作家一覧
岡﨑乾二郎
OKAZAKI, Kenjiro
1955-
基本情報
- 作家名
-
岡﨑乾二郎
OKAZAKI, Kenjiro
- 生年
- 1955
作家 ID
- ID
- AOK069
所蔵作品
岡﨑乾二郎
テウミンとたみをとむらって バツサイとつみをきりしは
2000
岡﨑乾二郎
屋根の熱気に吹きつけられ、祖父の顔は頭蓋骨のようにもう色褪せて見える。ところで彼は何といったのでしたっけ?灼熱の焼きごてを眼に入れられようとしたときに。「僕の美しいお友達、火よ。もう少しやさしくお願いします」。大丈夫。安心なさって。姉は日傘を取りにいき、祖父は指先をまるく尖った舌で冷やしていた。
2002
岡﨑乾二郎
背後から火事が迫ってきたとでもいうの、この顔の青さは普通じゃないわ、どうしたの?ぽつりと答えます。「惜しいと思うほどの物は捉まえようと追いかけず、一生惜しんで思い出せるようにしておいたほうがいいんだよ」。そうか。胡瓜の漬け方を、老婦人から習ったときみたいに、熟した実がひとりでに落ちる音を聞いた。
2002