の検索結果
の検索結果
あやしい絵展
はじめに 絵に潜む真実、のぞく勇気はありますか? 明治期、あらゆる分野において西洋から知識、技術などがもたらされるなか、美術も西洋からの刺激を受けて、新たな時代にふさわしいものへと変化していきました。 このような状況のもとで生み出されたさまざまな作品の中には、退廃的、妖艶、グロテスク、エロティックといった「単なる美しいもの」とは異なる表現がありました。これらは、美術界で賛否両論を巻き起こしつつ、激動する社会を生きる人々の欲望や不安を映し出したものとして、文学などを通して大衆にも広まっていきました。 本展では幕末から昭和初期に制作された絵画、版画、雑誌や書籍の挿図などからこうした表現を紹介します。 見どころ 1.一度見たら忘れられない名画たち 日本近代の美術における美しさの「陰画(ネガ)」をご紹介。上村松園の《焰》や《花がたみ》、鏑木清方《妖魚》等、「あやしい」魅力にあふれた作品が勢揃いします。 2.ディープな「あやしい」作品が盛りだくさん 甲斐庄楠音《横櫛》、橘小夢《安珍と清姫》、秦テルヲ《血の池》等、脳裏に焼きつくほど美しく強烈な「あやしさ」をそなえた作品が多数出品されます。 3.私たちを捉えて離さない「あやしい」物語 安珍・清姫伝説、「高野聖」等の物語はさまざまな作家を魅了し作品に展開されました。非現実であったり「あやしい」女性が登場したりする物語は、明治、大正期のみならず今の私達にも魅力的に映ることでしょう。 4.西洋美術も! アルフォンス・ミュシャ、ダンテ・ガブリエル・ロセッティ、オーブリー・ビアズリー、エドワード・バーン=ジョーンズ等、日本の画家達に影響を与えた西洋美術の作品もあわせて紹介します。 作品保護のため、会期中一部展展示替えがあります。詳しくは作品リストをご確認ください。(前期:3月23日~4月18日、後期:4月20日~5月16日) カタログ 開催概要 2021年3月23日(火)~5月16日(日) 月曜[ただし3月29日、5月3日は開館]、5月6日(木)*臨時休館期間:4月25日(日)~ 月曜[ただし3月29日、5月3日は開館]、5月6日(木)*臨時休館期間:4月25日(日)~ 9:30-17:00(金・土曜は9:30-20:00)臨時夜間開館日:5月12日(水)-16日(日)は20:00まで開館いたします 入館は閉館30分前まで本展会期中に限り9:30開館(ただし「MOMATコレクション」、コレクションによる小企画「幻視するレンズ 」は10:00開場) チケットの詳細・購入方法は特設ページをご確認ください。 一般 1,800円大学生 1,200円高校生 700円 いずれも消費税込。中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は、学生証・職員証の提示により団体料金でご鑑賞いただけます。本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)、コレクションによる小企画「幻視するレンズ 」(2F ギャラリー4)もご覧いただけます。 東京国立近代美術館、毎日新聞社、日本経済新聞社 損害保険ジャパン、DNP大日本印刷 大阪歴史博物館 2021年7月3日(土)~8月15日(日)
高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの
初の長編演出(監督)となった「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1968年)で、悪魔と闘う人々の団結という困難な主題に挑戦した高畑は、その後つぎつぎにアニメーションにおける新しい表現を開拓していきました。70年代には、「アルプスの少女ハイジ」(1974年)、「赤毛のアン」(1979年)などのTV名作シリーズで、日常生活を丹念に描き出す手法を通して、冒険ファンタジーとは異なる豊かな人間ドラマの形を完成させます。80年代に入ると舞台を日本に移して、「じゃりン子チエ」(1981年)、「セロ弾きのゴーシュ」(1982年)、「火垂るの墓」(1988年)など、日本の風土や庶民生活のリアリティーを表現するとともに、日本人の戦中・戦後の歴史を再考するようなスケールの大きな作品を制作。遺作となった「かぐや姫の物語」(2013年)ではデジタル技術を駆使して手描きの線を活かした水彩画風の描法に挑み、従来のセル様式とは一線を画した表現上の革新を達成しました。 このように常に今日的なテーマを模索し、それにふさわしい新しい表現方法を徹底して追求した革新者・高畑の創造の軌跡は、戦後の日本のアニメーションの礎を築くとともに、他の制作者にも大きな影響を与えました。本展覧会では、絵を描かない高畑の「演出」というポイントに注目し、多数の未公開資料も紹介しながら、その多面的な作品世界の秘密に迫ります。 カタログ 開催概要 東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー 2019年7月2日(火)~10月6日(日) 10:00-17:00 ( 金曜・土曜は10:00-21:00 )*入館は閉館30分前まで 月曜(7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)、7月16日(火)、 8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火) 【当日券】一般 1,500(1,300)円大学生 1,100(900)円高校生 600(400)円 【前売券】一般 1,300円大学生 900円高校生 400円 いずれも消費税込。( )内は20名以上の団体料金。前売り券は2019年4月23日(火)~7月1日(月)販売。中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」もご覧いただけます。主なチケット販売場所:東京国立近代美術館・工芸館(*開館日のみ、工芸館は当日券のみ)、本展特設サイト(オンラインチケット)、イープラス、チケットぴあ、ローソンチケット、セブンチケットほかチケット購入時に手数料がかかる場合があります。 東京国立近代美術館NHKNHKプロモーション スタジオジブリ (公財)徳間記念アニメーション文化財団 凸版印刷、西武造園 岡山県立美術館 2020年4月10日(金)~5月24日(日)
北脇昇 一粒の種に宇宙を視る
展覧会について 北脇昇《周易解理図(乾坤)》1941年 北脇昇(1901–1951)は1930年代から40年代にかけて京都で活躍した前衛画家です。これまで彼の作品は、シュルレアリスム(超現実主義)の影響の側面から語られることがほとんどでした。例えば《空港》(1937年)において、カエデの種子が同時に飛行機にも見えるような、形の連想によって幻想的なイメージを生み出そうとする手法がそれにあたります。けれども本展では、北脇がそうしたシュルレアリスムの思想や技法を借りながら、本当にやりたかったことは何だったのか、ということに目を向けたいと思います。それは、私たちをとりまくこの世界の背後にある見えない法則を解き明かし、世界観のモデルを示すことでした。 北脇はそうした信念のもと、シュルレアリスムだけでなく、数学をはじめ、ゲーテの自然科学や古代中国の易などを駆使して、独自の図式的な絵画を生み出しました。 一粒の種子が発芽し、成長をとげ、開花し実を結び、そして新たな種子を生み出すことに、天地の法則すべてが凝縮されていることを見出そうとした彼の、他に類をみない制作の歩みを紹介します。 「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」パンフレット 北脇昇 一粒の種に宇宙を視る展パンフレット 「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」展では、会場でパンフレットを配布しております。この度、遠方で来館が難しい方のために、PDF版を配布することにしました。(※会期の表記が変更前のものとなっております。ご了承下さい。) PDF版(A3サイズ)はこちらよりダウンロードして下さい。 イベント 5月16日(土)15:00-16:30 臨時休館につき中止講師 大谷省吾(美術課長・本展企画者)場所 地下1階講堂入場無料・申込不要(先着140名) キュレータートーク 5月8日(金)18:00-19:00 臨時休館につき中止担当研究員 大谷省吾(美術課長・本展企画者)場所 ギャラリー4申込不要・参加無料(要観覧料) 開催概要 東京国立近代美術館2階 ギャラリー4 2020年2月11日(火・祝)~6月14日(日)10月25日(日) 10:00-17:00 ※入館は閉館30分前まで※8月1日(土)以降、金曜・土曜10:00-20:00 月曜日[ただし2月24日、8月10日、9月21日は開館]、2月25日(火)、8月11日(火)、9月23日(水)※臨時休館期間:2月29日~6月3日 会場では当日券を販売しています。会場の混雑状況によって、当日券ご購入の列にお並びいただいたり、入場をお待ちいただく場合がありますので、オンラインでの事前のご予約・ご購入をお薦めいたします。 新型コロナウイルス感染症予防対策のため、 ご来館日時を予約する日時指定制を導入いたしました。⇒こちらから来館日時をご予約いただけます。(「MOMATコレクション」のご予約で「北脇昇」がご覧いただけます)※上記よりチケットも同時にご購入いただけます。※観覧無料対象の方(65歳以上、高校生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名、招待券をお持ちの方等)についても、上記より日時のご予約をお願いいたします。※お電話でのご予約はお受けしておりません。 一般 500円 (400円)大学生 250円 (200円) ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名は無料。 それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。 お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。 キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。 「友の会MOMATサポーターズ」、「賛助会MOMATメンバーズ」会員の方は、会員証のご提示でご観覧いただけます。「MOMAT支援サークル」のパートナー企業の皆様は、社員証のご提示でご観覧いただけます。(同伴者1名迄。シルバー会員は本人のみ) 【大学生・高校生無料期間】 8⽉1⽇(土)〜8⽉30⽇(⽇)は、⼤学⽣・高校生の本展覧会観覧料が無料となります。 *⼊場時に、学⽣証の提⽰が必要となります。 東京国立近代美術館
没後40年 熊谷守一 生きるよろこび
熊谷守一(くまがい・もりかず 1880‐1977)は、明るい色彩とはっきりしたかたちを特徴とする作風で広く知られます。特に、花や虫、鳥など身近な生きものを描く晩年の作品は、世代を超えて多くの人に愛されています。 その作品は一見ユーモラスで、何の苦もなく描かれたように思えます。しかし、70年以上に及ぶ制作活動をたどると、暗闇でのものの見え方を探ったり、同じ図柄を何度も使うための手順を編み出したりと、実にさまざまな探究を行っていたことがわかります。描かれた花や鳥が生き生きと見えるのも、色やかたちの高度な工夫があってのことです。穏やかな作品の背後には、科学者にも似た観察眼と、考え抜かれた制作手法とが隠されているのです。 東京で久々となるこの回顧展では、200点以上の作品に加え、スケッチや日記などもご紹介し、画家の創造の秘密に迫ります。 明治から昭和におよぶ97年の長い人生には、貧困や家族の死などさまざまなことがありました。しかし熊谷はひたすらに描き、95歳にしてなお「いつまでも生きていたい」と語りました。その驚くべき作品世界に、この冬、どうぞ触れてみて下さい。 クマガイ モリカズってどんな人? 1880(明治13)年 ~ 1977(昭和52)年 岐阜県恵那(えな)郡付知(つけち)村に生まれる。1897(明治30)年上京。1900(明治33)年、東京美術学校西洋画科撰科に入学し、黒田清輝、藤島武二らの指導を受ける。同期に青木繁、和田三造らがいる。1904(明治37)年に同校を卒業。1909(明治42)年には《蝋燭(ローソク)》により第3回文展で褒状を受ける。翌年一時帰郷、1915(大正4)年に再上京するまで、材木運搬などの仕事につく。 上京後は二科会で発表を続け、二科技塾の講師も務める。1922(大正11)年、大江秀子と結婚。1928(昭和3)年に次男・陽を、32(昭和7)年に三女・茜を、47(昭和22)年に長女・萬(まん)を失くすなど、戦争をはさんで次々と家族の死に見舞われる。戦後は明るい色彩と単純化されたかたちを特徴とする画風を確立。97歳で没するまで制作を行った。 住まいの跡地は現在二女、熊谷榧(かや)氏を館長とする「豊島区立熊谷守一美術館」となっている。 講演会 ■藏屋美香(当館企画課長、本展企画者)2017年12月16日(土)14:00‐15:30聴講無料(先着150名)、申込不要 ■岡﨑乾二郎(造形作家、批評家)「モリカズについて、いま語れることの全て」2018年1月13日(土)14:00‐15:30聴講無料(先着150名)、申込不要 ■高畑勲(アニメーション映画監督)聞き手:藏屋美香(当館企画課長、本展企画者)2018年2月24日(土)14:00‐15:30当日10:00より1F受付にて整理券を配布(先着150名)、聴講無料、要観覧券 場所:講堂(地下1階)*開場は開演30分前 カタログ 開催概要 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー 2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝) 10:00-17:00 (金曜・土曜は10:00-20:00)*入館は閉館30分前まで 月曜(1/8、2/12は開館)、年末年始(12/28-1/1)、1/9(火)、2/13(火) 【当日券】一般 1,400(1,000)円大学生・専門学校生 900(600)円高校生 400(200)円 【前売券】一般 1,200円ペアチケット 2枚で2,000円大学生・専門学校生 800円高校生 300円 いずれも消費税込。( )内は20名以上の団体料金。前売券・ペアチケットは2017年10月2日(月)~2017年11月30日(木)販売。ペアチケットはオンラインのみ。中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。 本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」もご覧いただけます。 主なチケット販売場所:東京国立近代美術館・工芸館(*開館日のみ、工芸館は当日券のみ)、本展特設サイト(オンラインチケット)、イープラス、チケットぴあ、ローソンチケット、セブンチケットほかチケット購入時に手数料がかかる場合があります。 東京国立近代美術館日本経済新聞社テレビ東京 愛媛県美術館 2018年4月14日(土)〜6月17日(日)
トーマス・ルフ展
見どころ 本展はその世界が注目する写真家の,初期から初公開の最新作までを紹介する展覧会です。ルフは初期に発表した高さ約2メートルにもなる巨大なポートレート作品で注目されました。それ以降,建築,都市風景,ヌード,天体などさまざまなテーマの作品を展開,それらを通じ,現代人をとりまく世界のあり方についてのユニークなヴィジョンを提示してきました。 私たちの視覚や認識に深く組みこまれた写真というメディアそれ自体も,ルフ作品の重要なテーマのひとつです。ルフは自ら撮影したイメージだけでなく,インターネット上を流通するデジタル画像からコレクションしている古写真まで,あらゆる写真イメージを素材に用い,新たな写真表現の可能性を探究しています。作品選択や展示構成にルフ自身が参加するなど,作家の全面的な協力を得て実現する今回の展覧会では,未発表の新作を含む作品世界の全貌を紹介します。 トーマス・ルフ展のみどころ ■日本では初めての本格的回顧展ルフ作品は1990年代から日本の美術館やギャラリーで紹介されてきましたが,美術館で開催される本格的な回顧展は今回が初となります。待望されていた日本国内での個展が,ついに実現します。 ■初期から最新作まで,主要シリーズで作品世界を紹介本展は初期作品である「Interieurs」や評価を高めた「Porträts」,少年時代からの宇宙への関心を背景とする「cassini」や「ma.r.s.」,インターネット時代の視覚・情報空間を問う「nudes」や「jpeg」など,全18シリーズ,東京会場は約125点の作品で構成されます。 ■最新作「press++」シリーズでは,本展が世界初公開となる作品もある新聞社のプレス写真アーカイヴを入手したことから着想された「press++」。かつてのメディア空間で使用されていた紙焼写真とそれにともなう文字情報を素材に生まれた最新作です。本展では読売新聞社から提供されたプレス写真を素材とした世界初公開となる作品も発表されます。 ■会場はすべて撮影可能ですアーティストの許可により、会場はすべて撮影可能です。 出品される主なシリーズの紹介 Porträts一 見ありふれた証明写真のようにも見えるポートレート。しかし巨大なサイズ(210×165cm)に引伸ばされた作品の前に立つと,そうした印象は一変しま す。ありふれた人物写真が,どこか不可解で不可思議な存在にすら見えてくるとすれば,そこには写真というメディア独自のメカニズムが働いているのではない でしょうか。ルフの評価を高めた初期作品は,シンプルな手法でさまざまな問題を提起します。巨大なカラープリントという現代写真のフォーマットの先駆と なったシリーズでもあります。 l.m.v.d.r.「l.m.v.d.r.」 とは,モダニズム建築を代表するドイツ出身の建築家ルードヴィッヒ・ミース・ファン・デル・ローエの頭文字。ルフはある美術館からミースの建築の撮影を依 頼され,さらにミースのある時期の全建築作品を撮影するプロジェクトをてがけます。その過程で,ルフはすでに撮影されたミース建築の写真を徹底的に研究 し,そのうえで自ら撮影し,あるいは既存の写真を収集し,さらにはそれらのイメージをデジタル処理することで,この近代建築の巨匠についての視覚的な探求 を試みました。 cassiniル フは少年時代から一貫して宇宙への関心を抱き続けています。2008年に発表された「cassini」はNASA(アメリカ航空宇宙局)などが1997年 に打ち上げた宇宙探査船cassiniが撮影した土星とその衛星の画像を素材にした作品。ときに抽象的,幾何学的なデザインのようにも見える天体のイメー ジは,インターネット上で公開されている画像の色彩やトーンを操作することで生み出されたものです。 ma.r.s.「ma.r.s.」 もまたNASAの探査船が撮影した画像を素材とする作品です。2006年以来火星を周回する探査船のカメラは,火星の表面のさまざまな情報を地球に送り続 けています。ルフはその画像情報の角度や色彩をデジタル処理で加工することで,このはるか彼方で火星を見つづけるレンズを通じた「風景写真」の可能性を探 ります。 photogramこのシリーズのタイトルとなっている「フォトグラム」とは,1920年代後半にモホイ=ナジ・ラースローらによって開発された写真技法のひとつで,カメラを用いず感光紙上に物体を置いて直接露光し,その影や透過する光をかたちとして定着させる技法です。ルフは2012年よりこの技法を用いた作品制作に取り組みはじめました。従来のフォトグラムではやり直しがきかず,モノクロームの表現に限定されるのに対して,かねてより作品制作にデジタル技術によるマニピュレーションを導入していたルフは,コンピューター上のヴァーチャルな「暗室」で物体の配置と彩色を自在に操作し像をつくりあげています。 Substrateインターネット上に溢れる,もはや計測することすら不可能な量の画像は,何らかの現実を表象しうるのでしょうか。それとも単にRGB3色の画素の組み合わせがつくる視覚的な刺激にすぎないと言えるのでしょうか。ルフはネット上に氾濫する匿名のポルノグラフィに着目し,「nudes」シリーズの制作をはじめましたが,このシリーズではさらに「イメージ」の解体へと踏み込んでいます。日本の漫画やアニメから取り込んだ画像に原形がわからなくなるまでデジタル加工を繰り返し,画像から意味や情報を剥ぎとっています。 jpeg「nudes」 や「Substrate」シリーズと並んで,デジタル画像の解体が主題となっていますが,このシリーズではそうしたデジタル画像がもっている「構造」への 関心が加わっています。シリーズ名のjpegとはデジタル画像の圧縮方式のひとつで,現在,全世界で使用されもっとも標準的なフォーマットの名称です。圧縮率を高めすぎるとブロックノイズが発生し,画面がモザイク状になってしまうという,この画像フォーマットの特性を用いて,画像の構造そのものを視覚化しています。 zycles2008 年より制作がはじめられたこのシリーズでは,ルフの関心は数学や物理学へと拡がっています。イギリスの物理学者ジェームズ・クラーク・マクスウェル (1831-1879)の著した電磁気学の研究書の中に収められていた銅版画による電磁場の図版に触発されたルフは,さまざま数式がつくる線形を3Dプロ グラムによって再現し,コンピューター上の3次元空間で再構成しました。ルフによって平面作品へと変換された,こうした曲線の複雑な組み合わせは,惑星の軌道のようにも,あるいは抽象的なドローイングのようにも見えます。 イベント 講演会 ■塚本由晴(建築家、アトリエ・ワン代表)2016年10月2日(日)14:00-15:30 ■ホンマタカシ(写真家)2016年10月8日(土)14:00-15:30 場所:講堂(地下1階)*開場は開演30分前、聴講無料(先着140名)、申込不要 ギャラリートーク ■増田玲(東京国立近代美術館主任研究員・本展企画者)2016年9月9日(金)18:00-19:002016年10月22日(土)14:00-15:00 場所:1階企画展ギャラリー*参加無料(要観覧券)、申込不要 Music Dialogue ■Music Dialogue「主題と変奏─トーマス・ルフ展によせて」2016年9月11日(日)13:00-15:15 世界的ヴィオラ奏者で指揮者の大山平一郎さんらによる室内楽の演奏と解説、客席との「対話」で構成する音楽&トークイベントです。 場所:講堂(地下1階)*開場は開演30分前、有料(一般4,000円、学生2,000円)、要事前申込(webのみ)*主催:一般社団法人Music Dialogue *外部ページ*お申込み、お問い合わせはMusic Dialogueまでお願いします。 トーマス・ルフ展スペシャルディナー ■レストラン ラー・エ・ミクニが「トーマス・ルフ展」スペシャルディナーをご用意2016年8月30日(火)~11月13日(日) 美術館に併設するレストラン ラー・エ・ミクニは、三國清三シェフがプロデュースするフレンチとイタリアンの融合をアートする本格レストランです。トーマス・ルフ展にあわせて、展覧会特別企画のスペシャルディナーをご用意します。 *価格:おひとり様5,000円(税・サ別) 特別価格のため、現金でのお支払いをお願いします。*コース内容:アミューズ、前菜、パスタ、魚料理、肉料理、季節のデザート、小菓子、カフェ、乾杯のシャンパン付(注:画像は一例です)*時間:17:30~21:00 のうち、お席のご利用が2時間制*1日限定10組様のスペシャルプラン!前日11:00までに直接お電話にてご予約下さい。(ホームページからはご予約いただけません)火曜日のご予約は前々日まで。 TEL:03-3213-0392 *展覧会特典:展覧会の観覧券を持参いただいた方には、来年春の桜の季節のお席を誰よりも早くご予約いただける優先権を差し上げます。皇居をバックにした窓一面の桜は格別なことから、例年予約で満席になるため、予めご連絡先を頂戴し、一般の予約開始前にレストランからご案内をお送りします。 カタログ 開催概要 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー 2016年8月30日(火)~2016年11月13日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)*入館は閉館30分前まで 月曜日(9月19日、10月10日は開館)、9月20日(火)、10月11日(火) 当日(前売/団体)一般 1,600(1,400/1,300)円大学生 1,200(1,000/900)円高校生 800(600/500)円 ( )内は、前売/20名以上の団体料金。いずれも消費税込。前売券は2016年6月4日(土)~2016年8月29日(月)販売。中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。キャンパスメンバーズ加入校の学生は、学生証の提示で割引料金900円でご鑑賞いただけます。本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の「MOMATコレクション」(4F-2F)、「奈良美智がえらぶ MOMAT コレクション:近代風景 ~人と景色、そのまにまに~」(2Fギャラリー4)もご覧いただけます。 *この展覧会は下記の条件で写真撮影ができます。・フラッシュ、三脚、自撮棒は使用できません。・他の来館者の鑑賞を妨げないようご注意ください。・作品の接写はできません。・動画の撮影はできません。 撮影された写真の利用に関して・私的な利用に限ります。営利目的ではご利用になれません。・画像に変更を加えることはできません。・ブログやSNS、写真共有サービス等で使用する場合は、下記の情報をあわせて掲出してください。 作家名、作品名、「トーマス・ルフ展」、東京国立近代美術館 ・ブログやSNS、写真共有サービス等で他の来館者が写った写真を公表する場合、写っている方の肖像権に触れる場合があります。ご注意ください。・ブログやSNS、写真共有サービス等での利用は、利用者の責任においてお願いします。美術館は一切の責任を負いません。 *主なチケット販売場所:東京国立近代美術館(*開館日のみ)、チケットぴあ(Pコード:767-685)、ローソンチケット、イープラス、セブンチケット、JTB店舗ほか*手数料がかかる場合があります。 ■ルフ展 × ダリ展 セット券前売り券:2,600円販売期間:2016年8月29日(月)まで*ダリ展(9月14日~12月12日、国立新美術館)の前売券がセットになって、ルフ展とダリ展の2つの展覧会を特別価格でご鑑賞いただける前売券です。消費税込。*販売場所:チケットぴあのみで販売(Pコード:767-689)*手数料がかかる場合があります。 ■特大PRポスター付きチケット料金:3,000円販売期間:売り切れ次第終了(限定1,000枚)*特大PRポスターが付いた前売券を、1000枚限定で販売します。展覧会に出品されるポートレート作品をデザインした特大の縦長ポスター(縦177cm×横125cm)です。ポスターはチケット発券後、16分の1サイズに折った状態で特製封筒にお入れして別途お送りいたします。消費税・ポスター配送料込*販売場所:チケットぴあのみで販売(Pコード:767-700)*手数料がかかる場合があります。 ■Tシャツ付きチケット料金:4,800円販売期間:売り切れ次第終了(S・M・Lサイズ 各100枚限定)*展覧会に出品される作品をプリントしたTシャツ付き前売券です。消費税込*販売場所:チケットぴあのみで販売(Pコード:767-801)*手数料がかかる場合があります。*Tシャツは、会期中トーマス・ルフ展特設ショップにてチケットと一緒に発券される引換券とのお引き換えとなります。 東京国立近代美術館、読売新聞社、ぴあ、WOWOW J-WAVE Lufthansa Cargo AG、全日本空輸(株) 金沢21世紀美術館2016年12月10日(土)~2017年3月12日(日)
瑛九1935-1937 闇の中で「レアル」をさがす
見どころ 瑛九(えいきゅう) とは何者か? 瑛九(えいきゅう、本名:杉田秀夫、1911-1960)は1936年にフォト・デッサン集『眠りの理由』で鮮烈なデビューを飾り、その後さまざまな技法を駆使しながら独自のイメージを探求した芸術家です。 当館は近年、彼の評伝を著した友人の画家、山田光春の旧蔵していた作品と資料を収蔵しました。本展は、その中から約50点の初公開作品、書簡などの関連資料に加え、以前から所蔵している作品もまじえて、「レアル(リアル)」を求めて苦闘するデビュー前後の瑛九の実像を紹介します。 《作品》1937年頃 コラージュ デビュー前後の3年間に焦点 25歳でフォト・デッサン集『眠りの理由』で鮮烈なデビューを飾り、その後もさまざまな技法を駆使しながら独自のイメージを探求した瑛九。 本展は20代半ばの3年間に焦点をあて、「レアル」を求めて苦闘する若き瑛九の実像に迫ります。 若き芸術家の苦悩を、作品と手紙でたどる タイトルの「1935-1937」は瑛九が24~26歳だった、デビュー前後の3年間をさします。 近年新たに収蔵したフォト・デッサンやコラージュ など当時の作品約50点と、友人への手紙を中心とした多様な資料を初公開し、若き芸術家の苦悩と葛藤を、作品とたたきつけるような言葉の両面から追体験いただきます。 また、日本の前衛美術が活況を呈した時代に書かれた瑛九の手紙は、戦前の前衛アートシーンを語るドキュメント資料としても貴重なものです。今回その約60通をカタログに翻刻掲載という形で一挙公開します。 ミニ回顧展としての魅力も さらにエッチングやリトグラフなど戦後の版画作品、油彩による晩年の点描作品など10点も展示。計60数点のミニ回顧展として、知る人ぞ知る瑛九の全体像に触れる絶好の機会です。 戦前、戦後の日本の前衛美術のなかで、岡本太郎などとともに重要なアーティストのひとりである瑛九。その真摯な制作姿勢が、当時まだ若かった細江英公(写真家)、池田満寿夫(版画家)、河原温(現代美術家)などに多大な影響を与えた功績も見逃せません。 瑛九は、理性の光がとどかない心の闇の中で手探りするかのように、彼にとってのほんとうの「レアル」を追い求めました。ヴァーチャルなものや、わかりやすい言葉などがあふれるいま、瑛九をとおして「レアル」なものに対する感覚を研ぎ澄ませてみませんか。 左・右 : 『眠りの理由』より 1936年 ゼラチン・シルバー・プリント 会場構成 本展は4部構成で年代順に展示し、特定のスタイルに収まろうとしない瑛九のあくなき表現への探究と変化を追います。 《二人》1935年 油彩・厚紙 『眠りの理由』より 1936年 ゼラチン・シルバー・プリント 《作品》1937年頃 コラージュ 第1章 1935年(24歳)…「瑛九」以前の杉田秀夫 瑛九が本名の「杉田秀夫」で活動していた最後の年が、1935年です。そのちょうど10年前の1925年、瑛九は14歳で生まれ故郷の宮崎から上京します。以来、東京と宮崎を行き来しながら、美術批評、写真、油絵と模索を続けました。 1935年は美術展に初入選し、前年宮崎で出会った山田光春と仲間を集って、作品発表などの活動を行っていた時期にあたります。ここでは油彩による作品とともに、自らの表現を模索する苦悩を伝える手紙を紹介します。 第 2 章 1936年(25歳)… 杉田秀夫が「瑛九」となるとき―『眠りの理由』前後 1936年は転機の年です。切り抜いたデッサンや、さまざまなものを印画紙の上にのせて感光させた作品が評論家などに認められ、その独自の技法を「フォト・デッサン」と名づけ、「瑛九」という新しい名で鮮烈なデビューをはたしました。 第2章ではデビュー作にして代表作のひとつ、フォト・デッサン10枚入り、限定40部で刊行された『眠りの理由』を中心に紹介します。今回展示するのは、限定40部の番外として山田光春が大切に保管していた、表紙つきの貴重な完全揃いです。 第 3 章 1937年(26歳)… ほんとうの「レアル」をもとめて― 第 1 回自由美術家協会展への出品前後 瑛九がフォト・デッサンで表したかったのは、機械文明の発達につれて変容しつつある人々の現実の捉え方、つまり新しいリアリティの探求でした。しかし、技法の珍しさやヨーロッパの前衛美術との影響関係ばかりを指摘され、瑛九は批評家への不信をつのらせていきます。そして翌1937年の第1 回自由美術家協会展に彼が出品したのは、フォト・デッサンではなく「レアル」と題したコラージュの作品でした。 第3章ではこの出品作に加えて、関連作品10 点を初公開し、闇の中にうかぶ奇妙な物体のイメージにあえて「レアル」と名づけた瑛九の真意を探ります。 エピローグ … その後の瑛九と山田光春 その後の瑛九の歩みも、紆余曲折に満ちています。戦時中は東洋文化へ関心を示し、戦後は活動の拠点を移して、埼玉県浦和へ。エッチングやリトグラフなどの版画作品に取り組みます。そして晩年には、油彩による点描で画面全体に光があふれるかのような作品へと至りました。 ここでは当館が以前より所蔵している作品から、こうした瑛九の全体像をダイジェストで紹介します。また、瑛九没後に丹念な調査をもとに詳細な評伝を書きあげた友人、山田光春との関係にも光をあて、瑛九の作品と人生の双方に迫ります。 瑛九から山田光春への手紙 1935年 略年譜 1911(明治44)年 0歳 4月28日、宮崎県の生まれ。本名、杉田秀夫 1925(大正14)年 14歳 上京し日本美術学校で学ぶ(1927年退学)1927(昭和2) 年 16歳 美術雑誌に評論を発表し始める1930(昭和5) 年 19歳 オリエンタル写真学校で写真を学ぶ。以後、東京と宮崎を往復しながら制作1934(昭和9) 年 23歳 山田光春と出会う。この頃からエスペラント語を学ぶ1935(昭和10)年 24歳 中央美術展に初入選。山田光春らと「ふるさと社」結成1936(昭和11)年 25歳 瑛九の名でフォト・デッサン集『眠りの理由』刊行1937(昭和12)年 26歳 自由美術家協会の結成に参加。第 1回展に《レアル》出品1948(昭和23)年 37歳 谷口ミヤ子と結婚1951(昭和26)年 40歳 デモクラート美術家協会を結成する(1957年解散)。また、銅版画(エッチング)の制作を始める1952(昭和27)年 41歳 埼玉県浦和市(現さいたま市)に移転1956(昭和31)年 45歳 石版画(リトグラフ)の制作を始める1957(昭和32)年 46歳 第 1回東京国際版画ビエンナーレ出品1960(昭和35)年 48歳 3月10日、慢性腎炎の闘病中のところ急性心不全で没 没後 1960(昭和35)年 4月28日~6月5日「四人の作家 菱田春草・瑛九・上阪雅人・高村光太郎」(国立近代美術館)が開催される1965(昭和40)年 友人たちにより「瑛九の会」が発足し、機関誌『眠りの理由』が刊行される。同誌に山田光春は瑛九の評伝を連載する1976(昭和51)年 山田光春『瑛九 評伝と作品』(青龍洞)刊行 2012(平成24)年 山田光春旧蔵の瑛九作品、資料が東京国立近代美術館に収蔵される 瑛九ポートレート 1936年 はちきれるゼツボウ感でキャンバスをたたこうゼツボウが出発だ。1935 年 5 月 29 日、瑛九の手紙より カタログ 大谷省吾(当館美術課長・本展企画者)による解説を収録。また、日本の前衛美術が活況を呈した時代に書かれ、戦前の前衛アートシーンを語るドキュメント資料としても貴重な瑛九の手紙、約60通を翻刻掲載しています。 デザイン:三木俊一(文京図案室)定価:1,300円(税込) 目次より 闇の中で「レアル」をさがす― 山田光春旧蔵資料から読み解く1935-1937年の瑛九:大谷省吾 ⅰ 1935「瑛九」以前の杉田秀夫 ⅱ 1936杉田秀夫が「瑛九」となるとき―『眠りの理由』前後 ⅲ 1937ほんとうの「レアル」をもとめて― 第 1 回自由美術家協会展への出品前後 エピローグ その後の瑛九と山田光春 瑛九から山田光春への書簡 1935-1937年 他 イベント 講演会 大谷省吾(当館美術課長・本展企画者)「書簡から読み解く 1935 -1937年の瑛九」 2016 年 12 月17 日(土)14:00-15:302017 年 1 月 7 日(土)14:00-15:30 場所:講堂(地下1階)*開場は開演30分前、申込不要、聴講無料、先着140名 開催概要 東京国立近代美術館 2F ギャラリー4 2016年11月22日(火)~ 2017年2月12日(日) 10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00) 入館は閉館30分前まで 月曜(1/2、1/9は開館)、年末年始(12 /28 - 2017 年1/1)、1/10(火) 一般430(220)円大学生130(70)円 ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。高校生以下および18歳未満、65歳以上、キャンパスメンバーズ、「MOMATパスポート」をお持ちの方、友の会・賛助会会員、MOMAT支援サークルパートナー企業(同伴者1名迄。シルバー会員は本人のみ)、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、会員証、障害者手帳等をご提示ください。本展の観覧料で、入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)もご観覧いただけます。 12 月4日(日)、1月2日(月)、2月5日(日)*本展および所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)のみ 東京国立近代美術館
No image
近代風景~人と景色、そのまにまに~奈良美智がえらぶMOMATコレクション
古賀春江《月花》1926年 見どころ 奈良美智とMOMATの意外なコラボ。 奈良の感性を育んだ作品の数々が一堂に 麻生先生にお願いして松本竣介など、すでに他界した仲間たちの人となりを語ってもらう時、僕は子犬のような眼をして真剣に先生の話を聞いていた奈良美智 アーティスト、奈良美智がMOMATのコレクションから作品をセレクトします。 大学時代の恩師、麻生三郎や、麻生とともに戦争の時代を生きた松本竣介。村山槐多のたくましい少女像や、奈良が「手袋とスカーフの色が大事」と語る榎本千花俊の女性像。美術史にとらわれることなく好きな作品を選んだら、自然と1910-50年代の人と景色を描く作品にしぼられたといいます。 おもに「人」を描くアーティストと思われがちな奈良ですが、実は街や野原といった「景色」も「人」と同じぐらい重要なものと考えています。「人」と人の外にある「景色」、ふたつが合わさって「風景」になる、と奈良は語ります。 おなじみの名作からふだんあまり展示されない作品まで、約60点がずらりと並びます。奈良が作家、作品に寄せたコメントもご紹介します。奈良美智の目を通して、作品の新しい魅力に出会いましょう。 奈良美智のドローイングも展示されています 《Harmless Kitty》は4F「ハイライト」コーナーに! 所蔵品ギャラリー4F1室「ハイライト」コーナーには、奈良の人気作品《Harmless Kitty》を展示します! 奈良美智のことばを収めた小冊子を無料でさしあげます 会場内にある奈良美智のことばを収めた小冊子を無料でさしあげています。デザインは青森県立美術館のVIも手がけた菊地敦己さん。会場のみの限定配布です。数に限りがあるのでお早めにどうぞ。 奈良美智(なら・よしとも)とは? 1959年青森県弘前市生まれ。武蔵野美術大学で麻生三郎に学ぶ。愛知県立芸術大学大学院修了後ドイツに渡る。1993年、ドイツ国立デュッセルドルフ芸術アカデミーでマイスター・シューラー取得。近年の展覧会に「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」(横浜美術館、2012年)、「Life is Only One/ 無常人生」(アジアソサエティ香港、2015年)など。2016年、アジア・アーツ・アワーズ受賞。 奈良美智のことばより 奈良美智のことばを会場パネルより抜粋してご紹介します。 《銀嶺》は戦時中の作品であり、派手さを抑えたモノトーンの画面なのだが、編み込みの手袋とスカーフに置いた色が画面に生命感を与えている。僕はそのようなセンスが好きだ。軍国主義の暗い時代にあって、ひょいと宙返りして見せるような軽やかさと軟らかさが好きだ 彼の絵にある文学の匂いは、10代の前半に病気で聴力を失い、その2年後あたりから絵を描くようになったという彼の心象風景に重なっていて、音も無く静かに澄んだ形で絵画上に充満している 松本竣介《Y市の橋》1943年 裸婦と題しながら胸から上だけを描く、そのこそばゆいような表現も好きなのだが、実は流れるような髪の毛の描写がとても魅力的で、自分の眼には眩しく映る カタログ情報 イベント キュレーター・トーク 奈良さんの企画をサポートしたMOMATのキュレーターが、展示の見どころについてお話します。奈良さんはどうやって作品を選んだのか、展示作業はどんな風に進んだのか、など、裏話もたくさん。 日時: 2016年9月16日(金) 18:30-19:15 担当: 蔵屋美香(企画課長) テーマ:「奈良美智がえらぶMOMATコレクション」について、あれこれ 場 所: 2階ギャラリー4 「奈良美智がえらぶMOMATコレクション 近代風景~人と景色、そのまにまに~」展会場 ※いずれも参加無料(要観覧券)/申込不要 奈良美智 講演会「彼らの何が自分を惹きつけるのか」 今回の企画について、また自らの作品を育んださまざまなものについて、奈良美智がお話します。 7月18日の「そのⅠ」に続き、10月10日の「そのⅡ」はそれをさらに掘り下げる内容となる予定。 もちろんどちらか一方だけの聴講でもOKです。 【講演内容変更のお知らせ】 7月18日の「そのⅠ」を聞けなかった方がたくさんいらっしゃったこと、当初「そのⅡ」に予定していた話題もこの日出たことなどを踏まえ、講演者の奈良さんとも相談の上、7月18日、10月10日の2回とも基本的に同じ内容でお話することとしました。どうぞご理解、ご了承の上ご参加ください。 日時: ① 2016年7月18日(月・祝) 14:00-15:30 【終了】 「彼らの何が自分を惹きつけるのか そのⅠ」 ② 2016年10月10日(月・祝) 14:00-15:30 「彼らの何が自分を惹きつけるのか」(7月18日と同内容) 場所:東京国立近代美術館(本館) 講堂 定員:130名 聴講方法 *各日10:00より1階受付で先着130名様に整理券を配布します。 *開場は開始30分前です。 7月18日「彼らの何が自分を惹きつけるのか そのⅠ」レポート 満員のお客さまを迎えて始まった講演会。 「自分の作品をかたち作ったものは何なのか、それを紹介したい」と述べて、まずは奈良さんのふるさと、子ども時代の青森県弘前のスライドからスタートです。 犬ぞり、馬車、雪解けの泥道、野原、道端で遊ぶ子どもたち…1960年代だけど、都会とは時差があり、まるで戦後すぐみたいな光景を見て育った。昔はこうしたふるさとの「遅れ」が悲しかったけれど、今はこれが自分の感性を育ててくれたと感謝している、と奈良さん。奈良さん自身の子ども時代の貴重な写真も登場。 中盤からは美術のお話に。 武蔵野美術大学から愛知県立芸術大学へ、そしてデュッセルドルフ芸術アカデミーへ。学生時代は、なるべく感情に引きずられず、色やかたちの組立で作品を見ようとしたそうです。 たとえば萬鉄五郎の《裸婦(ほお杖の人)》は、画面四隅の処理がぜんぶ違うことで空間の広がりが生れている。また熊谷守一の《畳の裸婦》は、畳の長辺約180センチに比して女性の身体がとても大きい。でも、畳の四角と人体との画面上の関係を見てこうしたんじゃないかなあ。次々に出る正確な読み解きに感嘆のため息が。でも奈良さんいわく、これは勉強すれば身につくもの。ここから先をどうするかが個々のアーティストに問われます。 武蔵野美術大学時代の恩師、麻生三郎と、麻生さんの仲間で奈良さんが敬愛する画家、松本竣介のお話も。麻生さんの作品《子供》(1945)は、弘前にいたような子どもで肌の感じも匂いもわかる、ウソがない、と感じたそう。松本竣介の《工場付近》(1943)も、街にものが少ないので本質がわかる、たとえば壁など、固いものが固いとちゃんと伝わる、と指摘。両作品はどちらも第二次世界大戦中から終戦直後に描かれたもの。困難な時代の作品に反応するのは、やはり「戦後すぐみたいだった」子ども時代の弘前に通じる要素が多くあるためでしょう。そのへんは、たとえ表面上作風が似ていても、もっと豊かな時代に育った下の世代の人たちとはまったくちがうはずだ、とのことでした。 奈良さんによれば、惰性でやっていると自分を自分でまねした感じになる。だからダメと思ったら作品をつぶし、自分を追いこむ勇気が必要、とのことです。作品の制作過程を記録したスライドでは、ほぼできあがっていた作品を塗りつぶし、まったく違う作品を生み出すようすが紹介されました。最初に丸を描いたり四角を描いたりし、そこから偶然にしたがって描き進めることも多い、出てきて初めてわかることがある、との指摘にも納得です。 また、ある作品を描く際、身の回りに置いていたものを並べて撮影しためずらしい写真も紹介。奈良さんの場合、戦時下の日系人を撮った写真集やボブ・ディランのCDなど、一見画面に直でつながらないようなものがほとんどを占めるとか。こうした例を知ると、せまい領域に閉じこもらず、美術の外に広がる世界からさまざまな刺激を得、それを美術作品に落とし込む、という奈良さんの制作態度がわかってきます。 最後の質問タイムを含め、1時間半の予定を30分延長し、2時間の熱い熱い講演会となりました。奈良美智さん、おつかれさまでした。 会場のようす 撮影:大村昌之 開催概要 ギャラリー4 5月24日(火)-11月13日(日) 8月8日(月)-15日(月)は休館です 10:00-17:00 (金曜日、土曜日は10:00-20:00)※入館は閉館30分前まで 月曜日[ただし7月18日、9月19日、10月10日の祝日は開館]、7月19日(火)、8月8日(月)-15日(月)、9月20日(火)、10月11日(火) 一般 430円 (220円)大学生 130円 (70円) 高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、友の会・賛助会会員、MOMAT支援サークルパートナー企業(同伴者1名迄。シルバー会員は本人のみ)、キャンパスメンバーズ、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。 それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、会員証、職員証、障害者手帳等をご提示ください。( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 お得な観覧券「MOMATパスポート」でご覧いただけます。キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示により無料でご覧いただけます。 本展の観覧料で、入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(所蔵品ギャラリー、4-2F)もご観覧いただけます。 毎月第一日曜日 [ 6月5日(日)、7月3日(日)、8月7日(日)、9月4日(日)、10月2日(日)、11月6日(日)] および11月3日(木、文化の日) 東京国立近代美術館
No image
ようこそ日本へ:1920‐30年代のツーリズムとデザイン
展覧会について 鉄道や航路などの交通網の整備を背景に、第一次世界大戦後には世界的な海外旅行ブームの時代が到来しました。シベリア鉄道との連絡による南満州鉄道の国際線化(1911年頃)やパナマ運河(1914年)の完成によって、日本にも海外から観光客が押し寄せてくるようになります。 日本政府は1930年に国際観光局を発足させ「観光立国」をめざして外客誘致キャンペーンを展開、画家やデザイナーを動員し「美しい日本」を対外的にアピールしました。こうした観光キャンペーンが功を奏し、また円安効果もあって1930年代中頃には外国人観光客は4万人を超え、その消費額は1億円を突破、観光産業は綿織物、生糸、人絹織物に次ぐ第四位の外貨獲得高を占める重要産業として大きく成長を遂げました。 この展覧会ではジャパン・ツーリスト・ビューローや国際観光局などの政府機関、また、日本郵船や大阪商船などの船会社が制作したポスター、グラフ誌、パンフレットなどを通じて、当時の日本の観光資源とそこから浮かび上がってくる日本のイメージを探ります。 カタログ情報 イベント ギャラリートーク 日程:2月13日(土) 木田拓也(東京国立近代美術館工芸館 主任研究員・本展企画者) 2月20日(土) 志澤政勝(横浜みなと博物館館長)時間: いずれも 15:00 ‐ 16:00場所: ギャラリー4 ※申込不要、参加無料(要観覧券) 開催概要 ギャラリー4 2016年1月9日(土) - 2016年2月28日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00) 入館は閉館30分前まで 一般 430円 (220円)大学生 130円 (70円) 高校生以下および18歳未満、65歳以上、キャンパスメンバーズ、「MOMATパスポート」をお持ちの方、友の会「MOMATサポーターズ」、賛助会員「MOMATメンバーズ」会員の方、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。 それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、会員証、障害者手帳等をご提示ください。( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 ※お得な観覧券「MOMATパスポート」でご覧いただけます。キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示により無料でご覧いただけます。 本展の観覧料で、入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(所蔵品ギャラリー、4-2F)をご観覧いただけます。 「恩地孝四郎展」のチケットでも、入館当日に限り本展と所蔵作品展「MOMATコレクション」をご覧いただけます。 2月7日(日) 東京国立近代美術館
「事物」――1970年代の日本の写真と美術を考えるキーワード コレクションを中心とした小企画
展覧会について 1970年代、日本の写真界において「事物」がキーワードとして浮上します。60年代末、既成の写真美学に異議申し立てをした写真家中平卓馬は、70年代に入って「アレ・ブレ・ボケ」と称されたそれまでの方法を自己批判し、写真の記録性に立ち返る「植物図鑑」的な写真へと舵を切ります。その転換の過程で、中平はくりかえし事物と写真の関係に注目しています。 ここでいう「事物」とは、レンズの向こうに現れる世界の具体的なあり方のことです。そして事物について考えることは、世界に向かい合う写真家の立ち位置への問い、言いかえれば、主体としての「人間」と、客体としての「世界」という関係の構図を、根本的に考え直すことへとつながっていきます。実はこうした思考の展開は、「もの派」など同時代の美術家たちが向かい合っていた課題とも、文脈を共有していたようです。 この展覧会では、中平に加え、当時、同じく事物と写真をめぐるユニークな思考を重ねていた大辻清司の仕事を軸に、同時代の美術も視野に入れながら、事物と写真をめぐる当時の状況を考えます。 展示構成 1.事物との遭遇 1970年5月、東京都美術館で「第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ) 人間と物質」が開催されます。同展は、のちに「もの派」と呼ばれることになる作家たちの問題意識を、アルテ・ポーヴェラやコンセプチュアリズムなど、海外の同時代美術と同じ文脈に位置づけた先見的な試みでした。「もの派」とその周辺の若い美術家たちは、絵画や彫刻といった表現形式や、絵具など美術のための素材を使うことを前提とせず、むしろ日常における「もの=事物」の存在に注目し、そこから新たな表現のあり方を探ろうとしていました。 この展覧会の会場記録写真の一部を担当したのが大辻清司、またカタログの表紙に写真を提供したのが中平卓馬でした。彼らはそれぞれに、70年代に入って、事物と写真の関係をめぐって思考と実践を重ねていきます。その契機のひとつとして、事物(もの)をめぐる美術家たちのさまざまな試みとの遭遇があったのです。 中平卓馬《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》1971年 2.アジェとエヴァンズ ウジェーヌ・アジェとウォーカー・エヴァンズ、いずれも20世紀前半、近代的な写真表現が成立していく過程で大きな役割を果たした写真家です。 アジェは世紀転換期のパリ市街をくまなく歩き回り、近代化によって失われていく古い街並や建物を、旧式の大型カメラで記録しました。エヴァンズは1930年代、大恐慌時代のアメリカで農村救済のためのドキュメンタリー写真のプロジェクトに起用されたにもかかわらず、一見メッセージの不明瞭な、それでいて画面の中のさまざまな事物が、静かに存在感を示す、多義的な写真を撮影しました。 中平卓馬は、70年代に入って、それまでのスナップショットによる「アレ・ブレ・ボケ」と称されたスタイルを否定し、事物をきちんと捉える「植物図鑑」的な写真を標榜するにあたって、アジェとエヴァンズの写真に大いに触発されました。 ウジェーヌ・アジェ《「20 Photographs by Eugène Atget」より 廃品回収業者たちの小屋》1912年 3.町と村 1970年代半ば、「事物」というキーワードを意識的にとりいれ、新たな方法論を模索したのが高梨豊です。彼は〈東京人〉(1966)や、写真集『都市へ』(1974)などの作品では、35mmカメラによるスナップショットで、急速に変化する高度経済成長期の都市の風景に向かい合ってきました。しかし70年代半ば、時代の速度が変化したことを感じると、高梨は都市に対するアプローチを転換します 〈町〉は、東京の古い街並が残る界隈を訪ね、三脚に据えた大型カメラによる、緻密な事物の記録を試みた作品です。 同じ頃、北井一夫の〈村へ〉や須田一政の〈風姿花伝〉のように、地方の暮らしやそれをとりまく風景に目を向けるいくつかの作品が現れます。しかしそこでは時代、社会、あるいは都市と地方といった枠組みや問題意識は後退し、まずは写真家が、眼の前に存在する事物といかなる関係を結ぶのかという課題が前景化しています。 須田一政《「風姿花伝」より 静岡・天城湯ヶ野》1971年 4.実験と決闘 1975年、『アサヒカメラ』に連載された「大辻清司実験室」。連載冒頭「つねづね頭の中で検討していた写真についての考え方と、実際に私が撮る写真との間に違いがあるのか、ないのか、それを確かめてみたい」と記した大辻は、まず「写真に写るのはモノ自体の姿なのであって、それっ切りなのだ」ということの確認から、実験に着手。しかし一筋縄ではいかない写真の奥深さへと、その思索は展開していきます。 76年、同じく『アサヒカメラ』に、篠山紀信の写真と中平卓馬の文章による「決闘写真論」が連載されます。翌年刊行された同題の単行書には、中平によるアジェ論、エヴァンズ論も収録されました。アジェ、エヴァンズ、そして篠山の写真との対峙を経て、中平は『なぜ、植物図鑑か』での模索をふりかえり、「要するに予断を捨て、判断を停止して、まっすぐに事物をみつめよという簡単なことだった」と、連載の最終回に記します。 大辻清司《まるめて玉になったメモ用紙》1975年 5.もの・単体・予兆 「事物から存在へ」、これは1969年、美術出版社が公募した芸術評論賞において佳作となった李禹煥の論文の表題です。彼は当時、人間の認識の外で、厳然と存在する世界のあり方に関心を向け、それといかに出会うかを問い、「もの派」を理論的に主導していくことになります。同じ頃、世界の認識をめぐる思考実験ともいうべき独自の制作を重ねていた高松次郎や、世界と触れ合う接触面における皮膚感覚のようなものに関心を抱いた榎倉康二といった美術家たちが、それぞれの思索や制作の手がかりとして、さまざまな方法で向かい合ったのが、「事物」でした。 その模索は、人間中心の世界像を疑い、ありのままの世界、ありのままの事物を捉える方法としての写真の使い方を探ろうとした中平卓馬の当時の問題意識と、文脈を共有していたようです。 高松次郎《木の単体》1971年 Ⓒ Estate of Jiro Takamatsu / Courtesy of Yumiko Chiba Associates カタログ情報 イベント キュレータートーク 増田玲(本展企画者・当館主任研究員) 2015 年6 月27 日(土) 11:00-2015 年7 月24 日(金) 18:00- 場所:ギャラリー4*申込不要、要観覧券 開催概要 ギャラリー4 5月26日(火)~9月13日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)※入館は閉館30分前まで 月曜日[ただし、7月20日(月・祝)は開館]、7月21日(火) 一般 430円 (220円)大学生 130円 (70円) 高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、友の会・賛助会会員、キャンパスメンバーズ、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。 それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、会員証、障害者手帳等をご提示ください。( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 ※お得な観覧券「MOMATパスポート」でご覧いただけます。キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示により無料でご覧いただけます。本展の観覧料で、入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(所蔵品ギャラリー、4-2F)と工芸館所蔵作品展もご観覧いただけます。 6月7日(日)、7月5日(日)、8月2日(日)、9月6日(日) 東京国立近代美術館
プレイバック・アーティスト・トーク
概要 当館では2005年以来、コレクション展に展示された作品の前で、活躍中のアーティスト本人に自作について語っていただく「アーティスト・トーク」を開催してきました。この催しはこれまでに30回を数えます。そもそも、現代の作品に接するための親しみやすい導入になることを期待して始められた催しでしたが、事実、それぞれのトークでは、作者のそれまでの歩みや、そのときに考えていたことなどがわかりやすく語られており、理解を深める上で貴重な機会となっています。そしてこれらのトークを収録した映像は、長い目で見れば歴史的証言にもなっていくに違いありません。 このたびの展示では、これまでのさまざまな分野のトークの中から、とくに絵画に焦点をあて、トークのダイジェスト映像と当館コレクションの作品約40点とをあわせてご紹介します。登場する画家たちはいずれも、1970年代末から80年代にかけて発表を始めていますが、それはまさに、ミニマル・アートやコンセプチュアル・アートといった、従来の美術のあり方を厳しく問い直そうとする動向の後を受けた、難しい時期に当たります。表現が極限まで切り詰められ、「見ること」「作ること」を根本から捉え直さなければならなかった状況から、彼らは絵画の豊かな可能性をどのようにして取り戻していったのか。そうした課題の追求の成果が、彼らのトークや作品から感じ取れることでしょう。 ここが見どころ そうか…そんなことを考えながら描いていたのか。 12人の画家が、自身の作品について、あるいは制作しながら考えていたことなどを、わかりやすく語ったトークの様子を、それぞれ15分程度にまとめた映像を展覧会場でご覧いただけます。作品と一緒に映像を見ることで、現代絵画がより身近に見えてくるはず。 トークの一部を書き起こした無料小冊子を配布 12人の画家のトークのハイライトを活字化。作品の図版もあわせて、文庫サイズの小冊子にまとめました。展覧会ご入場時におひとり一冊、無料でさしあげます。 同時代を見つめてきた批評家の言葉は? 展覧会会期中には関連イベントとして、今回取り上げた12人の画家たちの仕事を継続的に見てきた3人の美術批評家(天野一夫、谷新、建畠晢)の講演会を開催します。会場では作家の言葉を、そして講演会では批評家の言葉を聞くことで、現代絵画の課題が立体的に浮かび上がってくるでしょう。 YouTubeでプロモーションビデオ配信 12人の画家のトークから、それぞれ印象的な言葉を集めて、約4分のプロモーションビデオを作成しました。YouTubeでご覧いただけます。気になる言葉に出会ったら、続きはぜひ会場でじっくりと。 作家紹介 秋岡美帆 Akioka Miho 1952年神戸市生まれ。79年大阪教育大学大学院修了。82年に最初の個展(信濃橋画廊、大阪)。88年日本国際美術展で東京国立近代美術館賞受賞。90年「シガアニュアル90 写真による現代版画」(滋賀県立近代美術館)などに出品。94-95年、文化庁派遣芸術家在外研修員としてフランス、アメリカに滞在。2002年三重県立美術館で個展。現在大阪教育大学教授。 https://www.youtube.com/watch?v=f1r1LyEc2P0 岡村桂三郎 Okamura Keizaburo 1958年東京都生まれ。88年東京藝術大学大学院後期博士課程満期退学。84年から93年まで創画展に出品するが、その後は個展、グループ展を発表の場とし、93年「ART IN JAPANESQUE」(O美術館)、93年「現代絵画の一断面 『日本画』を越えて」(東京都美術館)、98年「『日本画』純粋と越境」(練馬区立美術館)などに出品するほか、2008年に神奈川県立近代美術館(鎌倉)で個展を開催。現在多摩美術大学教授。 https://www.youtube.com/watch?v=EOZ4NgyADw4 児玉靖枝 Kodama Yasue 1961年神戸市生まれ。86年京都市立芸術大学大学院修了。同年最初の個展(アートスペース虹、京都)。95年「視ることのアレゴリー」(セゾン美術館)、2002年「未来予想図」(兵庫県立美術館)、2010年「プライマリー・フィールド2」(神奈川県立近代美術館・葉山)などに出品。現在宝塚大学教授。 https://www.youtube.com/watch?v=W07HV6yOp0I 小林正人 Kobayashi Masato 1957年東京都生まれ。84年東京藝術大学卒業。85年に最初の個展(鎌倉画廊、東京)。89年「色彩とモノクローム」(東京国立近代美術館)、94年VOCA展(上野の森美術館/奨励賞)、95年「絵画、唯一なるもの」(東京国立近代美術館)、96年サンパウロ・ビエンナーレなどに出品。97年から2006年までベルギーのゲントで制作。2000年宮城県美術館、01年ゲント市立現代美術館、09年高梁市成羽美術館で個展。現在東京藝術大学准教授。 https://www.youtube.com/watch?v=I9HJbs6r_D0 鈴木省三 Suzuki Shozo 1946年大阪府生まれ。69年同志社大学卒業。70年フォルム洋画研究所にて研修。78年に最初の個展(藍画廊、東京)。89年「色彩とモノクローム」(東京国立近代美術館)、91年「今日の作家展」(横浜市民ギャラリー)、2001年インド・トリエンナーレ、同年「色の博物誌・緑」(目黒区美術館)、05年「絵画の行方―現代美術の美しさって何?」(府中市美術館)などに出品。 https://www.youtube.com/watch?v=q0Ho0xtw2ao 辰野登恵子 Tatsuno Toeko 1950年長野県生まれ。74年東京藝術大学大学院修了。73年に最初の個展(村松画廊、東京)。80年「Art Today 80 絵画の問題展」(西武美術館)、84年「メタファーとシンボル」(東京国立近代美術館)、87年「絵画1977-1987」(国立国際美術館)、94年サンパウロ・ビエンナーレなど多数の展覧会に出品。95年に東京国立近代美術館で個展、2012年「与えられた形象 辰野登恵子・柴田敏雄展」(国立新美術館)開催。現在多摩美術大学教授。 https://www.youtube.com/watch?v=6fH_N9c7dDs 堂本右美 Domoto Yuumi 1960年パリ生まれ。多摩美術大学、クーパ-ユニオン・ファインアート(ニューヨーク)卒業。90年に最初の個展(佐賀町エキジビットスペース、東京)。94年釜山ビエンナーレ、95年・99年VOCA展奨励賞、95年「絵画考 器と物差し」(水戸芸術館)、2000年「プライム 記憶された色と形」展(東京オペラシティアートギャラリー)、03年バングラデシュ・ビエンナーレなど国内外で発表。 https://www.youtube.com/watch?v=JDgqqIfDPW4 中川佳宣 Nakagawa Yoshinobu 1964年大阪府生まれ。87年大阪芸術大学卒業。同年最初の個展(番画廊、大阪)。94年「アート・ナウ94」(兵庫県立近代美術館)、同年「冒険美術」(滋賀県立近代美術館)、96年第1回昭和シェル石油現代美術賞展(最優秀賞)、同年「心を癒す植物 アート・ボタニカル・ガーデン」(目黒区美術館)、2003年「たがやすように」(和歌山県立近代美術館)、05年「三河・佐久島アートプラン21」(愛知県佐久島)、07年BIWAKOビエンナーレなどに出品。 https://www.youtube.com/watch?v=r6Vz9LDwt4Y 長沢秀之 Nagasawa Hideyuki 1947年埼玉県生まれ。72年武蔵野美術大学卒業。79年の個展(かねこ・あーとギャラリー、東京)から本格的に作家活動を始め、89年「色彩とモノクローム」(東京国立近代美術館)、90年「ART TODAY 1990」(セゾン現代美術館)、95年「絵画、唯一なるもの」(東京国立近代美術館)、99年「呼吸する風景」(埼玉県立近代美術館)などに出品。2008年には「風景からフウケイへ 長沢秀之展」(川越市立美術館)を開催。現在武蔵野美術大学教授。 https://www.youtube.com/watch?v=yDMizHf1hOE 日高理恵子 Hidaka Rieko 1958年東京都生まれ。85年武蔵野美術大学大学院修了。85年に最初の個展(みゆき画廊、東京)。95-96年、文化庁芸術家在外研修員としてドイツに滞在。93年「現代絵画の一断面 『日本画』を越えて」(東京都美術館)、97年VOCA展(上野の森美術館)、98年個展(国立国際美術館)、2005年「日本の知覚」展(クンストハウス・グラーツ他巡回)など国内外で発表。現在多摩美術大学教授。 https://www.youtube.com/watch?v=sPVcM7LQy5w 丸山直文 Maruyama Naofumi 1964年新潟県生まれ。文化服装学院、セツ・モードセミナー、Bゼミスクールに学ぶ。96-97年文化庁芸術家在外研修でドイツ滞在。90年に最初の個展(ギャラリー青山、東京)。92年「形象のはざまに」(東京国立近代美術館)、94年インド・トリエンナーレ、99年「ひそやかなラディカリズム」(東京都現代美術館)、2002年台北ビエンナーレ、08年個展(目黒区美術館)など国内外で発表。現在武蔵野美術大学教授。 https://www.youtube.com/watch?v=4veiKbQjT0s 山口啓介 Yamaguchi Keisuke 1962年兵庫県生まれ。85年武蔵野美術大学卒業。88年日本国際美術展で三重県立美術館賞。90年に同展で東京国立近代美術館賞。同年、最初の個展(ヒルサイドギャラリー、東京)。91年現代日本美術展で大賞。92-93年文化庁芸術家在外研修で渡米。また95-97年ドイツで制作。98年「アート/生態系」(宇都宮美術館)、2005年福岡アジア美術トリエンナーレなどに出品。また02年に西宮市大谷記念美術館、03年に高崎市美術館、05年に伊丹市立美術館、07年に国際芸術センター青森で個展。 https://www.youtube.com/watch?v=qW7wwzEvKj4 カタログ情報 イベント情報 講演会 天野一夫(豊田市美術館チーフキュレーター) 日程: 2013年7月6日(土)時間: 14:00-15:30 谷新(宇都宮美術館館長) 日程: 2013年7月20日(土)時間: 14:00-15:30 建畠晢(京都市立芸術大学学長) 日程: 2013年7月27日(土)時間: 14:00-15:30 *いずれも、東京国立近代美術館 講堂(地下1階)にて*申込不要、聴講無料(先着150名) 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー 2013年6月14日(金)~8月4日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00) 入館はそれぞれ閉館の30分前まで 月曜日(7月15日は開館)、7月16日(火) 一般650(450)円大学生350(200)円 ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。高校生以下および18歳未満、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。上記料金で入館当日に限り、同時開催の「都市の無意識」、所蔵作品展「MOMATコレクション」、もご覧いただけます。 東京国立近代美術館
