展覧会

会期終了 企画展

ゲルハルト・リヒター展

会期

会場

東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー

はじめに

ドイツ・ドレスデン出身の現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒター(1932-)。リヒターは油彩画、写真、デジタルプリント、ガラス、鏡など多岐にわたる素材を用い、具象表現と抽象表現を行き来しながら、人がものを見て認識するという原理に、一貫して取り組み続けてきました。

画家が90歳を迎えた今年2022年、本展では画家が手元に置いてきた初期作から最新のドローイングまでを含む約120点によって、一貫しつつも多岐にわたる60年の画業を紐解きます。

日本では16年ぶり、東京では初となる美術館での個展です。

ポスタービジュアル(ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ(CR: 937-2)》2014年 ゲルハルト・リヒター財団蔵 © Gerhard Richter 2022 (07062022))

見どころ

初期のフォト・ペインティングからカラーチャート、グレイ・ペインティング、アブストラクト・ペインティング、オイル・オン・フォト、そして最新作のドローイングまで、リヒターがこれまで取り組んできた多種多様な作品を紹介。特定の鑑賞順に縛られず、来場者が自由にそれぞれのシリーズを往還しながら、リヒターの作品と対峙することができる空間を創出します。

1.
現代アートの巨匠、待望の大規模個展

リヒターの日本の美術館での個展は、2005-2006年にかけて金沢21世紀美術館・DIC川村記念美術館で開催されて以来、実に16年ぶり。また東京の美術館での大規模な個展は今回が初めてとなります。

2.
最新作を含むリヒター所蔵の作品で、60年におよぶ作家の画業をたどる

世界のアートシーンで常に注目を集めてきたリヒター。彼が手放さず大切に手元に置いてきた財団コレクションおよび本人所蔵作品を中心に、最新作のドローイングを含む貴重な作品約120点が、初めて一堂に会します。これらの多様な作品を通じて、2022年に90歳を迎えたリヒターの、60年におよぶ画業をたどります。

3.
近年の大作《ビルケナウ》、日本初公開

幅2メートル、高さ2.6メートルの作品4点で構成される巨大な抽象画《ビルケナウ》は、ホロコーストを主題としており、近年の重要作品とみなされています。出品作品のなかでも最大級の絵画作品である本作が、この度、日本で初めて公開されます。

プロフィール

ゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter)

1932年、ドイツ東部、ドレスデン生まれ。ベルリンの壁が作られる直前、1961年に西ドイツへ移住し、デュッセルドルフ芸術アカデミーで学ぶ。コンラート・フィッシャーやジグマー・ポルケらと「資本主義リアリズム」と呼ばれる運動を展開し、そのなかで独自の表現を発表し、徐々にその名が知られるように。

その後、イメージの成立条件を問い直す、多岐にわたる作品を通じて、ドイツ国内のみならず、世界で評価されるようになる。

ポンピドゥー・センター(パリ、1977年)、テート・ギャラリー(ロンドン、1991年)、ニューヨーク近代美術館(2002年)、テート・モダン(ロンドン、2011年)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク、2020年)など、世界の名だたる美術館で個展を開催。現代で最も重要な画家としての地位を不動のものとしている。

カタログ

「ゲルハルト・リヒター展」公式図録

価格:3,900円(税込み)
仕様:判型A4変形判、展覧会出品作品オールカラー
総頁数:352ページ
言語:日本語、英語(一部)

目次

ゲルハルト・リヒター:画家にしてイメージメーカー ――ゲルハルト・リヒター財団の所蔵品  ディートマ・エルガー

ビルケナウ以降 ――ゲルハルト・リヒターの〈アブストラクト・ペインティング〉における後期様式について  桝田倫広

「絵画は役に立つのです」 ――リヒター作品における「もの」と「ビルト」、「複数性」と「真実性」をめぐって  鈴木俊晴

図版

  • フォト・ペインティング  浅沼敬子
  • リヒターと社会主義リアリズム  福元崇志
  • 資本主義リアリズム  桝田倫広
  • アトラス  鈴木俊晴
  • リヒターと1960年代のマルセル・デュシャンの再評価  中尾拓哉
  • カラーチャートとグレイ・ペインティング  鈴木俊晴
  • アブストラクト・ペインティング 1970s-1980s  鈴木俊晴
  • 頭蓋骨、蝋燭、花  鈴木俊晴
  • オイル・オン・フォト  清水穣
  • リヒターの風景画とドイツ・ロマン主義  仲間裕子
  • カラーチャートと公共空間  鈴木俊晴
  • ストリップ  桝田倫広
  • アブストラクト・ペインティング 1990s-2010s  鈴木俊晴
  • ドローイング  桝田倫広

対談

  • ゲルハルト・リヒター/ディーター・シュヴァルツ 2017年11月20日、ケルンにて
  • 無用の用 ――リヒターのガラスをめぐって  林寿美
  • 《1977年10月18日》と人物画  浅沼敬子
  • 樹皮としての絵画 ――《ビルケナウ》とジョルジュ・ディディ₌ユベルマン  田中純
  • 鏡の音楽 ゲルハルト・リヒターと音楽  清水穣
  • 文化の記録、蛮行の記録 ――ゲルハルト・リヒターの《ビルケナウ》  ベンジャミン・H.D. ブクロ―
  • 生産としての複製 ――ゲルハルト・リヒターの芸術における写真の役割について  シュテファン・グロナート

年譜
作品リスト
主要参考文献

開催概要

会場

東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー

会期

2022年6月7日(火)~ 2022年10月2日(日)

休館日

月曜日(ただし7月18日、9月19日、9月26日は開館)、7月19日(火)、9月20日(火)9月27日(火)

開館時間

10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00)
9月25日(日)~10月1日(土)は10:00-20:00で開館します
*入場は閉館30分前まで

チケット

チケットの詳細・購入方法は展覧会公式サイトをご確認ください。(展覧会公式サイトの公開は終了しました)

観覧料

一般  2,200円(2,000円)
大学生 1,200円(1,000円)
高校生  700円(500円)

  • ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
  • 中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。
  • キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は、学生証・職員証の提示により団体料金でご鑑賞いただけます。
  • 本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)もご覧いただけます。
主催

東京国立近代美術館、朝日新聞社

後援

ドイツ連邦共和国大使館、ゲーテ・インスティトゥート東京、在日ドイツ商工会議所

特別協力

ゲルハルト・リヒター財団、ワコウ・ワークス・オブ・アート

協力

小川香料ホールディングス、ルフトハンザ カーゴ AG、岡建工事

巡回

豊田市美術館:2022年10月15日(土)~2023年1月29日(日)

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