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ガイドスタッフによる所蔵品ガイド
ガイドスタッフによる所蔵品ガイド ガイドスタッフ(当館ボランティア)が選んだ所蔵作品数点を、対話を交えて鑑賞します。ガイドスタッフ・作品は毎回変わります。その日出会った参加者との対話をお楽しみください。 開館日の11時~11時50分頃※ 2024年9月21日(土)、22日(日)、11月3日(日)、12月16日(月)は、会場が混み合うことが予想されるため実施しません。(2024.11.22更新) どなたでも なし 4階エレベーター前ホール(MOMATコレクション展示室内) 無料(要観覧券) ご参加にあたって: プログラムの特性上、ガイドスタッフや作品の事前周知はしておりません。ご了承ください。 災害や会場の混雑状況等により、予告なく中止することがあります。 お問い合わせ 東京国立近代美術館 教育普及室メール: volunteer@momat.go.jp電話:03-3214-2605(受付時間:平日10:00-17:00)
無限
木の間の秋
金地に木立という構図は近世の琳派に例があります。また、花をつけた葛、下生えのススキ、ススキに隠れた百合の花といったモチーフは、酒井抱一の有名な《夏秋草図屏風》(東京国立博物館蔵)のモチーフとも一致します。つまり琳派を強く意識した作品だといえますが、ここでの金は、琳派的な無限定の空間ではなく、木々の向こうにさしこむ光として扱われ、量感表現にも結びついています。この時期に再発見された琳派を、西洋的な写実表現と融合させ、新日本画として再生した意欲作です。
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12月16日(月)臨時開館のお知らせ
東京国立近代美術館は、12月16日(月)に臨時開館いたします。 開館時間 10:00~17:00(入場は16:30まで) ※ミュージアムショップは開店、アートライブラリは休室いたします ※レストランの営業時間はお電話にてご確認くださいラー・エ・ミクニ 03-3213-0392 ※ガイドスタッフによる所蔵品ガイドは実施しません 開催中の展覧会(12月22日(日)まで) 企画展「ハニワと土偶の近代」 所蔵作品展「MOMATコレクション」 コレクションによる小企画「フェミニズムと映像表現」
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美術評論家連盟資料
美術評論家連盟資料の整理は、ISAD (G)(国際標準記録史料記述一般原則の第2版)に基づいて行った。以下の表で示した項目(番号)はISAD (G)の記述エリアと対応している。 資料の詳細情報は、「3.3.4編成方法」の各シリーズに付した東京国立近代美術館蔵書検索(OPAC)のリンクから確認することができる。実際に、資料を利用する際は、「3.4.1利用条件」を事前に確認の上、アートライブラリにお問い合わせください。 ISAD(G)2nded. 項目 記述内容 3.1 識別表示 3.1.1 請求記号 AICA*||*||* 3.1.2 資料名 美術評論家連盟資料 3.1.3 年代域 1954〜2015年 3.1.5 資料の分量・規模 文書保存箱8箱_内訳:ファイル65冊 写真200枚 カセットテープ100本 会員名簿90冊 その他多数の紙片(数量はいずれも概数) 3.2 コンテクスト 3.2.1 作成者名(出所) 美術評論家連盟等 3.2.2 作成者の経歴情報 1954年5月、国際美術評論家連盟(L'Association internationale des critiques d'art)の日本支部として結成。美術評論家の団結をはかると共に、国際的に協力し、造形文化の発展に寄与することを目的とする。初代会長は土方定一、常任委員長は富永惣一、事務総長は河北倫明。 3.2.3 伝来情報 2019年、美術評論家連盟事務局のある東京国立近代美術館にて保管されていた資料を東京大学駒場キャンパスへと搬入し、整理作業を行った。その後、2024年に美術評論家連盟から東京国立近代美術館アートライブラリに寄贈された。 3.2.4 入手元 美術評論家連盟より寄贈 3.3 内容と構造 3.3.1 範囲・内容 美術評論家連盟の活動にまつわる文書。主として文書だが写真、カセットテープなどが含まれている。 3.3.4 編成方法 シリーズ(ウェブサイト上で表記) > ファイル(OPAC上で表記) 美術評論家連盟資料 ・シリーズ1:美術評論家連盟に関する資料(1954-2015, 主に1971-1982) A. 総会に関する資料(1964, 1971-2014) B. 常任委員会に関する資料(1972-2015) C. 催事に関する資料 D. 声明・要望等に関する資料 E. 会報に関する資料 [第1号〜ウェブ版第4号](2001-2014) F. 文化庁派遣芸術家在外研修員候補者推薦に関する資料 G. 個人・機関との通信などに関する資料 H. 会員名簿等に関する資料(1954-2015) I. 会計に関する資料 ・シリーズ2:AICA International(国際本部)に関する資料(1954-1960, 1974-2015) A. 国際本部からの受信文書(1954-1960, 1975-1984, 2000-2015) B. 国際本部への送信文書(1974-2015) C. 国際大会に関する資料(1978, 1984, 1995, 2000) D. 会計に関する資料 3.4 アクセスと利用条件 3.4.1 利用条件 〇一般公開なし 〇限定付き公開1. 事前に美術評論家連盟にて、当該資料の利用に関する申請手続きを行った上で、承認を受けてください。 2. 美術批評家連盟にて申請が受理されましたら、当館アートライブラリで利用申請をしてください。資料の準備に時間を要しますので、利用予定日の1カ月前までに申請をしてください(要事前予約)。 3.4.3 資料の言語 主に日本語 3.4.4 資料の物理的状態 第Ⅱ閉架にて保管 3.4.5 検索手段 ・ウェブサイト・OPAC 3.5重要な関連性のある他の資料 3.5.3 関連資料 3.5.4 参考文献 『美術評論家連盟会報』 20号(2019年11月):鏑木あづさ「美術評論家連盟資料について」 3.6 注記 3.6.1 注記 3.7 記述コントロール 3.7.1 担当者 東京国立近代美術館 3.7.3 記述年月日 2024年3月6日
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第4回東京国際版画ビエンナーレ展
今回の国際大賞はアンドレイ・イェメック(アンドレイ・イェメッツ)で、前回に続いてユーゴスラヴィアの作家の受賞となった。国立近代美術館賞は池田満寿夫(1934‒97)が受賞したが、審査委員会議長のウィリアム・リーバーマンは「国立近代美術館賞の授賞は日本人作家に限られており、もしそういう制約がなければ、池田が国際大賞をとったと思う」と述べ、授賞制度の見直しが次回以降検討されることになった。なお、特別展示として今回は広重の作品を陳列した。 開催概要 東京国立近代美術館 1964年11月14日‒12月20日(32日間) 10,481人(1日平均328人) 読売新聞社 ヘンリー・トルーブナー トゥイ・テレンス・バロウ ジャラルディン・アメッド デメンティ・アレクセヴィッチ・シュマリノフ ウィリアム・S.リーバーマン 久保貞次郎 山田智三郎 23.5×18.0cm(114)p. 527点 196人
4K映像 池田輝方 池田蕉園 《素描帳》全頁紹介|Close Look
https://youtu.be/h92Wb80YRhE 東京国立近代美術館では2023(令和5)年に、池田蕉園の描いた《かえり路》を受贈しました。その調査の過程でわかったことがあります。当館が所蔵する素描帳に、《かえり路》の構想図も描きこまれていたのです。素描帳は池田輝方のものとされてきました。「池田輝方先生素描」の題箋が貼られているからです。輝方は蕉園の夫。素描帳のページをめくってゆくと、二人がひとつの素描帳に思いつくままに描き、ほんの着想から小下絵になる寸前まで、作品の中身を定めていったことがうかがわれます。この素描帳の大部分を占めるのは、輝方の《木挽町の今昔》と蕉園の《かえり路》の構想です。どちらも1915(大正4)年に開催された第9回文部省美術展覧会に出品されました。 動画制作:国立アートリサーチセンター
4K映像 横山大観《生々流転》1923年(重要文化財)
水の一生を描いた画巻の大作、横山大観《生々流転》1923年(重要文化財)は、全長約40メートルにおよびます。 当館で《生々流転》のすべてを展示できるのは、1階の企画展で展示する時だけです。すべて展示してあっても、じっくり観ることは中々難しいということで、2022年に新たに撮影した画像を元に、この度4K高画質にて映像化しました。 ご堪能ください。 ※4K 画質で視聴する方法:YouTubeの再生画面右下の歯車から画質 「2160p」を選択ください。 動画制作:国立アートリサーチセンター https://youtu.be/JuUVteGAvqc
「フェミニズムと映像表現」展に寄せて——終わりの見えない過程のなかで
「あなたのフェミニズムのゴールはなんなのか?」と問われることが少なくない。この問いはフェミニズムには概ね共感しているがゆえに「ゴールはあるのか?」と途方に暮れてしまった人の口をついて出てきてしまった本音のようなものであろう。その際、私は「フェミニズムとは性差別がないか点検しながら前進し続ける過程だから、こうなったらおしまいというゴールはないのだ」と説明する。このようなフェミニズムの理解に引き寄せて考えると、本展の映像表現もわかりやすいクライマックスを持つものではない。劇的な展開がない、盛り上がりがない、断片的であったりループしたりする、本展に見られる映像表現はそれ自体、ゴールの見えにくい過程を経験することではある。 ローラ・マルヴィは、「視覚的快楽と物語映画」で、男性があらゆる場面で決定権者となっている世界では、あらゆるイメージのなかで女性が常に見られるための存在として目に見えてエロティックに演出されてきたことを指摘している1。「見る」という行為において快楽を得るのは異性愛の男性であり、女性は快楽を与える「見られる」側とされてきた。しかし、本展ではいずれの作品も、この規範に沿うことはない。一見すると「視覚的で性愛的」にも見えるダラ・バーンバウムの《ワンダーウーマン》も、不必要にセクシーなコスチュームに身を包むワンダーウーマンの変身や攻撃のシーンを執拗に繰り返すことで、その「視覚的で性愛的な強度」をインフレさせ、男性中心主義社会が享受してきた「視覚的快楽」を指し示している。 会場風景|中央手前:ダラ・バーンバウム《テクノロジー/トランスフォーメーション:ワンダーウーマン》1978–79年、中央右奥:塩田千春《Bathroom》1999年、右:マーサ・ロスラー《キッチンの記号論》1975年|撮影:大谷一郎 ところで、フェミニズム的な芸術表現には「おぞましいもの(アブジェクション)」2と「キャンプ」3という、大きなふたつの傾向があるように思う。前者は、鑑賞者の心に時に傷を残すほどの攻撃として働き、作者が直面する性差別や不平等を訴える。後者はユーモアやアイロニーを用いて、男性中心主義社会の欺瞞を誇張し、おちょくり、いじり倒す。本展の出展作品において、塩田千春の《Bathroom》は前者寄りの表現と言えるだろう。見ているだけで皮膚や粘膜がじゃりじゃりと感じられる「おぞましい」表現であり、ここから女性とその皮膚が容赦のない介入に晒される社会的状況を想起することもできよう。他方、この作品を除けば本展はどちらかと言えばキャンプ的な雰囲気が漂う。 本展は遠藤麻衣×百瀬文《Love Condition》の収蔵をきっかけに、フェミニズム的なテーマに関連する収蔵作品を集めて実現に至ったという。おしゃべりに伴い、性器や性行為の要素を分析し解体するようにアイデアが交換され、粘土が変幻する映像を見ていると、鑑賞している私の頭の中にも「理想の性器」のアイデアが湧いてくる。しかし、映像内でも語られるように、そのアイデアはつい現状の性器のあり方にどうしても引っ張られてしまいもする。人間の最もやわらかい部分である性器には強固な規範がまとわりついているのだ。 会場風景|左壁面:遠藤麻衣×百瀬文《Love Condition》2020年、中央壁面:出光真子《主婦たちの一日》1979年|撮影:大谷一郎 遠藤と百瀬のおしゃべりに呼応するのは、出光真子《主婦たちの一日》である。間取り図を赤いコマとして動き回る主婦たちを見ていると、彼女たちが家の中心ではなく周縁に位置する台所にいるのが多いことが気になってくる。主婦たち自身も「あたしお台所ばっかりだわ、嫌になっちゃう」、「なんかほんとにあれね、台所が多いわね」とつぶやく。台所で重なり合う彼女たち個々人の動きが可視化されることによって、それが家庭の事情などではなく社会的な構造を反映したものだということが明らかになる。 そして台所と言えば、マーサ・ロスラーの《キッチンの記号論》である。普段は台所のあるべきところ、あるべき用途におさまっている調理道具を、狂気じみたジェスチャーで解放する本作は、台所という特定の居場所で期待される役割に応えるように要請され続ける女性たちの、秘めざるを得なかった可能性を解放するものと言えるだろう。 そういえば、フェミニズムのゴールについて問われたように、「なぜあなたはフェミニズムが好きなのか?」と問われたこともあった。本展のような、女性アーティストのフェミニズム的実践に光を当てる展覧会への注目は年々高まっている。そのなかでも、ユーモアやアイロニーの力で男性優位の社会構造を不真面目4な態度で毀損する本展の映像表現を見て、私はこれだからフェミニズムが好きなのだと再認識した。 註 1 ローラ・マルヴィ「視覚的快楽と物語映画」斉藤綾子訳、『imago』1992年11月号、青土社 2 「おぞましいもの(アブジェクション)」とは、ジュリア・クリステヴァが『恐怖の権力—〈アブジェクシオン〉試論』において提起した概念である。松井みどりは、『アート:“芸術”が終わった後の“アート”』(朝日出版社、2002年)において、「アブジェクト」を、「父親を中心とした、理性的で生産的な組織や生活規範」によって「抑圧を受けながら、抑圧されればされるほど強く、人間にとってそれが避けられないものであることをあらわにしてくる、自分(文明)のなかの「闇」(不可能)の部分」と説明している(100頁)。 3 「キャンプ」とは、スーザン・ソンタグが「《キャンプ》についてのノート」(『反解釈』所収、高橋康也ほか訳、ちくま学芸文庫、1996年)において提起した概念である。 4 ソンタグは、「キャンプの趣旨は、要するに、真面目なものを王座から引きずりおろすことだ。キャンプはふざけており、不真面目である」と述べている(「《キャンプ》についてのノート」454頁)。 『現代の眼』639号
