通するかについて常に意識的だった中平が、同時代の社会に対して、写真を用いて何を試みようとしていたのか、その実態を紹介します。 展覧会構成・主な展示作品 本展は初期から晩年にいたる中平卓馬の仕事を、5つの章でたどります。とくに2~4章では、1977 年に不慮の昏倒と記憶喪失により中断した中平の仕事が、どこへ向かおうとしていたのか、そこにいたる70 年代の展開を詳しくひもときます。 第1章 来たるべき言葉のために 第2章 風景・都市・サーキュレーション 第3章 植物図鑑・氾濫 第4章 島々・街路 第5章 写真原点 中平卓馬プロフィール 1938年東京生まれ。1963年東京外国語大学スペイン科卒業、月刊誌『現代の眼』編集部に勤務。誌面の企画を通じて写真に関心を持ち、1965年に同誌を離れ写真家、批評家として活動を始める。 1966年には森山大道と共同事務所を開設、1968年に多木浩二、高梨豊、岡田隆彦を同人として季刊誌『PROVOKE』を創刊(森山は2号より参加、3号で終刊)。「アレ・ブレ・ボケ」と評された、既成の写真美学を否定する過激な写真表現が注目され、精力的に展開された執筆活動とともに、実作と理論の両面において当時の写真界に特異な存在感を示した。1973年に上梓した評論集『なぜ、植物図鑑か』では、一転してそれまでの姿勢を自ら批判、「植物図鑑」というキーワードをかかげて、「事物が事物であることを明確化することだけで成立する」方法を目指すことを宣言。翌年、東京国立近代美術館で開催された「15人の写真家」展には48点のカラー写真からなる大作《氾濫》を発表するなど、新たな方向性を模索する。そのさなか、1977 年に急性アルコール中毒で倒れ、記憶の一部を失い活動を中断。療養の後、写真家として再起し、『新たなる凝視』(1983)、『Adieu à X』(1989)などの写真集を刊行。2010年代始めまで活動を続けた。2015年逝去。 1973年、自己批判を機に、それまでのプリントやネガの大半を焼却したとされていたが、2000 年代初頭、残されていたネガが発見され、それをきっかけとして2003年には横浜美術館で大規模な個展「中平卓馬:原点復帰-横浜」が開催された。 展示風景 第1章 来たるべき言葉のために 第1章 来たるべき言葉のために 第2章 風景・都市・サーキュレーション 第2章 風景・都市・サーキュレーション 第2章 風景・都市・サーキュレーション 第3章 植物図鑑・氾濫 第3章 植物図鑑・氾濫 第3章 植物図鑑・氾濫 第4章 島々・街路 第4章 島々・街路 第4章 島々・街路 第4章 島々・街路 第5章 写真原点 「中平卓馬 火―氾濫」展示風景 撮影:木奥惠三 カタログ 「中平卓馬 火―氾濫」展覧会公式カタログ 刊行日:2024年3月30日(土)価格:3,500円(税込)仕様:A4変形、ソフトカバー頁数:496ページ発行:ライブアートブックス(大伸社グループ) 目次 増田玲(東京国立近代美術館主任研究員)序論「根底的に、過激に、——中平卓馬の活動の軌跡をたどるために」 第1章 来るべき言葉のためにコラム1 東松照明と多木浩二コラム2 反復するイメージ 第2章 風景・都市・サーキュレーションコラム3 「風景論」と『映画批評』コラム4 中平卓馬と美術 第3章 植物図鑑・氾濫コラム5 中平卓馬と『朝日ジャーナル』コラム6 1973年、知覚異常の経験 第4章 島々・街路コラム7 中平卓馬による写真家論 第5章 写真原点コラム8 人物写真の変化について 第6章 展示会場風景 第7章 テキストマシュー・S・ウィトコフスキー(シカゴ美術館写真・メディア部門リチャード&エレン・サンダー・チェア兼キュレーターおよび同館戦略的アート・イニシアティブ担当ヴァイス・プレジデント )「中平のサーキュレーション」 八角聡仁(批評家)「写真あるいは時の陥没——中平卓馬《デカラージュ(Décalage)》をめぐって」 倉石信乃(明治大学教授、写真史)「中平卓馬『記録日記 一九七八年』について」 第8章 資料篇年譜著作文献一覧関連文献一覧展示作品一覧 開催概要 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー 2024年2月6日(火)~ 4月7日(日) 月曜日(ただし2月12日、3月25日は開館)、2月13日 10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00) 入館は閉館30分前まで 一般 1,500円(1,300円) 大学生 1,000円(800円) ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。 キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は、学生証・職員証の提示により団体料金でご鑑賞いただけます。 本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)、コレクションによる小企画「新収蔵&特別公開|ジェルメーヌ・リシエ《蟻》」(2F ギャラリー4)もご覧いただけます。 観覧券は美術館窓口(当日券のみ)と公式チケットサイト(e-tix)で販売いたします。 東京国立近代美術館、朝日新聞社 公益社団法人日本写真家協会
コンストルクチオン
題名は日本語で「構成」または「構造」です。木片、布、ブリキ、毛髪、そして海外のグラフ雑誌のグラビアなど、それまで美術の素材としてはほとんど使われてこなかった身の回りの事物によって画面が構成されています。硬軟織り交ぜたさまざまな素材が貼り付けられているため、一見、混沌としていますが、グリッド状に構成されていたり、左上に突き出た角材と中央の下向きの矢印とが対比されていたりするところから、構築的に組み立てようとする意志を感じさせます。急速に近代化していった都市のダイナミズムを体現していると捉えることもできるでしょう。
無題
筆を使わず、手袋をはめて目の粗いキャンバスに手指で絵の具を塗り込める加藤泉の作品には、特有の手触りがあります。「絵は「情報」が複雑になっている平たいものでないと意味がない」という作者の言葉どおり、ここにはじつに多くの色が使われ、多様な質感が集まっています。加藤の作品がしばしば「原始的」と言われるのは、民俗芸術を連想させる顔の造形だけでなく、眺めていると風景のようにも見えてくる情報の密度に由来するのでしょう。
Garden 1
点在する人物に気づかなければ、抽象的な絵のようです。特定の図を認識しにくいからというより、いかにも自由に広がる絵の具のふるまいが、そう思わせるのでしょう。地塗りを施していないキャンバスに薄く溶いた絵の具をにじませる、ステイニング(染み込み)技法の効果です。コントロールしきれない絵の具の動きは水面を思わせます。作者によればこの風景は、かつて過ごしたベルリンの広い公園に子供を連れて行った記憶に基づいているそうです。
横たわる少女
作者本人による一編の詩があります。「少女たちよ、大地に触れなさい/からだを横たえると/こちらの世界とあのよを/いききできるのです」。この詩に託されたような神秘性は、素材と、色彩と、モチーフの選択に支えられています。すなわち、塗り重ねた絵の具が染み込み、ぶれるような効果をもたらす目の粗いジュートに。黒い背景と、そこを横切る光の帯に。あるいは、腹ばいになり、手を前後させて進むような少女のポーズに。
群馬の人
美の規範よりも現実を生きる庶民を見つめたい。そうして作者はリアリズムを志したものの、「ジャガイモみたいな顔」を発表することを迷ったといいます。しかし結果は大好評。一重まぶたで頬骨の張った、この朴訥な印象のある頭像は、西洋彫刻の影響を脱し、「日本人の手で初めて日本人の顔を作った」と評されます。モデルは群馬出身の詩人で教師だった岡本喬。当館の開館初年度に収蔵され、彫刻の収蔵番号1番となった作品です。
孕んだ女
お皿、瓶、腕や首が浴室の中を漂っています。上下左右もはっきりしない狭苦しい空間を見ていると、落ち着かない気分になります。その原因は、タイルの目にあります。人は、体のバランスを保つ平衡感覚に基づいて、垂直、水平な線に安定した心地よさを感じます。しかしここではタイルの升目が作る縦、横の線が、絵のフレームの垂直、水平線から斜めにズレています。中央の妊婦が手にする器具の先端が特に明るく描かれています。この球を軸に絵の中の空間は回転し始め、人も物もばらばらにしてしまうかのよう。当時の社会が抱えていた精神状態を表現したとも言われる、この絵が呼び起こす不安さの裏には、こんな造形的工夫も隠されています。
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学校・教育関係
当館では団体観覧でコレクションをより身近に感じられるスクールプログラムを実施しています。また、学校での鑑賞の授業など教育の場で活用できる教材を多数ご用意しています。 イラスト:永井ひでゆき 近日開催のイベント 学校・団体向けプログラム ガイダンスやギャラリートークなど団体観覧時に利用できるプログラムをご紹介します。団体観覧料などもこちらでご案内します。 教員向けプログラム 企画展ごとに「先生のための鑑賞日」を実施しています。 教材 アートカード、セルフガイドなど鑑賞の授業や来館前の事前学習で活用できる教材をご用意しています。デジタル教材もご案内しています。 メールニュース 東京国立近代美術館で開催する教員向けプログラムの情報をメールでお知らせします。
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MOMATコレクション こどもセルフガイド
『こどもセルフガイド』小・中学生が当館の所蔵作品に親しむためのツールです。書き込み式のカードには、鑑賞体験をより深めるための問いかけや情報がのっています。 教材の特徴・使い方紹介動画 https://youtu.be/R8YklEeh76A セルフガイドは「作品を見るきっかけ」です。 1枚のカードにつき一点の作品を取り上げています。 まず、カードの作品を探しましょう。 作品を見つけたらまずはじっくり見て、問いをきっかけにさらに観察してみてください。※ 6枚セットでの配布は終了しました。現在は美術館1階エレベーター前のチラシ台で1枚ずつ無料配布しています。 MOM@T Home こどもセルフガイド MOMATコレクションの展示室内では、お手元のスマートフォン、タブレット等から「MOM@T Home こどもセルフガイド」を利用できます。
