美術文献ガイド4:雑誌情報の探し方

4.1 雑誌情報とは

まず、雑誌とは、終期を予定せずに巻号や年月次の順に出版されるものを指します。紙に印刷された冊子体だけでなく、マイクロ資料、CD-ROMやインターネットなどの電子媒体など、様々な形態のものを含みます。これらを図書館では「逐次刊行物」と呼びます。本章では、これらの雑誌を利用する際に知っておくと役立つ約束事と、雑誌情報の探索に利用できる主なツールを紹介していきます。

雑誌情報というと少し漠然としているため、ここでは雑誌記事に絞って話を進めてみたいと思います。雑誌記事の探し方は図書とは異なります。あるタイトルの雑誌を探すことと、雑誌の記事を探すこととは、明確に区別する必要があります。そこでまず始めに雑誌の持つ4つの階層について簡単に整理しておきましょう。

雑誌記事を探すにあたっては「どの雑誌の」「何号の」「なんという記事か」「どこにあるか」の4つを知る必要があります。雑誌の4階層とはこれら4つの事柄に他なりません。

  1. 「どの雑誌の?」という部分は「書誌情報」にあたります。つまり同じタイトルの下に発行された雑誌全体に関する情報です。タイトル以外にも出版者、創刊・終刊はいつか、月刊か週刊か、なども「書誌情報」の一部です。
  2. 次に「何号の?」の部分はここでは「各号情報」と呼びます。何巻何号か、いつ発行されたか、何を特集しているかなど、特定の一号についての情報です。
  3. 最後に「なんという記事か?」は、ここでは「記事情報」と呼ぶことにしましょう。雑誌の各号に掲載された記事一本一本についての情報のことです。記事のタイトル、著者、開始および終了ページなどもこれにあたります。
  4. 図書館で雑誌記事を探すときは、ある雑誌の何号が、「その図書館にあるのか」という第4の要素も確認しなくてはなりません。これは後述するように、「各号情報」のひとつの側面でもあります。具体的にその図書館に何号から何号まであるか、現在も受け入れ中か、という図書館の所蔵に関する情報のことを「所蔵情報」といいます。この「所蔵情報」と求める自分の探す号を突き合わせることによって、はじめて探している号がその図書館にあるかどうかがわかるわけです。

4.2 雑誌の書誌情報

雑誌記事を探す場合、雑誌のタイトルなしにその記事を探すことは困難です。そのことからも分かるように、タイトルは「書誌情報」の最も大切なものだといえます。タイトル以外にも出版者や創刊・終刊時期などの「書誌情報」もわかっていると探しやすいです。というのは、同じタイトルの雑誌が意外と多いためです。

また、雑誌の「書誌情報」に特有のものとしてタイトルの変遷があります。たとえば春鳥會発行の『みづゑ』は昭和16年8月をもって一度終刊し、その後『新美術』へと引き継がれました。それからさらに『美術』へと変遷し、戦後再び『みづゑ』に引き継がれるのですが、このようなタイトルの変更は雑誌にはよくあることです。また、出版者や刊行頻度などが途中で変わることも少なくありません。こうしたことからも探す雑誌についてはなるべく多くの「書誌情報」を持っていることが望ましいです。

a) インターネットで探す

実際に当館の蔵書検索(OPAC)を検索すると、「検索結果詳細」画面で雑誌の「書誌情報」を見ることができます。これらの「書誌情報」から雑誌を特定します。また、東近美アートライブラリで所蔵していない雑誌の「書誌情報」は、他の図書館のOPACや目録に載っていないか確認してみましょう。他の図書館の情報を確認することで、当館の蔵書検索(OPAC)だけではわからなかった「書誌情報」が見えてくることもあります。

当館の蔵書検索(OPAC)を使用しても目的の資料が見つけられない場合には、「ALC Search: 美術図書館横断検索」で調べてみてください。詳細は「1.5.3 展覧会カタログ」の「a) ALC」をご参照ください。

国立情報学研究所のCiNii ResearchやCiNii Books、国会図書館オンラインや国立国会図書館サーチ、都立図書館や美術系大学の図書館のOPACなどでも雑誌書誌の検索ができます。

  • CiNii Research (https://cir.nii.ac.jp/)
  • CiNii Books (https://ci.nii.ac.jp/books/)
  • 国立国会図書館オンライン(https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/)
  • 国立国会図書館サーチ (https://iss.ndl.go.jp/)
  • 東京都立図書館 (https://www.library.metro.tokyo.jp/)
  • 女子美術大学・女子美術大学短期大学部図書館 (https://library.joshibi.ac.jp/)
  • 多摩美術大学図書館 (https://www.tamabi.ac.jp/tosho/)
  • 東京藝術大学附属図書館 (https://www.lib.geidai.ac.jp/)
  • 東京造形大学図書館 (https://www.zokei.ac.jp/)
  • 武蔵野美術大学美術館・図書館 (https://mauml.musabi.ac.jp/)

洋雑誌の場合、ニューヨーク近代美術館(MoMA) やGetty財団などのOPACも参考になります。

  • Museum of Modern Art, New York (https://library.moma.org/discovery/search?vid=01NYA_INST:MoMA)
  • Getty Research Institute Search Tools and Databases. The J. Paul Getty Trust (https://www.getty.edu/research/tools/)

b) 冊子で探す

『東京都美術館蔵美術雑誌目録』は、薄い小冊子ではありますが、多くの美術雑誌を扱っていると同時に、簡単な解題も付いていて大変便利です。これを始めとする他の図書館の雑誌目録は、実際に足を運ばなくても、書誌事項の確認にも役立ちます。

特定の雑誌について深く調べたい場合もあると思います。以下では、雑誌について複数の視点から調査するときに参考になるツールを取り上げます。

ある雑誌について、時代的意義やその内容を簡単に説明した解題を確認したい場合は、雑誌の事典を見てみましょう。次に挙げる2冊のうち、最初のものは明治以降の雑誌を扱った代表的な事典です。この事典は本来、近代文学を扱ったものですが美術雑誌も多く含まれています。これに載っていなければ2番目の事典を使って、その雑誌について書かれた文献の所在を調べることができます。

雑誌とその時代背景との関連を知りたい場合には、カタログに掲載された次のような年表も参考になります。

『大正期新興美術資料集成』は、大正期の新興美術にまつわる資料集です。「図版編」には、当時刊行された雑誌の表紙の書影が収録されています。「年表編」では、雑誌の創刊年に、その内容や目次などが詳しく記載されています。

『創刊号のパノラマ 』は、1867(慶應3)年~1956(昭和31)年に発刊された雑誌の創刊号の表紙を一堂に配した資料です。

『誌上のユートピア』は、日本近代の主要な美術雑誌を紹介した展覧会のカタログです。雑誌そのものの美的な価値に注目しています。

『美術と印刷物』は、2014年に当館で開催した展覧会の記録集です。同展では、1960-70年代の「美術」と親密な「印刷物」に着目し、日本のみならず、アメリカ、ドイツで刊行された雑誌などの様々な資料が取り上げられました。

『日本の70年代 1968-1982』は、2012年に埼玉県立近代美術館で開催された展覧会のカタログです。70年代の世相を色濃く反映した日本の雑誌が多数取り上げられています。

『松本竣介と「雑記帳」の画家たち』 は、1986年に神奈川県立近代美術館で開催された展覧会のカタログです。松本竣介らと雑誌『雑記帳』の関係を取り上げています。

4.3 各号情報と所蔵情報

4.3.1 各号情報の見方

「各号情報」には巻号、発行年月、特集名などといったものがあります。この中で特に大切なのが巻号と発行年月です。例えば文献リストに「芸術新潮 49(7)1998.7」とだけ書かれていたとします。雑誌名が『芸術新潮』であることはすぐにわかるでしょう。「1998.7」が発行年月であることも想像がつくかもしれませんが、それ以外の数字は何を意味するのでしょうか。「49(7)」は、49巻7号を表しています。

何巻何号という言い方を省略する場合、図書館では、上記のように巻次を書いてそのあとに丸括弧に号数を入れて表記します。雑誌によっては通号のみを表記しているものもありますが、この場合、丸括弧は用いず、通号の号数のみを記述します。次に述べる「所蔵情報」を見るときにも応用が効きますので、この丸括弧を用いた巻号の表記法は覚えておくと便利です。

4.3.2 所蔵情報の見方

「所蔵情報」は、「図書館にあるかどうか」という図書館サイドから見た情報です。
「所蔵情報」を実際にみてみましょう。OPACでは「書誌情報」と「所蔵情報」が確認できるようになっています。「所蔵情報」の「所蔵年」「所蔵巻号」という項目に注目してください。ここではいくつかの約束事があります。

まず「所蔵年」は、その館の所蔵最古号と所蔵最新号の年をハイフン(-)で結んだ形で記されています。1980-1995とあれば最古号は1980 年、最新号は1995年のものということです。ただし、その期間のものを全て所蔵しているわけではありません。この期間のどの号を所蔵しているかを確認するには「所蔵巻号」を確認します。

この「所蔵巻号」を表記するのに、先の丸括弧を使った巻号の記述方法が使われています。例えば「33(5-6,8)」は33巻の5号から6号と8号を所蔵しているというように、丸括弧の中にその巻の何号があるのかが表記されています。欠号がなければ、単に「33」とだけ表記します。なお、雑誌によっては通号のみを表記しているものがあります。この場合は所蔵している通号の号数をそのまま記述します。巻号の最後に「+」がついているものは、継続して受入中であるという意味です。なお、ここで紹介した「所蔵情報」の見方は多くの図書館の目録でも共通しています。

4.3.3 他の図書館の蔵書目録を調べる

東近美アートライブラリで所蔵していない雑誌は、他の図書館で所蔵していないか、他館のOPACや蔵書目録で調べてみましょう。一館だけの所蔵を扱った蔵書目録のほかに、複数の図書館の所蔵を一度に調べることのできる総合目録もあります。まずは一館のみを扱ったタイプの蔵書目録を挙げます。

1番目の国立国会図書館の蔵書目録は書誌・所蔵項目だけでなく、巻末の「総目次・総索引一覧」に目次の所在が示されているかどうか(☆印)、『雑誌記事索引』に収録されているかどうか(◇印)も分かるようになっています。国立国会図書館の蔵書目録には、上記の『国内逐次刊行物目録 追録 昭和63年1月-12月』ほか、外国の逐次刊行物の目録もあります。東京都美術館の雑誌目録は、4.3でも挙げましたが、こちらはより新しいものです。個々の雑誌の説明は古い版のほうが詳しいです。

この他、国立国会図書館オンライン、都立図書館や美術系大学の各図書館のOPACもインターネットで検索できます。ただし、大学図書館の多くは、利用に際して紹介状が必要であるなど、大学関係者以外の利用は制限されています。

次に複数の図書館の所蔵を一度に調べるためのものとして、国立情報学研究所の総合目録を挙げます。主に国公私立の大学図書館の「所蔵情報」を調べることができます。なお、CiNii Booksはそのインターネット版です。 最新の情報を調べる場合はCiNii Booksのご利用をおすすめします。

4.4 記事情報

4.4.1 主題・人名から探索

実際に雑誌記事を探す場合、まず記事の所在をつきとめることが最初のステップとなります。まずは主題や人名から探すことのできるツールを紹介します。

a) 冊子で探す

いずれも巻頭に「凡例」がありますが、巻号の読み方などはこれまでに説明した方法と同じです。巻末の索引で人名や主題から引くことができます。『芸術・美術に関する○○年間の雑誌文献目録』が『雑誌記事索引 人文・社会編』をもとにした純粋な雑誌の索引であるのに対して、後者には図書や展覧会カタログも含まれています。この二つのシリーズを利用することで戦後に刊行された美術に関する雑誌記事の主要なものはカバーすることができるでしょう。

b) インターネットで探す

1) 国内

まずご紹介したいのは『雑誌記事索引』です。国立国会図書館による雑誌記事索引の提供は、1948年から1995年まで雑誌として刊行されましたが、2002年に国立国会図書館のOPACが全面公開され、これによりデータベース化された雑誌記事索引の全データがインターネットを通じて検索することが可能となりました。国立国会図書館で所蔵している主要な雑誌の記事が検索できます。国立国会図書館オンラインや、国立国会図書館サーチから検索することができます。収録されている雑誌の一覧も国立国会図書館のウェブサイトで公開されています。

  • 国立国会図書館 雑誌記事索引について (https://www.ndl.go.jp/jp/data/sakuin/sakuin_select.html)
  • 雑誌記事索引採録誌一覧 (https://www.ndl.go.jp/jp/data/sakuin/sakuin_index.html)

次に、国立情報学研究所(NII)の文献情報検索サービス、「CiNii Research 論文・データをさがす」をご紹介します。「CiNii Research」では文献く加えて、外部連携機関、機関リポジトリ等の研究データ、KAKENの研究プロジェクト情報などを横断検索することが可能です。上で説明した「雑誌記事索引」も含まれます。

  • CiNii Research (https://cir.nii.ac.jp/)

2) 海外

「ARTbibliographies Modern (ABM) 」は、モダンアートおよびコンテンポラリーアートを専門とする書誌情報としては唯一のものです。 絵画、彫刻、写真からビデオアート、ボディアート、グラフィティまで、あらゆる芸術形式を網羅しています。 1960 年代後期以降のものから、完全抄録と索引を提供しています。

「Arts & Humanities Database」は、芸術、建築、デザイン、歴史、哲学、音楽、文学、演劇、文化研究を含む数百のタイトルを収録しています。 次の索引を補足するよう設計されています。 ABM, DAAI, British Humanities Index, MLA International Bibliography and Philosopher’s Index等。

「Avery Index to Architectural Periodicals」は、建築、都市工学分野の記事索引です。1934年以降の建築に関するジャーナル記事を扱っており、建築と建築史、景観設計、都市計画、歴史的保存、インテリアデザインや室内装飾などを網羅しています。

「Design and Applied Arts Index (DAAI)」は、デザイン・工芸分野にかかわる多様な記事を収録し、1973 年から現在までのジャーナル記事、展覧会批評、ニュース項目を検索できます。 工芸、グラフィックデザイン、ファッション、インテリア、建築、ウェブデザイン、アニメーション、造園など、幅広い分野をカバーしています。

「International Bibliography of Art (IBA)」は、この分野で最も信頼されている「Bibliography of the History of Art (BHA) 」の継承後誌を公開しているウェブ版データベースで、BHA の編集方針を踏襲しています。 このデータベースには、Getty Research Institute により 2008年から2009 年に作成されたレコード、ならびに同じシソーラスと典拠ファイルを使用して ProQuest により新たに作成されたレコードが含まれます。

上記のデータベースはいずれも、ProQuest社が提供しており、共通のプラットフォームを使用しているため、データベースを横断検索することができます。検索画面には英語と日本語の両方がありますが、抄録などのデータ内容は英語だけです。左上の欄に作家名などを入力して検索します。記事が見つかったら出版物の種別を示す「ドキュメントのタイプ」の項目を確認してみましょう。Journal article」とあれば雑誌記事ですので、雑誌のタイトルと巻号を確認し、あらためて当館の蔵書検索(OPAC)を検索し、所蔵を確認してください。

「BHA and RILA」は、西洋美術全般のデータベースで、英語で抄録を読むことができます。「Document Type」に「Article (journal)」と記されていたら雑誌記事です。「Bibliography of the History of Art(BHA)」(1990-2007)、および「Repertoire de la litterature de l’art(RILA)」(1975-1989) が統合されており、同時に検索できます。当館の蔵書検索(OPAC)で所蔵を確認する際は、上記データベースと同様です。

  • Bibliography of the history of art (BHA). And Repertoire de la litterature de l’arta(RILA), The Getty (https://www.getty.edu/research/tools/bha/index.html)

「JSTOR」は米国非営利公益法人による美術雑誌170タイトル以上を含む学術アーカイブです(2019年9月現在)。

OAO は、旧グローブ社美術事典The Dictionary of Art のオンライン版です。The Dictionary of Art のフルテキストを含んだGrove Art Online のほか、The Oxford Companion to Western Art, Encyclopedia of Aesthetics, The Concise Oxford Dictionary of Art Terms, Benezit Dictionary of Artistsも横断検索できます。

4.4.2 雑誌の総目次からの探索

雑誌が特定できる場合は、その雑誌の総目次や総索引から記事を探してみましょう。とはいえ全ての雑誌に総目次があるわけではありません。また、その形態も一冊の図書であったり、雑誌の一号であったり、はたまた年末の号に一年分の目次を掲載する雑誌もあります。

日本の主な雑誌に関しては、当館の蔵書検索(OPAC)では「注記」という項目で総目次の所在も示しています。しかし、全ての雑誌に総目次が表示されるとは限りません。総目次がない場合には下記の参考図書を活用してみましょう。

少し性格は異なりますが、下記の資料は、明治から終戦までの主要美術雑誌53誌の目次を誌名順に並べたものです。人名索引もあり、戦前雑誌の人物情報を探すときにも役立ちます。

『前衛誌』は、20世紀初頭の未来派・ダダ・構成主義に関連する雑誌やエフェメラについてまとめられた資料です。海外編と日本編が刊行されており、それぞれテキスト編と図版篇の2冊組となっています。

『創作版画誌の系譜』は、日本の近代版画を振り返る際に欠くことのできない、創作版画誌の目次および作品図版の目録です。書誌事項のみならず、解題も掲載されています。収録対象誌は、明治38年から昭和20年までに刊行されたもので、創刊年月順に配列されています。

CD-ROMやマイクロフィルムのかたちで復刻された雑誌には、別冊の総目次が刊行されていることがあります。それらを用いることで、探している記事が何巻(何枚)目に収録されているのかを調べることができます。ここでは、例として下記の2点を挙げておきます。

4.4.3 特定の年の記事を探す場合

年代を特定できれば日本美術年鑑が最も網羅的です。しかし、編集方針が途中で微妙に変わっているため、探し方に戸惑うことがあるかもしれません。平成12年版は「平成11年1月から12月」までを扱っている、というように版の年号と実際の収録年の間に一年のずれがありますので、ご注意ください。なお、当館の蔵書検索(OPAC)では年代によって書誌が分かれています。詳細は「1.4.4 年鑑」をご参照ください。

4.4.4 論集

これまで雑誌記事の検索方法をご紹介してきましたが、ここでは特定のテーマや著者でまとめられた論集をご紹介します。これらの初出は多くが雑誌媒体に掲載されたものです。

『海外新興芸術論叢書』は大正・昭和前期に未来派・立体派・表現派の言説をまとめたものです。全22巻から成ります。

『コレクション・日本シュールレアリスム』は戦前に出版された単行本や雑誌に掲載されていたシュールレアリスムの言説をまとめたものです。全15巻から成ります。

『美術批評家著作選集』は美術批評家やジャーナリストごとに主要な言説をまとめた選集です。各巻で取り上げた美術批評家やテーマについては編者による解題も載っています。全21巻から成ります。

下記は著名な美術批評家ごとに編まれた論集・選集です。

From postwar to postmodern, Art in Japan 1945-1989は、戦後の日本美術について書かれた論考を英訳してまとめた論集です。

下記は海外の美術批評や理論をまとめた論集です。邦訳があるものもあります。

4.5 美術関連機関について

最後に美術館以外の機関で美術と関係の深い学会、研究所などを列挙し、その主な出版物を紹介します。東近美アートライブラリに比較的多く出版物が所蔵されているものや、関わりの深いものを中心に挙げています。

a) 学会

美術史学会 (http://www.bijutsushi.jp/)
時代や地域を問わず美術史一般が対象。

美学会 (https://www.bigakukai.jp/)
ひろく美学を研究対象とする学会。

ジャポニスム学会 (https://japonisme-studies.jp/ja/)
ジャポニスム(19~20世紀初めの欧米での日本ブームのこと)を扱う。

日仏美術学会 (https://sfj-art.org/)

日本におけるフランス美術研究と、フランスにおける日本美術研究の推進を目指す学会。

明治美術学会 (https://www.meibikai.org/)
日本の近代美術と西洋美術との関係や、日本における「美術」の概念の成立過程など、明治期の美術に焦点をあてた学会。

アート・ドキュメンテーション学会 (http://www.jads.org/)
美術に関する「情報」を扱う。

日本アートマネジメント学会 (http://ja-am.org/)
芸術文化政策や施設運営などの理論と実践についての研究を行う。

日本映像学会 (https://jasias.jp/)
写真・映画・テレビなどひろく映像に関する研究を行っている。

b) 美術関係研究所

東京文化財研究所 (https://www.tobunken.go.jp/index_j.html)
文化財全般にわたる調査研究や保存修復、文化財保護の国際協力を行う研究所。昭和5(1930)年に黒田記念館内に設置された美術研究所を前身とする。『美術研究』 (雑誌) と『日本美術年鑑』 (図書)ほかの刊行物を発行。雑誌『みづゑ』の創刊号から90号までの全文をインターネットで提供。執筆者の索引もあり。

修復研究所 21 (https://www.ars21.co.jp/)

旧称:創形美術学校修復研究所。

c) 各種団体

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)(https://www.jpf.go.jp/j/index.html)
国際的な文化交流の推進を目的として創られた基金。多くの展覧会を主催・後援している。

鹿島美術財団 (https://www.kajima-fa.or.jp/)
鹿島建設による企業メセナの一環として美術の調査研究や『鹿島美術財団年報』などを発行している。

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