個人
一般
300円
大学生
150円
展覧会
会期
会場
国立工芸館
光と影。それは自然・人工を問わず日々目にするもの。物理で語ることながら、心理への働きかけも少なからず、まったく意識にのぼらないこともあるのに、ひとたび注視すれば時が経つのも忘れさせるほどです。原初的な畏怖から私たちを救い出し、富貴や理想の表象ともなって憧れを募らせる光。他方の影は底知れなさもまた魅力で、そこに情趣さえ読み取ろうとするのは、陰翳礼讃の気風があるわが国ならではの美意識かもしれません。
本展は工芸が切り取って見せた光と影のそれぞれの方向、そしてその間で無段階に変化する美しさを訪ねる試みです。物質感を豊かに抽出し、複雑さと合理性とを兼ね備えた構造から成る工芸。そこは光と影にとって絶好の舞台装置ともいえます。また、身近ではあっても決して触れることのできなかった現象を掌中に包み込み、身にまとうことさえできるのも工芸ならではの喜びです。
夏のひととき、光と影のコントラストとハーモニーをお楽しみください。
作品の表層に、あるいは構造に浮かび上がる光と影の様子を目で追いかけましょう。見る角度が少し動けば入れ替わりもする捉えがたさが作品の魅力を深めます。その妙なる界域を探るうちに呼び起こされる情景は、新鮮なのにどこか懐かしくもあり。見る人の心理に寄り添い、経験や記憶と結びついて豊かさを増す光と影の物語をお楽しみください。
色、かたち、質感。工芸をつくり出すさまざまな要素にも光と影は強く作用します。たとえば微細な鎚跡(つちあと)に潜む影。エッジに走る光と競いあって立体感を深めてはいないでしょうか。釉薬のつややかな層に触れれば実態のないこの現象を包み込んだかのような心地にもなります。作者が仕掛けた光と影のわざを、あなたは幾つ見つけられる?
光と影は物質を介して多様な相を展開します。なかでも金属とガラスに見る光の吸収と透過、反射や散乱とそれに呼応する影の効果はまた格別で、主題を際立たせ、制作の目的ともなってきました。この部屋では2種の素材に限定し、そこでセンシティブな反応を示す光と影とを対照してみましょう。《十二の鷹》(重要文化財)も前後期あわせて6羽登場。鋭い爪やふっくらとした羽毛の生命感に宿る陰影の美をお見逃しなく。
国立工芸館(石川県金沢市出羽町3-2)
2024年6月18日(火)- 8月18日(日)
月曜日(ただし7月15日、8月12日は開館)、
7月16日
午前9時30分-午後5時30分
※入館時間は閉館30分前まで
7月19日(金)~8月17日(土)の金曜土曜と
8月11日(日・祝)は午前9時30分~午後8時
※入館時間は閉館30分前まで
国立工芸館
個人 | 団体(20名以上) | 割引料金 | |
---|---|---|---|
一般 | 300円 | 250円 | 250円 |
大学生 | 150円 | 70円 | 70円 |
300円
150円
250円
70円
250円
70円
*夜間開館日の午後5時30分以降は、一般 150円/大学生 70円
*いずれも消費税込。
*オンラインによる事前予約もあり。
*高校生以下および18歳未満、65歳以上、MOMATパスポート・学パスをお持ちの方、 友の会・賛助会員の方、MOMAT支援サークルパートナー企業(同伴者1名まで、シルバーパートナーは本人のみ)、キャンパスメンバーズ、文化の森おでかけパス(一般のみ)をお持ちの方、障害者手帳をお持ちの方と付添者(1名)は無料。
〇割引対象:石川県立美術館・金沢21世紀美術館・石川県立歴史博物館・石川県立伝統産業工芸館(いしかわ生活工芸ミュージアム)・金沢市立中村記念美術館・金沢ふるさと偉人館の主催展覧会入場券半券を窓口で 提示した方。