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村上友晴
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10月5日(木)休館のお知らせ
東京国立近代美術館は展示替えのため10月5日(木)を休館といたします。 ミュージアムショップ、アートライブラリも休業・休室となります。 レストラン「ラー・エ・ミクニ」は通常通り営業いたします。詳細は「ラー・エ・ミクニ」公式サイトをご確認ください。
女性と抽象|トークイベント
「女性と抽象」展示風景 撮影:大谷一郎 コレクションによる小企画「女性と抽象」に関連して、フェミニズムやジェンダーの見地から近現代美術を研究されている中嶋泉さんと内海潤也さんを招き、同展担当者とのトークイベントを開催します。 2023年10月22日(日)14時-16時(開場13時半) 中嶋泉(大阪大学大学院文学研究科准教授)、内海潤也(石橋財団アーティゾン美術館学芸員)、小川綾子(当館研究補佐員)、横山由季子(当館研究員) 東京国立近代美術館 地下1階講堂 140名(先着順) 入場無料。事前予約不要。 参加無料(観覧券不要)。 講演の撮影、録画、録音はお断りしております。 講演会参加後の展覧会への再入場は可能です。 内容や日時は都合により変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。 登壇者プロフィール 中嶋泉(なかじま いずみ) 大阪大学大学院文学研究科准教授。一橋大学大学院言語社会研究科美術史専攻博士課程後期単位取得満期退学。博士(学術)。広島市立大学芸術学部准教授、首都大学東京人文科学研究科准教授をなど経て、2016年より現職。専門分野は近現代美術、フェミニズム美術、フェミニズム・ジェンダー理論。主な著書に『アンチ・アクション―日本戦後絵画と女性画家』(ブリュッケ、2019年) 内海潤也(うつみ じゅんや) 石橋財団アーティゾン美術館学芸員。1990年東京都生まれ。2018年東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻修了、ラリュス賞受賞。ジェンダーに関心を寄せ、日本と東南アジアの現代美術を調査・研究しながら、展示企画、執筆などを行う。黄金町エリアマネジメントセンター、キュレーターを経て2021年2月より現職。
「模写と対話で考える」ことの可能性
関東大震災から100年が経つ。過去の巨大な災禍を記録/記述した数多くの資料から、わたしたちは何を知り、対話し、これからにつないでいけるだろうか。とくに今年に入ってからは、さまざまな場所と方法で検証と議論が活発に行われているけれど、今回は美術館という場所で、実際に100年前に描かれた作品群を目の前にしてできることを実践してみたい。 「模写と対話で考える関東大震災」というシンプルなタイトルを冠したこの企画は、所蔵作品展「関東大震災から100年」の関連企画として、展示の担当をされた研究員の横山由季子さんと話し合ってつくったものだ。はじめは、「てつがくカフェ」1のような言葉による対話形式の場を検討していたけれど、巨大地震とそれによって引き起こされた猛烈な火災、津波、そして民衆の集団心理の暴走から、特定の人種や思想を持つ人びとへの虐殺行為があった複合的な大災害について、短い時間で直接話し合うのは難しいことのように思えた。そこで、まずは参加者それぞれが自分の視点を見つける時間を持ち、そのうえで話せるような流れをつくりたい。何より、横山さんに計画段階の展示室の図面を見せてもらって、展示構成と作品についての解説を聞かせてもらったとき、わたし自身は東日本大震災発災から復旧・復興、そして現在への変遷を思い浮かべながら理解しようとしていて、そのプロセス自体が面白かった。 会場風景(3室)|撮影:大谷一郎|左手前は十亀広太郎の水彩画 たとえば、十亀広太郎のスケッチにある燃え残った木の姿は、陸前高田の「奇跡の一本松」と重なったし、今和次郎らが関わった「バラック装飾社」がつくった光景を思うと、なぜわたしはあの味気ない仮設団地に色をつけなかったのだろう、と過去の自分を反省する気分になったりもした。また、関東大震災後の華やかなりし“帝都復興”によって江戸情緒が残る風景が塗り替えられて、その陰で過度な労働が発生し、格差が広がり、プロレタリア運動に合流する作家が多数いた(またその動きが弾圧され、戦争へとつながっていく)ことが示されると、これからのわたしたちが辿る道筋を見ているようにも思えてドキリとする。 会場風景(4室)|撮影:大谷一郎|左手前は小野忠重の木版画、右手前は望月晴朗《同志山忠の思い出》1931年、東京国立近代美術館蔵 100年前と現在を重ねるには、ふたつの時代の社会背景や生活感覚の違いを学び、そのうえで慎重さや謙虚さを持って想像力を働かせる必要がある。けれど、もしそれを数人で行える場がひらけたら、さまざまなおしゃべりができそうな気がしてわくわくする。美術館にあるのは、かつて災禍を生き抜いた作家たちが描いた作品群である。それらが描かれた背景を知り、あらためて作品の細部をよく見ることからはじめたい。 ということで、実際のタイムスケジュールはこのようにした。・展示室内で横山さんから展示の概要と個々の作品紹介をしてもらう・参加者それぞれが好きな作品を選んで模写をする・描いた絵を美術館のガラス窓に貼り付け、簡単なキャプションを添えて展示する・互いに鑑賞する・ひとりひとりが自作を解説する・自由におしゃべりをする 当日、夜間開館中の展示室の入り口には、幅広い年齢層の参加者が集まった。ほとんどが初めましての間柄だけれど、互いにちょこちょこと挨拶を交わしている。全員が揃ったところで、プログラムの流れを共有し、それぞれちいさなクリップボードを持って展示室に入る。横山さんからの解説を聞く参加者たち。開館中のため、他の来館者たちも耳をそばだてている。最初の展示室には、ちょうど100年前、関東大震災当日に展示されていた絵画が並んでいる。次は、焼け跡を描いたスケッチや資料が置かれた一角。日本画家たちは破壊によって失われる前の風景を描いた組物を、かつての東京を懐かしむよすがとして、複製画帖として刊行している。一方で、洋画家たちは巨大な破壊から受けた衝撃そのものから、あたらしい技法とイメージを編み出していく。“帝都復興”のイメージをビジュアライズする版画。あたらしい街並み。プロレタリアへ。労働者や群衆を描く版画や油絵たち。ひととおりのギャラリーツアーが終わった後は、それぞれが好きな作品の前に立ち、模写をする。開館中の展示室に、絵を描いている人がいる光景そのものがとてもいいと思った。描くという方法でしか得られない、鑑賞体験というものがある。最初は怖い絵だと思ったけれど、よく見るとこの人物は微笑んでいる。こんなところまで微細に描き込んでいる。迷いのある線、勢いのある筆跡を見つける。何度も絵の具を重ねた跡もある…… そうして完成(するにはだいぶ時間が足りなかったけれど)した作品に簡単なキャプションを添えて、展示室を出た廊下のガラス窓に貼り付け、即席の展覧会にした。みなで鑑賞しながらあれこれ感想をつぶやく時間。 作品はどれもすばらしかったけれど、いくつか書き留めておく。近藤浩一路の「鵜飼六題」を取り上げた人は、「今回の企画は関東大震災の前と後という設定で、この絵は関東大震災の前に描かれたことになっている。けれど、もしかしたら他の災禍の“後”や“はざま”の風景かもしれない」と言う。鵜飼のほのぼのとした光景に、ぶあつい時間と営みが想像できる気がした。長野草風《「東都名所」より 金龍山》を描いた人は、「いまの浅草からは東京スカイツリーが見えるけれど、当時は浅草十二階が見えたのだなと思いました」と言う。きらきらとした東京の夜景が見える窓に展示されたことも相まって、100年の時間が伸縮し、ふたつの風景がぴったりと重なるように思えた。 藤牧義夫の《都会風景》を描いた人は、「展示されているのは当時から活躍していた男性作家のものばかりで、女性や子どもの感覚が知りたかった」「発災当時12歳だった藤牧さんは、前と後という感覚がなく、震災をただネガティブに捉えているわけではなかったのではないか」と言う。実はわたし自身、東日本大震災当時子どもだった人たちこそが、震災の影響を強く受けて人生を歩んでいくのでは、という仮説を立てているということもあり、なるほどなあと頷いて聞いた。大人たちが“前後”という区切りで単純化して捉えていることを、原風景としてまっすぐに受け入れていく子どもたちのこれからを思う。橋本静水の《「東京名所」より 堀切》を選んだ人はふたりいたが、そのうち福島県の内陸部出身だという人は「被災前の菖蒲園が、震災後の浪江町の風景と重なった。震災前の姿を取り戻すことだけが復興なのだろうか?などと考えてしまうけれど、自分は傍観しているだけという感覚もある。答えがないまま描きました」と語った。描くという時間が、自分にとって大切な場所を思う時間になることの豊かさを思い出した。望月晴朗の《同志山忠の思い出》を描いた人もふたりいたが、そのうちのひとりは、演説家が撒いた紙を赤いマスキングテープで彩った。「人物たちの表情が面白かったのと、赤と緑という色彩の対比によって、作者が描きたかったことが伝わるようになっていると感じた」という。模写を通じて、その意図を伝えようと作者が用いた技法や工夫に気がつくことができる。 発表の後はすこしだけ時間を設けて、それぞれに感想を伝え合ったり、質問をしたりした。初めて出会った者同士でも、似た感覚を持っていることを楽しんだり、自分にはない視点や知識に驚いたりできる。関東大震災を生き延びた作家たちの残した作品を通して、現代を生きるわたしたちが出会い、話し合う。もっとじっくり時間が持てればより対話が深まっただろうな……という心残りはあるけれど、また次の機会にきっと。わたしとしては、展示室を使って人びとが語らう時間がもっとたくさん生まれてほしいなあと願っている。模写をする人たち、話し合う人たちが展示室にいる光景は、それだけでとても創造的だった。 註 1 東日本大震災後、せんだいメディアテークで2011年6月18日から定期的に開催されている企画。当たり前だと思われている事柄について問い直し、参加者同士が対話を重ねることで、考えることの難しさや楽しさを体験する場を設けている。 『現代の眼』638号
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野村仁
ボナール《プロヴァンス風景》(1932)を見始める(後編)
ピエール・ボナール《プロヴァンス風景》1932年、東京国立近代美術館蔵 ボナールを見続けている。 これは結局いつなのだろう? 夜なのか昼なのか。決定し難さを覚えつつも、全体の印象は夜に傾く。画面全域のコントラストの低さ、青味がかった色調がそう感じさせるようだ。 謎めいた中央の木。画面の下1/4あたりから空に向けて持ち上がり、途中で右方へと斜めに広がる。奇妙な形は一つの木ではなく奥行方向に複数の木々が重なっているのであろう。同じ青味がかったビリジアンと灰白色のストロークが使われているため、ひとつながりの塊に見える。 目を画面右に向ける。遠近効果を無視して、同じような形・大きさの木が三つ縦に並んでいる[図1]。――ここでは木々の色は全く違う。手前は黄味の強い明るい緑。真ん中は灰色がかった青味の強い緑。その奥に、赤味がかった焦茶色のかすれて透ける木が描かれている。 図1 ボナール《プロヴァンス風景》(部分) 三つの木の色は区別されている。例えば真ん中の木に用いた青緑を、手前や奥の木を塗る筆に混ぜていない。これは特別な抵抗を要する行為だと感じられる。同じ「木」という類である、同じ葉緑素を持つ似た形であるという、類同性の半ば自動的な認知から、描く手の動きを切り離しているということだ。 つい周りの木にも同じ色のタッチを混ぜてしまいそうだ。そうすることで生まれたはずの木々の結びつきを、ボナールは意図的に回避している。遠近法の欠如――三本の木が見かけ上収縮しないということ以上に、木々を共通の「類」に結びつけるはずの色のつながりの欠如が、描かれた世界の統一性を失わせている。 再び画布中央の木に目を向ける。灰とビリジアンのタッチの群れから上方に目を移していくと、異なる色調のゾーンが現れる[図2]。空を裂くように――開かれた三角のゾーンがあり、濃緑に黒を重ねた松のような木々が立ち上がる。そこでは全体的色調が下の空間と共有されていない。色はゾーニングされている。 図2 ボナール《プロヴァンス風景》(部分) 木の色だけではない。同じ光に包まれていない。空気を満たす散乱光が同じでなく、画布中央の木では空気は淡く青味がかるように見えるが、上方の松の周りでは黄味がかっている。中央の木の左側で幹は透けるような灰白色だが、上方の松の幹は影をなす黒だ。空の一部が幕のように裂け、違う色、違う光のゾーンが現れている。そこだけ午後の陽光に包まれているようだ。 空気は時によって色が違う。例えば晴れた夏の朝に外を歩く。雨上がりの秋の夕方に。曇った冬の午後に。世界の中の種々の事物はそれじたいの固有色とは別に、その時々の空気全体を満たす特徴的な散乱光の色合いを帯びている。19世紀末にボナールの上の世代にあたる印象派の画家たちが描こうとしたのはこの光だった。特定の時刻、特定の地域、特定の天候において全ての事物を包む一つの光の色合いがあり、それは異なる事物を横断して用いられる同色のタッチによって生み出される。 ボナールの画面が欠いているのは、この統合する光だ。画面全体に注意を散乱させ、曖昧な筆遣いで事物の輪郭を局所的に溶かしながらも、諸事物を全体的に統合する一つの光の色合いを作らないこと。中央の灰緑色の木々のゾーンとその上の濃緑の松のゾーンは、夜と昼に、別の時刻に、あるいは別の日付に分裂している。 分裂していく種々の緑は、画面中央の太い幹に強い真紅が置かれることで、それとの対比関係で距離化されている(真紅の幹は文字通り、この絵の「臍へそ」として機能している)。この真紅を取り除けば、画面全域が黄と青緑の対比関係に支配され、種々の緑は空に差し込む明るい黄と画面右下方の黄橙に引っ張られながら焦点を失い、混乱の中で拡散するだろう。世界には秘密があり、それが全面的拡散から風景を守っている。中央の真紅の幹――それに結ばれるようにして、異なる時間が画面に生えてくる。幹を臍として、異なる時間に分裂する風景が生えてくる。 ここには非決定性がある――。画家が、というより世界じたいが、自身がどうあるかを決めかねているようだ。見続けるほどに景色は分裂を深め、見る私をも解ほどいていく。 『現代の眼』637号 ボナール《プロヴァンス風景》(1932)を見始める(前編)
ボナール《プロヴァンス風景》(1932)を見始める(前編)
ピエール ・ボナール《プロヴァンス風景》1932年、東京国立近代美術館蔵 「????」というのが絵を見たときの最初の印象だ。何を描いているのかがわからない。1時間、2時間、見続ける。それでもわからない。 風景が描かれていることは分かる。豊かな木々がある。細胞状に仕切られて輝く空は、――あえて解釈すれば背後から月に照らされたうろこ雲のようだ。左下には人物のように見える色斑がある(大人が2人、子供が2人、3人……)。それでも、絵が「何を」描こうとしているかがわからない。――モチーフが分からないということではない。つかみどころがない。これは文字通り、つかむためのフレームが絵の中にないということだ。 おそらく。 そう考えながら、同じ部屋のピカソ《ラ・ガループの海水浴場》(1955年)に目を向ける。それはとてもはっきりしている。ボナールと同じように、空間の浅さと混色されない絵具の生なまっぽさがある南仏の光景だが、ピカソにはつかみどころ=事物と事物、空間と空間を仕切るフレームがある。フレームは、黒い線で描かれている。 会場風景|撮影:大谷一郎 右:パブロ・ピカソ《ラ・ガループの海水浴場》1955年、東京国立近代美術館蔵 図1 ボナール《プロヴァンス風景》(部分) 図2 ボナール《プロヴァンス風景》(部分) ボナールに振り返る。黒絵具の扱いを見てみよう。――特集の資料展示に置かれた記事の中で、画家の岡鹿之助は「ボナールは[……]部厚く絵具を重ねるが、画面が仕上げに近づくにつれて、カサカサと非常にかたねりの絵具をこすり・・・付ける様においてゆく」と書いていた1。画家の言葉は具体的で面白い。画布に目を近づけると、たしかに、局所的に現れる厚塗りのテクスチャーの上をかするように、黒絵具が擦りつけられている。影というには生っぽすぎるが、つかむためには煙のようでありすぎる黒が、空の上[図1]や、壁の隙間、木の中にある。 対比されて、ぬめっと白っぽく混色した平らな領域があちこちに広がる。中央の左寄り大きな木の幹――それはしかし幹なのだろうか?[図2] 幹らしき灰白色の筋は半透明で、それゆえうまくつかめない。事物の表面は絵具化した世界の中で置き換えられている。事物は展性をもち、よく延ばすと透ける。世界はいたるところで乳化している。 右下の黄橙色の木々や、左端手前で見切れた紫陽花あじさいのようなかたちの中には、画家の手の動きと一致した物質感の強い筆致がある。筆致は画面の領域ごとに変えられている。不統一な筆致の混成こそが目指されているようだ。 少し離れてみる。絵に目が慣れてくると、色はばらばらに踊りだすように感じられる。どうしてこんなに生っぽい色が使われているのだろう? 中央の木に飛び交うビリジアン。画面の臍へそをなす位置に唐突に塗られたカーマイン(これも幹だろうか?)。黄とオレンジも強い。生っぽい色は周囲になじまない代わりに――なじむことで絵画の中に描写的な奥行きを作らない代わりに――、かえって離れた場所にある色と響き合い、空間を作る。その響き合いの感覚は、画面の局所に位置づけられないという意味で非視覚的で、むしろ空間を満たす「音」に近い。 特集展示の説明文によると、ピカソはボナールの絵を「極度にオーケストラのような表面 an extremely orchestrated surface」と呼んだらしい2。空の青をふたたび見る。音楽の喩を用いたピカソの真意はわからないが、この空の描写は、私にとってたしかに耳に「くる」。実際には何も聞こえないのに、画面全体を満たす反響に鼓膜が圧おされているように感じられる。そこをくぐるように、ふたたび画面の中に入る。 左右で見切れる画面は、比較的小さいながらも環境 environmentであり、私を取り囲む。見る私はそこで、かすられ、延ばされる、絵具でできた世界の響きに着水する。 夜は明るく暗い。そう言葉で書くことができるように、絵具で夜を描くことができ、それは現実の夜とも、現実の夜の視覚的感覚とも関わりなく、絵具的現実の中で変形し延展される。光は色になり、昼と夜は区別されず、空はかすられ、木々は透けて乳化し、人はいくつかの着色された液体の偶然的布置に変わる。それらが響く。――つかむための手指はもはやなく、物に溶けた目と色に開かれた耳が画布の上でふるえる。 もう少し見ないと。 註 岡鹿之助「ボナアルの色」『アトリヱ』249号、1947年6月、13頁。傍点原文。旧字・旧表記は現代表記に改めた。 以下で伝えられる言葉。Françoise Gilot and Carlton Lake, Life with Picasso, Virago, 1990, p. 255. 『現代の眼』637号 ボナール《プロヴァンス風景》(1932)を見始める(後編)
ピエール・ボナール《プロヴァンス風景》|キュレータートーク|所蔵品解説009
所蔵作品の新たな見方、楽しみ方をお伝えするオンラインキュレータートーク。今回は、ピエール・ボナール 《プロヴァンス風景》(1932年)を取り上げます。この絵画、一見すると何が描かれているのか分かりません。横山研究員お手製の分割パネルで、ボナールの描いた絵画空間を紐解いていきましょう。 作品は、所蔵作品展「MOMATコレクション」4階1室ハイライトにて展示中です。(2023年12月3日まで) https://youtu.be/JC-741t6iPQ
幻視するレンズ
展覧会について 英語に「ヴィジョナリー(visionary)」という言葉があります。形容詞としては「幻想の」、「夢のような」あるいは「洞察力のある」などの意味になり、名詞の場合は「幻視者」、「夢想家」、「洞察力のある人」といった意味で使われます。 レンズの前にある世界を正確に写しとめることのできる写真というメディアと、この「ヴィジョナリー」という言葉は一見なじまないようにも思えます。しかし「幻想的な」と形容される写真は数多くあり、また「幻視者」と呼びたくなる写真家も確かに存在します。いや、存在するどころか、すぐれた写真家とは、少なからず「幻視者」的であるのかも知れません。彼らは眼の前の世界に、他の人には見えていない何かを感知し、あるいは一瞬後に何が起きるかを予想しながらシャッターを切ります。それはまさしく「幻視者」であり「洞察力のある人」の営為なのです。あるいは、人の視覚とは異質な「機械の眼」であるカメラとは、必然的に、人間にとってどこか違和感のある、見知らぬ世界への扉を開くものなのかもしれません。 同時開催中の「あやしい絵」展とあわせて「あやしい」写真表現の世界をお楽しみいただければ幸いです。 見どころ 今回の展示は二つのパートで構成されます。前半ではシュルレアリスムに関わる写真表現を中心に、おもに20世紀前半の作品を、後半のパートでは1970-90年代の写真表現から、幻視者的なヴィジョンのきわだつ作品をとりあげています。 ウジェーヌ・アジェ《「20 Photographs by Eugène Atget」より メリーゴーラウンド》1923年 前半で注目する、写真とシュルレアリスムという話題をめぐっては、世紀転換期のパリの街並を撮り続けたウジェーヌ・アジェが、最晩年、マン・レイらシュルレアリストによって「発見」されたというエピソードがよく知られています。早朝に仕事をしたアジェの写真の中で、人気のないパリの街並はたしかにどこか異質の場所に見えます。 中山岩太《「中山岩太ポートフォリオ 2010」より 10 蝶(一)》1941年 自身はシュルレアリスムには無関心だったアジェとは異なり、積極的に幻視者的なヴィジョンを展開する写真も、20世紀の前半には多く現れます。アメリカにおけるシュルレアリスムの先駆者クラレンス・ジョン・ラフリンや、暗室技法を駆使して自らのヴィジョンを自在に表現した中山岩太らの作品を紹介します。 後半のパートでは、深瀬昌久の「鴉」と川田喜久治の「ラスト・コスモロジー」を軸に、1970年代から90年代の写真表現に現れた、多様な幻想的イメージに注目します。 深瀬昌久の「鴉」は、平成30年度の新収蔵作品。深瀬の代表作で、今回が初めての展示です。破綻した結婚生活から逃避する故郷北海道への旅をきっかけに展開された連作で、主役であるカラスは、作者自身のメタファーであると同時に、日常を変容させ、異世界へ導く使者のようにも見えてきます。 川田喜久治の「ラスト・コスモロジー」は、日蝕やオーロラといった天空のドラマと、地上における二つの時代の終焉―昭和の終わりと20世紀の終わり―とを対比させながら編まれた連作です。他に神谷俊美の「東京神話」や、中川政昭の「TYO」シリーズなど、同時代の都市風景に向けられた幻視者的なヴィジョンにもご注目ください。 開催概要 東京国立近代美術館2階 ギャラリー4 2021年3月23日(火)~2021年5月16日(日) 10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00) 臨時夜間開館日:5月12日(水)-16日(日)は20:00まで開館いたします入館は閉館30分前まで 月曜日[ただし3月29日、5月3日は開館]、5月6日(木)*臨時休館期間:4月25日(日)~ 会場では当日券を販売しています。会場の混雑状況によって、当日券ご購入の列にお並びいただいたり、入場をお待ちいただく場合がありますので、オンラインでの事前のご予約・ご購入をお薦めいたします。 新型コロナウイルス感染症予防対策のため、 ご来館日時を予約する日時指定制を導入いたしました。「MOMATコレクション」のご予約で「幻視するレンズ」がご覧いただけます⇒こちらから来館日時をご予約いただけます。※上記よりチケットも同時にご購入いただけます。※観覧無料対象の方(65歳以上、高校生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名、招待券をお持ちの方等)についても、上記より来館日時をご予約いただけます。※お電話でのご予約はお受けしておりません。 一般 500円 (400円)大学生 250円 (200円) 5時から割引(金曜・土曜): 一般 300円大学生 150円 ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名は無料。 入館の際に、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。 お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。 キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。 「友の会MOMATサポーターズ」、「賛助会MOMATメンバーズ」会員の方は、会員証のご提示でご観覧いただけます。「MOMAT支援サークル」のパートナー企業の皆様は、社員証のご提示でご観覧いただけます。(同伴者1名迄。シルバー会員は本人のみ) 東京国立近代美術館
所蔵作品展 MOMATコレクション(2019.6.4–10.20)
2019年6月4日- 10月20日の所蔵作品展のみどころ 和田三造《南風》1907年 重要文化財 MOMATコレクションにようこそ! 20世紀はじめから今日に至る日本の近現代美術の流れを、国際的な関連も含めてご紹介します。 4階第1室は「ハイライト」。当館選りすぐりの名品が凝縮されています。2室から12室までは、おおよそ時代順ですが、部屋ごとにテーマをたてて、各時代の美術と社会の関係をさまざまな角度から見ることができます。また今回は、3階7室と8室の2部屋で、1950-60年代に盛り上がりを見せた古代ブームにまつわる造形をデザインや工芸を含め紹介します。2階11室には「高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの」に関連した特集があり、2階ギャラリー4では「解放され行く人間性 女性アーティストによる作品を中心に」と題した小企画を開催します。 東京国立近代美術館は1969年6月11日に竹橋に移転オープンしました。この会期中に50周年を迎えるにあたり、3階の「建物を思う部屋」で当時の資料を紹介しています。今期も盛りだくさんのMOMATコレクション。どうぞごゆっくりお楽しみください。 出品作品リスト 展示内容、開館日、開館時間に変更が生じる場合がございます。詳細はハローダイヤル(03-5777-8600)でご確認願います。リストは各室毎に順不同です。 室重文音声ガイド作家名(和)題名(和)制作年技法・材質受入方法期間(始)期間(終)1室 尾竹国観油断1909絹本彩色文部省管理換2019/06/042019/08/181室 菊池契月供燈(くとう)1910絹本彩色文部省管理換2019/06/042019/08/181室 0006下村観山木の間の秋1907紙本彩色文部省管理換2019/08/202019/10/201室 加山又造天の川1968絹本彩色寄託2019/08/202019/10/201室●0001原田直次郎騎龍観音1890油彩・キャンバス寄託(護國寺蔵)2019/06/042019/10/201室●0029中村彝エロシェンコ氏の像1920油彩・キャンバス大里一太郎氏寄贈2019/06/042019/10/201室 0037藤田嗣治五人の裸婦1923油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/201室 萬鉄五郎裸婦(ほお杖の人)1926油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/201室 長谷川利行岸田国士(くにお)像1930油彩・キャンバス木村東介氏寄贈2019/06/042019/10/201室 三岸好太郎雲の上を飛ぶ蝶1934油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/201室 山下菊二あけぼの村物語1953油彩・ドンゴロス購入2019/06/042019/10/201室 0062靉光眼のある風景1938油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/201室 0003アンリ・ルソー第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神1905-06油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/201室 パウル・クレー破壊された村1920油彩・厚紙にアスファルト下地購入2019/06/042019/10/201室 0012荻原守衛女1910ブロンズ文部省管理換2019/06/042019/10/202室 狩野芳崖桜下勇駒図(おうかゆうくず)1884紙本墨画淡彩奈良岩雄氏寄贈2019/06/042019/08/182室 橋本雅邦蓬莱山c.1903-07絹本彩色福田武彦氏遺贈2019/06/042019/08/182室 横山大観菊慈童c.1897絹本彩色寄託2019/06/042019/08/182室 寺崎広業溪四題(雲の峰・夏の月・秋霧・雨後)1909紙本彩色文部省管理換2019/06/042019/08/182室 狩野芳崖獅子図c.1886紙本墨画淡彩奈良岩雄氏寄贈2019/08/202019/10/202室 川合玉堂小松内府図1899絹本彩色購入2019/08/202019/10/202室 下村観山ダイオゼニス1903絹本彩色購入2019/08/202019/10/202室 菊池契月名士弔葬1908絹本彩色文部省管理換2019/08/202019/10/202室 原田直次郎ガブリエル・マックス像c.1884-86油彩・キャンバス寄託2019/06/042019/10/202室 久米桂一郎ブレア島1891油彩・キャンバス寄託2019/06/042019/10/202室 中沢弘光非水像1901油彩・キャンバス工藤登紀子氏寄贈2019/06/042019/10/202室 石井柏亭草上の小憩1904油彩、オイルパステル・キャンバス石井加代氏寄贈2019/06/042019/10/202室 熊谷守一半裸婦1904油彩・板川上淳氏寄贈2019/06/042019/10/202室 青木繁運命1904油彩・板購入2019/06/042019/10/202室 吉田博パリ風景1905油彩・キャンバス吉田穂高氏寄贈2019/06/042019/10/202室●0004和田三造南風1907油彩・キャンバス文部省管理換2019/06/042019/10/202室 浅井忠山村風景1887水彩、鉛筆・紙鈴木光氏寄贈2019/06/042019/08/182室 鹿子木孟郎田舎の道c.1895水彩、鉛筆・紙吉田穂高氏寄贈2019/08/202019/10/203室 南薫造スコットランド老人1908油彩・キャンバス南建氏寄贈2019/06/042019/10/203室 岸田劉生イブを待つアダム1912油彩・板鈴木良衛氏遺贈2019/06/042019/10/203室 木村荘八虎の門付近1912油彩・板購入2019/06/042019/10/203室 川上涼花植物園風景1913油彩・キャンバス酒井億尋氏寄贈2019/06/042019/10/203室 萬鉄五郎手袋のある静物1915油彩・キャンバス寄託2019/06/042019/10/203室 梅原龍三郎静物1916油彩・キャンバス作者寄贈2019/06/042019/10/203室 正宗得三郎モレーの冬1922油彩・キャンバス正宗猪早夫氏寄贈2019/06/042019/10/203室 中川一政柚子壜図(ゆずたんず)1925油彩・厚紙購入2019/06/042019/10/203室 ポール・セザンヌ大きな花束c.1892-95油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/203室 オーギュスト・ロダントルソー年代不詳ブロンズ岩波茂雄氏旧蔵、岩波雄二郎氏遺贈2019/06/042019/10/203室 南薫造少女1908水彩、鉛筆・紙南建氏寄贈2019/06/042019/08/183室 南薫造水辺の少女1908水彩、鉛筆・紙南建氏寄贈2019/08/202019/10/203室 岸田劉生《人類の意志》のための下絵c.1914インク、鉛筆・紙購入2019/06/042019/08/183室 岸田劉生イブを求むるアダムc.1914インク、鉛筆・紙購入2019/08/202019/10/203室 ポール・ゴーギャンナヴェ・ナヴェ・フェヌア(かぐわしき大地)1893-94木版山口貴久男氏、美恵氏寄贈2019/06/042019/08/183室 ポール・ゴーギャンノア・ノア(かぐわしい)1893-94木版山口貴久男氏、美恵氏寄贈2019/08/202019/10/203室 ジョルジュ・ルオーミセレーレ No.1 (神よ、われを憐れみたまえ、あなたのおおいなる慈によって)1923銅版山口貴久男氏、美恵氏寄贈2019/06/042019/08/183室 ジョルジュ・ルオーミセレーレ No.57 (死に至るまで、しかも十字架の死に至るまで従順なれば)1926銅版山口貴久男氏、美恵氏寄贈2019/06/042019/08/183室 ジョルジュ・ルオーミセレーレ No.20 (忘れ去られた十字架のイエスの下で)1926銅版山口貴久男氏、美恵氏寄贈2019/08/202019/10/203室 ジョルジュ・ルオーミセレーレ No.52 (法は苛酷、されど法)1926銅版山口貴久男氏、美恵氏寄贈2019/08/202019/10/203室 『白樺』第9巻第3号(1918年3月)[表紙|バーナード・リーチ] 2019/06/042019/08/183室 「公共白樺美術館員募集」『白樺』第9巻第7号(1918年7月) 2019/06/042019/08/183室 『白樺』第9巻第7号(1918年7月)[挿畫|セザンヌ《野中にての朝餐》] 2019/06/042019/08/183室 『白樺』第12巻第2号(1921年2月)[挿畫|ゴオホ《向日葵》*山本顧彌太氏旧蔵、第二次世界大戦時に焼失] 2019/06/042019/08/183室 『白樺』第9巻第7号(1918年7月)[表紙|岸田劉生] 2019/08/202019/10/203室 「公共白樺美術館員募集」『白樺』第10巻第3号(1919年3月) 2019/08/202019/10/203室 「編輯室にて」『白樺』第12巻第1号(1921年1月) 2019/08/202019/10/203室 『白樺』第12巻第2号(1921年2月)[挿畫|セザンヌ《風景》*現存、大原美術館蔵(白樺美術館永久寄託)] 2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵11937墨、インク、水彩、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵21937鉛筆、墨、コンテ・紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵31937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵41937墨、インク、水彩、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵51937墨、インク、水彩、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵61937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵71937墨、インク、水彩、胡粉・厚紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵81937墨、インク、コンテ・紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵91937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵101937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・厚紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵111937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・厚紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵121937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵131937インク・紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵141937墨、インク、水彩、コンテ・紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵151937墨、インク、コンテ、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵161937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵181937墨、インク、水彩、コンテ・厚紙木村初枝氏寄贈2019/06/042019/08/184室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵191937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵201937墨、インク、水彩、コンテ・紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵211937墨、インク、水彩、コンテ・厚紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵221937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・厚紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵231937墨、水彩、コンテ、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵241937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・厚紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵251937墨、インク、水彩、コンテ・紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵261937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵271937墨、インク・紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵281937墨、水彩、コンテ・紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵291937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵301937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵311937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵321937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵331937墨、インク、水彩、コンテ、胡粉・厚紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵341937墨、インク、水彩・トレーシング・ペーパー木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 木村荘八永井荷風著『濹東綺譚』挿絵35のための下絵1937墨、インク・紙木村初枝氏寄贈2019/08/202019/10/204室 織田一磨「画集東京近郊八景」より 玉の井雪景1932リトグラフ織田ユキエ氏寄贈2019/06/042019/08/184室 川瀬巴水「東京十二題」より 雪に暮るる寺島村1920木版(多色)購入2019/08/202019/10/205室 国吉康雄村落1921油彩・キャンバス寄託2019/06/042019/10/205室 村山知義あるユダヤ人の少女像1922油彩、紙、木、コラージュ浜徳太郎氏寄贈2019/06/042019/10/205室 神原泰スクリアビンの『エクスタシーの詩』に題す1922油彩・布作者寄贈2019/06/042019/10/205室 前田寛治労働者c.1925油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/205室 0039佐伯祐三ガス灯と広告1927油彩・キャンバス文化庁管理換2019/06/042019/10/205室 川口軌外静物(マンドリン)1927-31油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/205室 三岸好太郎少年道化1929油彩・キャンバス三岸節子氏寄贈2019/06/042019/10/205室 山口長男二人像1930油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/205室 山口長男池1936油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/205室 佐分真午後1932油彩・キャンバス佐分純一氏寄贈2019/06/042019/10/205室 野田英夫都会1934油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/205室 野田英夫サーカス1937油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/205室 村井正誠URBAIN1937油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/205室 今西中通静物1940油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/205室 ハンス・リヒター色のオーケストレーション1923油彩・キャンバス作者遺贈2019/06/042019/10/205室 クルト・シュヴィッタースE. +E. シュヴィッタースより1947コラージュ・紙フランシス・ロイド氏寄贈2019/06/042019/10/205室 仲田定之助女の首1924白銅購入2019/06/042019/10/205室 陽咸二或る休職将軍の顔1929ブロンズ購入2019/06/042019/10/205室 ウォーカー・エヴァンズ無題(一番街14丁目、ニューヨーク市)1931ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/185室 ウォーカー・エヴァンズ道端の光景、セルマ1936ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/185室 ウォーカー・エヴァンズニューオーリンズの街角1935ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/205室 ウォーカー・エヴァンズ無題(靴磨き)c.1936ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/206室 0059梅原龍三郎北京秋天1942油彩、岩絵具・紙川口松太郎氏寄贈2019/06/042019/10/206室 吉原治良火山1943油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/206室 国吉康雄誰かが私のポスターを破った1943油彩・キャンバス寄託2019/06/042019/10/206室 松本竣介Y市の橋1943油彩・キャンバス文化庁管理換2019/06/042019/10/206室 安井曽太郎安倍能成像1944油彩・キャンバス安倍恭子氏寄贈2019/06/042019/10/206室 松本竣介自画像1942鉛筆、木炭・紙購入2019/06/042019/08/186室 松本竣介果物を持つ少年c.1942鉛筆、コンテ、木炭、墨・紙購入2019/08/202019/10/206室 三輪晁勢ツラギ夜襲戦1943紙本彩色無期限貸与2019/06/042019/10/206室 岩田専太郎小休止1944紙本彩色無期限貸与2019/06/042019/10/206室 藤田嗣治血戦ガダルカナル1944油彩・キャンバス無期限貸与2019/06/042019/10/206室 小川原脩成都爆撃1945油彩・キャンバス無期限貸与2019/06/042019/10/206室 中村研一北九州上空野辺軍曹機の体当りB29二機を撃墜す1945油彩・キャンバス無期限貸与2019/06/042019/10/207室 パブロ・ピカソラ・ガループの海水浴場1955油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/207室 岡本太郎装飾1954油彩・キャンバス寄託2019/06/042019/10/207室 植木茂作品1954木購入2019/06/042019/10/207室 建畠覚造貌(かお)1955セメント作者寄贈2019/06/042019/10/207室 辻晋堂樹1956テラコッタ(陶彫)購入2019/06/042019/10/207室 村井正誠唄う人1956リトグラフ購入2019/06/042019/08/187室 村井正誠田舎の娘1957リトグラフ作者寄贈2019/08/202019/10/207室 北代省三・大辻清司『APN』ポートフォリオより (7)1953-54ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/187室 北代省三・大辻清司『APN』ポートフォリオより (6)1953-54ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/207室 鈴木治双頭壺1951陶器寄託2019/06/042019/10/207室 鈴木治泥像 行ク人1964陶器購入2019/06/042019/10/207室 岡部嶺男練込志野縄文花器1956陶器寄贈2019/06/042019/10/207室 安原喜明焼締花器 港1954陶器安原喜孝氏寄贈2019/06/042019/10/207室 原弘現代の眼 : 日本美術史から1954オフセット 2019/06/042019/08/187室 原弘日本の彫刻 : 上代(埴輪・金銅仏・伎楽面)と現代1956オフセット 2019/06/042019/08/187室 原弘現代の眼 : 日本美術史から1954オフセット 2019/08/202019/10/207室 原弘現代の眼 : 原始美術から1960オフセット 2019/08/202019/10/207室 イサム・ノグチあかり 1A1952竹、和紙 2019/06/042019/10/207室 「特集 埴輪研究」 『造形芸術』第3巻第6号 (1941年6月) 2019/06/042019/10/207室 『埴輪美』 野間清六(著)・坂本万七(撮影) 聚楽社 (1942年) 2019/06/042019/10/207室 『生活美術』3巻10号(1943年10月) 2019/06/042019/10/207室 『みづゑ文庫 土器とはにわ』 久野健(著) 美術出版社 (1951年) 2019/06/042019/10/207室 「埴輪特集」 『MUSEUM』2号 国立博物館 (1951年5月) 2019/06/042019/10/207室 『国立近代美術館ニュース 現代の眼』1号 (1954年12月) 2019/06/042019/10/207室 『国立近代美術館ニュース 現代の眼』2号 (1955年1月) 2019/06/042019/10/207室 『国立近代美術館ニュース 現代の眼』3号 (1955年2月) 2019/06/042019/10/207室 『現代の眼 日本美術史から』 国立近代美術館(監修)・谷口吉郎(編集) 東都文化出版株式会社 (1955年) 2019/06/042019/10/207室 『アサヒ写真ブック28 埴輪の美しさ』 三木文雄(編集) 朝日新聞社 (1956年) 2019/06/042019/10/207室 『国立博物館ニュース』第53号 (1951年10月) [『国立博物館ニュース縮刷版』 東京美術 (1970年)] 2019/06/042019/10/208室 0066福田平八郎雨1953紙本彩色購入2019/06/042019/08/188室 0074前田青邨石棺1962紙本彩色作者寄贈2019/06/042019/10/208室 宇田荻邨桂離宮笑意軒1964紙本彩色作者寄贈2019/08/202019/10/208室 鳥海青児畑1953油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/208室 間所紗織神話 神々の誕生1956染料、その他・布間所幸雄氏寄贈2019/06/042019/10/208室 中谷泰陶土1958油彩・キャンバス購入2019/06/042019/10/208室 利根山光人いしぶみ1961油彩・キャンバス作者寄贈2019/06/042019/10/208室 榎戸庄衛奈良1967油彩・キャンバス作者寄贈2019/06/042019/10/208室 猪熊弦一郎驚く可き風景(B)1969油彩・キャンバス文化庁管理換2019/06/042019/10/208室 宮脇愛子作品1968真鍮購入2019/06/042019/10/208室 斎藤清門1955木版(多色)購入2019/06/042019/08/188室 斎藤清唐招提寺1959木版(多色)購入2019/08/202019/10/208室 関野準一郎いらか1957木版(多色)購入2019/08/202019/10/208室 平塚運一廊下、桂離宮、京都1966木版作者寄贈2019/06/042019/08/188室 平塚運一八窓庵雁木橋、奈良1961木版作者寄贈2019/08/202019/10/208室 石元泰博ポートフォリオ「桂」より 八、御腰掛前延段・南から北方を望む1954(1989 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/188室 石元泰博ポートフォリオ「桂」より 十、松琴亭茶室内部東面1954(1989 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/188室 石元泰博ポートフォリオ「桂」より 一、月波楼の化粧屋根裏1954(1989 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/208室 石元泰博ポートフォリオ「桂」より 九、蘇鉄山脇から御腰掛に導く飛石道1954(1989 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/208室 濱田庄司失透釉格子文角皿1958陶器文化庁管理換2019/06/042019/10/208室 濱田庄司飴釉繩文角皿1958陶器文化庁管理換2019/06/042019/10/208室 金重陶陽備前緋襷筒水指1959陶器文化庁管理換2019/06/042019/10/208室 三浦小平二鉄絵大皿 横断歩道1967陶器三浦竹子氏寄贈2019/06/042019/10/208室 亀倉雄策東京オリンピック1961 (1990 reprint)グラビア作者寄贈2019/06/042019/08/188室 亀倉雄策東京オリンピック1962 (1990 reprint)グラビア作者寄贈2019/08/202019/10/208室 イサム・ノグチ「私のカメラから」 『美術手帖』第34号 (1950年9月) 2019/06/042019/10/208室 『土の芸術 土偶・土器・埴輪』 野間清六(著)・坂本万七、藤本四八(撮影)・斎藤清(カバー装丁) 美術出版社 (1954年) 2019/06/042019/10/208室 『This is Japan』第2号 朝日新聞社 (1954年11月) 2019/06/042019/10/208室 『This is Japan』第6号 朝日新聞社 (1958年9月) 2019/06/042019/10/208室 『日本の伝統』 岡本太郎(著) 光文社 (1956年) 2019/06/042019/10/208室 『現代人の眼 伝統美術の批判』 岡本太郎、瀧口修造他(著) 現代社 (1956年) 2019/06/042019/10/208室 『Japan』 産経インターナショナル (1956年) 2019/06/042019/10/208室 二川幸夫『日本の民家』より「京・山城」 美術出版社(1959年) 2019/06/042019/10/208室 二川幸夫『日本の民家』より「大和・河内」美術出版社(1957年) 2019/06/042019/10/20建築を思う部屋 『東京国立近代美術館1969』(新館開館記念冊子) 2019/06/042019/10/20建築を思う部屋 『東京国立近代美術館1969』(新館開館記念冊子) 2019/06/042019/10/20建築を思う部屋 『現代の眼』175号 東京国立近代美術館ニュース 1969年6月(新館開館記念号) 2019/06/042019/10/20建築を思う部屋 『新建築』1969年8月号 新建築社 2019/06/042019/10/20建築を思う部屋 東京国立近代美術館開館記念切手シート 2019/06/042019/10/209室 伊藤義彦imagery72 820121982(1991 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦imagery72 830111983(1991 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦imagery72 840161984(1993 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦imagery72 8500071985(1991 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦imagery72 8500081985(1991 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦imagery72 8500201985(1993 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦KAGE 86141986(1993 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦KAGE 86151986(1993 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦KAGE 86161986(1993 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦KAGE 87171987(1991 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦KAGE 87181987(1991 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦KAGE 87191987(1991 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦KAGE 87211987(1993 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦KAGE 87231987(1993 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦KAGE 87241987(1993 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦KAGE 880011988(1991 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦SHIKAKU SKK 89003W1989(1993 print)ゼラチン・シルバー・プリント作者寄贈2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦SHIKAKU SKK 89007W1989(1990 print)ゼラチン・シルバー・プリント作者寄贈2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦SHIKAKU SKK 89009W1989(1990 print)ゼラチン・シルバー・プリント作者寄贈2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦SHIKAKU SKK 91010W1991(1993 print)ゼラチン・シルバー・プリント作者寄贈2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦SHIKAKU SKK 91012W1991(1993 print)ゼラチン・シルバー・プリント作者寄贈2019/06/042019/08/189室 伊藤義彦SHIKAKU SKK 91037W1991(1993 print)ゼラチン・シルバー・プリント作者寄贈2019/06/042019/08/189室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より 駿河湾 19781978(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より 宇久須 19781978(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より グラーツ 19781978(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より ボブリンゲン 19781978(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より グラーツ 19781978(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より グラーツ 19781978(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より グッシング 19791979(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より グラーツ 19791979(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より グラーツ 19801980(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より ウィーン 19801980(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より ミッターラスニッツ 19801980(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より グラーツ 19811981(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より シャッテンドルフ 19811981(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より グラーツ 19821981(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より ウィーン 19821982(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント購入2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より ウィーン 19821982(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント作者寄贈2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より グラーツ 19831983(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント作者寄贈2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より ウィーン 19831983(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント作者寄贈2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より ウィーン 19831983(1997 print)ゼラチン・シルバー・プリント作者寄贈2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より 東ベルリン 19851985(1997 print)発色現像方式印画作者寄贈2019/08/202019/10/209室 古屋誠一「クリスティーネの肖像」より ヴェネツィア 19851985(1997 print)発色現像方式印画作者寄贈2019/08/202019/10/2010室 下村観山唐茄子畑c.1910紙本彩色購入2019/06/042019/08/1810室●0026土田麦僊湯女(ゆな)1918絹本彩色文化庁管理換2019/06/042019/08/1810室 近藤浩一路鵜飼六題(浴泉)1923紙本墨画近藤清子氏寄贈2019/06/042019/08/1810室 近藤浩一路鵜飼六題(黄昏)1923紙本墨画近藤清子氏寄贈2019/06/042019/08/1810室 近藤浩一路鵜飼六題(夜凉)1923紙本墨画近藤清子氏寄贈2019/06/042019/08/1810室 近藤浩一路鵜飼六題(飛汀)1923紙本墨画作者寄贈2019/06/042019/08/1810室 近藤浩一路鵜飼六題(深潭)1923紙本墨画作者寄贈2019/06/042019/08/1810室 近藤浩一路鵜飼六題(残燋)1923紙本墨画近藤清子氏寄贈2019/06/042019/08/1810室 速水御舟京の家・奈良の家1927紙本彩色購入2019/06/042019/08/1810室 安田靫彦居醒泉1928絹本彩色寄託2019/06/042019/08/1810室 北野恒富戯れ1929絹本彩色購入2019/06/042019/08/1810室 三谷十糸子夕1934絹本彩色文部省管理換2019/06/042019/08/1810室 中村岳陵豊幡雲1936紙本彩色購入2019/06/042019/08/1810室 菊池契月麦挋(むぎふるい)1937絹本彩色菊池一雄氏寄贈2019/06/042019/08/1810室 河合健二霧雨1947絹本彩色文部省管理換2019/06/042019/08/1810室 中村貞以爽凉1956絹本彩色購入2019/06/042019/08/1810室 0073徳岡神泉仔鹿1961紙本彩色徳岡房子氏寄贈2019/06/042019/08/1810室 0018土田麦僊島の女1912絹本彩色文部省管理換2019/08/202019/10/2010室 川端龍子盗心1923絹本墨画鈴木光氏寄贈2019/08/202019/10/2010室 0047川端龍子草炎1930絹本彩色文化庁管理換2019/08/202019/10/2010室 横山大観夕顔1929絹本墨画淡彩寄託2019/08/202019/10/2010室 速水御舟白百合1931紙本彩色長崎次郎氏遺贈2019/08/202019/10/2010室 速水御舟暁に開く花1934紙本彩色文化庁管理換2019/08/202019/10/2010室 伊東深水露1931紙本彩色並木宗七氏寄贈2019/08/202019/10/2010室 小林古径唐蜀黍(とうもろこし)1939紙本彩色購入2019/08/202019/10/2010室 吉岡堅二柿1948紙本彩色作者寄贈2019/08/202019/10/2010室 山口蓬春秋1961紙本彩色作者寄贈2019/08/202019/10/2010室 杉山寧穹1964麻布彩色購入2019/08/202019/10/2010室 髙山辰雄穹1964紙本彩色購入2019/08/202019/10/2010室 山口華楊飛火野1965紙本彩色文化庁管理換2019/08/202019/10/2010室 森田曠平虫合せ1966紙本彩色文化庁管理換2019/08/202019/10/2010室 東山魁夷月篁(げっこう)1967紙本彩色作者寄贈2019/08/202019/10/2010室 中村貞以香を聞く1968紙本彩色文化庁管理換2019/08/202019/10/2010室 荘司福土1982紙本彩色作者寄贈2019/08/202019/10/203F、EVホール 毛利武士郎作品1956ブロンズ購入2019/06/042019/10/203F、EVホール 柳原義達風の中の鴉1982ブロンズ購入2019/06/042019/10/2011室 今村紫紅絵巻物模写 伴大納言絵巻(其一)c.1899紙本彩色購入2019/06/042019/08/1811室 今村紫紅絵巻物模写 伴大納言絵巻(其二)c.1899紙本彩色購入2019/06/042019/08/1811室 前田青邨神代之巻1924紙本墨画東京国立博物館管理換2019/06/042019/08/1811室 今村紫紅絵巻物模写 春日権現記(其一)年代不詳紙本彩色購入2019/08/202019/10/2011室 0011菱田春草四季山水1910絹本彩色購入2019/08/202019/10/2011室 0045川端龍子角突之巻(越後二十村行事)1922紙本彩色購入2019/08/202019/10/2011室 岡崎和郎ドクロ1962メディウム・キャンバス寄託2019/06/042019/10/2011室 岡崎和郎位相的手袋1965ポリエステル樹脂寄託2019/06/042019/10/2011室 岡崎和郎足袋1965ポリエステル樹脂寄託2019/06/042019/10/2011室 横山裕一アウトドアー2008-09インク・紙購入2019/06/042019/10/2011室 伊藤義彦葬列772002ゼラチン・シルバー・プリント、膠購入2019/06/042019/08/1811室 伊藤義彦公園−III1999-2000ゼラチン・シルバー・プリント、膠作者寄贈2019/06/042019/08/1811室 伊藤義彦回廊2000ゼラチン・シルバー・プリント、膠購入2019/08/202019/10/2011室 伊藤義彦歩趨−II1999ゼラチン・シルバー・プリント、膠作者寄贈2019/08/202019/10/2012室 吉川静子色影1979ラッカー、アクリリック・ポリエステル吉川静子・ヨーゼフ・ミュラー=ブロックマン財団寄贈2019/06/042019/10/2012室 大竹伸朗網膜(ワイヤー・ホライズン、タンジェ)1990-93油彩、オイルスティック、ウレタン塗料、樹脂、紙、その他・木製パネル購入2019/06/042019/10/2012室 小林正人Unnamed #71997油彩、キャンバス、木購入2019/06/042019/10/2012室 杉戸洋the secret tower1998アクリリック、顔料・紙購入2019/06/042019/10/2012室 石川順惠Impermanence 青女2014アクリリック・キャンバス購入2019/06/042019/10/2012室 ダニエル・ビュレンフレームの中のフレームの中のフレーム No.43 ミドリ1988カッティングシート、ガラス購入2019/06/042019/10/2012室 デイヴィッド・スミスサークル IV1962鉄、彩色購入2019/06/042019/10/2012室 アンソニー・カロラップ1969スティールに彩色購入2019/06/042019/10/2012室 髙柳恵里ポケットガーゼ1998布(ガーゼハンカチ)一杉徹氏寄贈2019/06/042019/10/2012室 髙柳恵里Tシャツのたたみ方2000布(Tシャツ)一杉徹氏寄贈2019/06/042019/10/2012室 髙柳恵里ブックホルダー(単行本サイズ)2000アルミニウム購入2019/06/042019/10/2012室 松谷武判オブジェのK1976シルクスクリーン購入2019/06/042019/10/2012室 髙柳恵里側面あるいは正面(蓼科山)2011発色現像方式印画(2点組)購入2019/06/042019/10/2012室 春木麻衣子outer portrait (1)2009発色現像方式印画黒田賢三氏寄贈2019/06/042019/10/2012室 春木麻衣子outer portrait (2)2009発色現像方式印画黒田賢三氏寄贈2019/06/042019/10/2012室 春木麻衣子outer portrait (3)2009発色現像方式印画黒田賢三氏寄贈2019/06/042019/10/2012室 春木麻衣子outer portrait (4)2009発色現像方式印画黒田賢三氏寄贈2019/06/042019/10/202F、EVホール 田中功起一つのプロジェクト、七つの箱と行為、美術館にて2012HDヴィデオ カラー サウンド 13分33秒、段ボール、椅子他購入2019/06/042019/10/202F、EVホール 0090アントニー・ゴームリー反映/思索2001鋳鉄購入2019/06/042019/10/20本館2F ジュリアン・オピー「日本八景」より 国道百三十六号線から見る雨の松崎港2007映像インスタレーション(液晶モニター2台、コンピューター)購入2019/06/042019/10/20本館2F ジュリアン・オピー「日本八景」より 真鶴半島の上の月2007映像インスタレーション(液晶モニター2台、コンピューター)購入2019/06/042019/10/20本館2F ジュリアン・オピー「日本八景」より 国道三百号線からみる本栖湖の富士山2007映像インスタレーション(液晶モニター1台、コンピューター)購入2019/06/042019/10/202Fテラス 0084イサム・ノグチ門1969鋼鉄、彩色購入2019/06/042019/10/20本館前庭 多田美波Chiaroscuro1979ステンレススチール、硬質ガラス購入2019/06/042019/10/20本館屋外 マリノ・マリーニあるイメージの構想1969-70ブロンズ文化庁管理換2019/06/042019/10/20本館屋外 木村賢太郎七つの祈り1969石購入2019/06/042019/10/20 今会期に展示される重要文化財指定作品 ■今会期に展示される重要文化財指定作品は以下の通りです。 原田直次郎 《騎龍観音》(1890年) 寄託作品(護國寺蔵)和田三造《南風》(1907年)土田麦僊《湯女(ゆな)》(1918年)*2019年6月4日-8月18日 展示中村彝《エロシェンコ氏の像》(1920年) 展覧会構成 4F 1室 ハイライト2-5室 1900s-1940s 明治の終わりから昭和のはじめまで 「眺めのよい部屋」 美術館の最上階に位置する休憩スペースには、椅子デザインの名品にかぞえられるベルトイア・チェアを設置しています。明るい窓辺で、ぜひゆったりとおくつろぎください。大きな窓からは、皇居の緑や丸の内のビル群のパノラマ・ビューをお楽しみいただけます。 「情報コーナー」 MOMATの刊行物や所蔵作品検索システムをご利用いただけます。 1室 ハイライト 靉光《眼のある風景》1938年 3,000m²に200点以上が並ぶ、所蔵作品展「MOMATコレクション」。その冒頭を飾るのは、重要文化財を含むコレクションの精華をご覧いただく「ハイライト」です。2012(平成24)年の所蔵品ギャラリーのリニューアルを機に新設したコーナーで、壁は作品を美しく際立たせる濃紺、床はガラスケースの映り込みを少なくするために、艶消しの黒を選んでいます。今回、日本画は、会期の前半(6月4日-8月18日)に、平家物語の一節を描いた菊池契月《供燈》などを紹介します。また、後半(8月20日-10月20日)には、季節の移り変わりを描いた下村観山《木の間の秋》と加山又造《天の川》が登場します。洋画は、重要文化財の原田直次郎《騎龍観音》、中村彜《エロシェンコ氏の像》をはじめ、他館や海外への貸し出しから戻ってきた藤田嗣治《五人の裸婦》、長谷川利行《岸田国士像》などが並びます。アンリ・ルソーやパウル・クレーなど、日本に影響を与えたヨーロッパの作品もあわせてお楽しみください。 2室 始まりの前 和田三造《南風》1907年 重要文化財 明治政府が発足して以降、文化の面でもさまざまな概念や制度が西洋にならって整備されました。西洋由来の油彩画に「洋画」の名を与え、対して古来育まれた伝統的な手法による絵画全般を「日本画」と一括りにしたのもこの時代のことです。このジャンル分けは、1907(明治40)年に「洋画」「日本画」「彫刻」の3部門を対象とする官設の文部省美術展覧会(文展)が開設されるに至り、制度の上でも明確化されました。この文展開設を日本の近代美術の始まりとする考え方があります。けれども文展以前に制作された絵画や彫刻は当然存在しますし、当館にも収蔵されています。この部屋は、文展出品作の洋画と日本画一点ずつを除いて、文展以前に制作された作品で構成されています。「始まり」の前に少し気を留めてから、「MOMATコレクション」の鑑賞をお楽しみください(ちなみに文展に工芸が加わるのは1927年を待たねばなりません。今回の「MOMATコレクション」には工芸作品も展示されているので、美術と工芸の関係についても注目してみてください)。 3室 『白樺』 ポール・セザンヌ 《大きな花束》1892-95年頃 大正期、日本の美術において大きな影響力をもった『白樺』という雑誌があります。『白樺』は武者小路実篤、志賀直哉、有島生馬、柳宗悦らによって1910(明治43)年に創刊された文芸雑誌です(関東大震災による廃刊まで計160号刊行)。彼らは大正デモクラシーの空気を背景にした個人主義、生命賛美といった思想を基盤に、文学のみならず美術、音楽、演劇、哲学など多方面へ活動を展開させました。『白樺』誌上では毎号、海外の美術作品(セザンヌやロダン、ファン・ゴッホなど)の図版が掲載され、若き画家たちに大きな衝撃を与えました。また西洋の美術の展覧会や、岸田劉生や梅原龍三郎などの個展を積極的に主催してもいます。さらには、実現にはいたらなかったものの、理想の美術館「白樺美術館」の建設を夢みて、実際に作品のコレクションを進めるという画期的な取り組みも行っています(集めた作品には、「白樺美術館」のために実業家山本顧彌太が購入し、第二次世界大戦の際に惜しくも焼失したファン・ゴッホの代表作《ひまわり》なども含まれていました)。 4室 『濹東綺譚』 木村荘八《永井荷風著『濹東綺譚』挿絵8》 1937年(展示期間:6月4日-8月18日) 東京郊外の遊里、玉の井に遊ぶ初老の小説家、大江匡。雨の中、大江の傘に飛び込んできた私娼、お雪。二人は関係を深めるが、やがて大江は姿を消す―。永井荷風の『濹東綺譚』は、1937(昭和12)年4月から6月まで、ここにご紹介する木村荘八の挿絵付きで、東京および大阪の『朝日新聞』に連載され、木村の挿絵の人気とあいまって、荷風の代表作となります。濹(墨)東とは墨田川の東岸にあたる地域で、現在の東京都墨田区一帯を指します。この濹東の玉の井(旧名を寺島町)は、かつて銘酒屋が集まる場所でした。銘酒屋とは、表向きは良質な酒を売る飲み屋の看板を掲げながら、ひそかに私娼を抱えて売春した店のことです。もともと浅草にあった銘酒屋街ですが、1918(大正7)年頃から23年の関東大震災の後にかけて、玉ノ井駅(現在の東武伊勢崎線東向島駅)付近に移転してきます。玉の井の銘酒屋街は、戦前・戦中とたいへん繁盛しますが、1945(昭和20)年の東京大空襲でほぼ消失してしまい、現在は往時の面影はありません。 5室 1920-30年代の美術―モダニズム、都市化の光と影 陽咸二《或る休職将軍の顔》1929年 第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけての戦間期、おおよそ1920-30年代のヨーロッパでは、自然の写実的再現といった旧来の枠組みにとらわれず、ときに大きな破壊と創造を伴い、自由な発想と美術家の個性が結びついた様々な美術が開花しました。線や面などの造形的な要素に還元し、形態の解体と再構築を見せる抽象美術などの同時代の動向は、日本にも次々と紹介され、大きな影響を与えました。加えて、1918(大正7)年の第一次世界大戦終結以降、日本の美術家たちが渡欧し、ヨーロッパの美術動向に直に触れる機会をもったことで、日本でも一気に表現の多様化が促されました。しかしこの時代は、都市化や工業化が階級や貧富の差を生み、都市と農村の社会的な格差が拡がった時代でもあります。美術家たちは矛盾や問題をはらんだ社会へ批判的な眼差しを向け、寂れた街角や貧しい人々なども主題にしました。生活のために渡米して美術を志した国吉康雄や野田英夫の作品にも、世界恐慌(1929年)前後のアメリカ社会の反映が見られます。 3F 6-8室 1940年代-1960年代 昭和のはじめから中ごろまで9室 写真・映像10室 日本画建物を思う部屋 6室 1941–1945|戦争/美術 松本竣介《Y市の橋》1943年 1937(昭和12)年に日中戦争が始まり、翌38年に国家総動員法が施行されると、国民は戦争への協力を迫られていきます。美術家もまた例外でなく、多くの画家が戦地に派遣されて戦争記録画を制作します。また自由で前衛的な表現への弾圧も行われ、展覧会の禁止や美術団体の解散といった事態に至ります。この部屋に並ぶ作品は、戦況が厳しさを増していく1941(昭和16)年(真珠湾攻撃)から45年(第二次世界大戦終結)の間に制作されたものです。戦争と美術の直接的な関係を分かりやすく伝えているように見えるのは戦争記録画です。また、それまでのスタイルを揺るぎなく継続させ、戦争の影響がほぼないかに見える作品、戦争への違和を間接的に示しているように見える作品もあります。この時代の表現を戦争か美術か、あるいは戦争協力か戦争反対かという二者択一の図式で整理するのはおそらく適当ではありません。どの作品にも戦争と美術とが含まれており、鑑賞において、その二つの要素を同時に見なければいけないという困難がここにはあります。 7室 1950s-1960s 「土」のなかに「日本」はあった? 1950年代の美術には、埴輪や土偶といった考古遺物―「土から出てきた」ような形の作品が多く登場します。戦後は1950年のイサム・ノグチの来日や翌年のピカソ展の開催をはじめ、西洋との直接的な交流が再開されました。1954年の「現代の眼―日本美術史から」展は、西洋のモダニズムと日本の古美術の形態上の類似点を足がかりに、「東と西」・「昔と今」をいかに接続するかという試みでした。日本の出土遺物がもつ「素朴」で「簡明」であり「大胆」な造形は抽象芸術に通ずる、と多くの美術家が述べています。イサム・ノグチや岡本太郎が「原始の美」を発見し、「資料」であった出土遺物が美的なものとして語られるようになった、という物語はよく知られるところでしょう。それはまた日本が敗戦で焼け野原となり、その復興のためにあらゆる場所が発掘現場になったという状況とも重なっています。GHQ占領下、皇国史観に基づいた建国神話による歴史記述が検閲の対象になる一方で、新たに脚光を浴びたのが、遺跡の実証的な発掘でした。 8室 1950s-1960s 掘り起こしたあとに、何が建ったか 戦後の古代ブームは、道路や宅地の開発とも大きく関わっています。1964(昭和39)年の東京五輪開催に向けて、新幹線や首都高速といった都市のインフラ整備の需要が各地での遺跡発掘を急速に推し進めました。古代への情熱と経済成長、発掘と破壊。一見矛盾するように見えるこれらの事柄は、表裏一体の関係にありました。1950年代後半から1960年代にかけて「日本的なるもの」や「伝統」への探求が盛んに行われたのも、自国のアイデンティティー再生という内発的な動機のみでは語ることができない、複合的な動機を含むものでした。1950年に定められた「国土総合開発法」は自立経済を築くために国土と資源の利用を進めるもので、「観光道路の整備」もその重要な柱でした。日本経済は、長期にわたる戦争によって貯えを失っていました。各地の遺跡が整備・復原され、観光地となっていったのは、外貨獲得のための貴重な観光資源でもあったからでした。日本各地の道路が土からアスファルトへと変貌を遂げたこの時代、美術家たちの作品には「失われゆく土への愛着」と「新しい風景への驚嘆」がしばしば同時にあらわれます。 9室(1) 並べられた時間 ― 伊藤義彦の仕事(展示期間:6月4日-8月18日) フィルムを印画紙上に置き、フィルムサイズそのままの画像をプリントしたものを、コンタクトプリントといいます。大判フィルムの場合、それでも十分見応えのある作品となり得ますが、イメージサイズの小さい35mmフィルムでコンタクトプリントを作成するのは、普通はどのコマを引伸ばすべきか検討するためです。しかし伊藤義彦は、35mmフィルム一本分を撮影順に並べて焼き付けたコンタクトプリントそれ自体を、最終的な作品としています。順番に撮影された画像がグリッド状に一つの画面に並ぶことで、各コマには、たて、よこ、斜めと、新たな関係が生じています。連続撮影した画像を連続して映写することで、時間を再生しているのが動画だとすると、伊藤の仕事は、それとはまったく異なる時間へのアプローチを試みている、とも考えられます。時間の経過の中で起きるできごとをじっと観察し、それを一つの画面に組み立てるとどう見えるか。2階の11室には、この関心に、コンタクトプリントとは異なる方法でとりくんだ作品を展示しています。 9室(2) 古屋誠一 「クリスティーネの肖像」(展示期間:8月20日-10月20日) 古屋誠一の「クリスティーネの肖像」は、妻である一人の女性をめぐる作品です。二人が出会い、結婚した1978年に始まり、折々に撮影が重ねられていきました。しかし妻クリスティーネは85年に東ベルリンで自ら命を絶ち、その作業は中断します。演劇を学んでいたこともあってか、クリスティーネは写真の中で、驚くほど変化に富んだ表情を見せています。一方で82年頃から精神を病んだことは、その存在に深く影を落とし、その後に来る悲劇の予兆のようなものを感じさせます。妻の死の数年後から、古屋は残された写真と向き合い、「メモワール」と題する写真集を作り続けます。最初の出版は89年。集大成と位置づけられた5冊目は2010年に刊行されました。約20年にわたり、そのたびに異なるかたちで写真集を編むことは、表題通り、記憶をめぐる営みでした。記憶がつねに現在から想起され、変化するものであるように、写真もまた時間の経過とともにその意味は変容します。古屋の営為は、妻の記憶をたどり直すと同時に、そのたびに未知の存在と出会うような作業だったのかもしれません。 10室 自然と季節と日本画 今回この部屋では、会期の前半(6月4日-8月18日)と後半(8月20日-10月20日)で作品を入れ替えながら、初夏から秋にかけての季節感が感じられる作品を選んでいます。さて、多くの日本人が名前を知っている日本画家、横山大観は、1931(昭和6)年にこんなことを言っています。「芸術に於ける作品の対象は自然と人生であって、春夏秋冬とか月雪花とか若しくは喜怒哀楽の外何物も無いのでございます、これは千古変らないのであります」。人物を描いたら衣装によって季節感を表し、花や色づいた木々を描き、季節の風物詩を題材とする。そんな事例を見れば、この言葉は日本画家全員を代表するもののように感じられるかもしれません。ただし、近代にはここに選ばれていない多くの作品があることも忘れるわけにはいきません。若い頃の大観が日本画になじみのない主題に取り組んだり、戦後の若手画家が伝統的価値観を放棄したりして、日本画の領域を広げてきたのです。季節の表現は日本画に当然のものではなく、個人が選び、あるいは時代が要請したものだと意識すれば、なにか違ったものが見えてくるかもしれません。 3F建物を思う部屋 1969年6月11日 当館は1952年、現在国立映画アーカイブが立つ中央区京橋の地に開館しました。当初の建物は、戦前、日活本社として建てられたビルを改装したものであり、展示や収蔵のスペースは十分とは言えず、とくにコレクションを常設展示する展示室がないことは、当館にとっての大きな課題でした。それを解消する、竹橋・北の丸公園への新築移転が実現したのは69年のことです。谷口吉郎の設計による新館は、当時ブリヂストンタイヤ株式会社会長であった石橋正二郎氏より寄贈されたものでした。竹橋新館が開館したのは69年6月11日。今期のMOMATコレクション会期中に50周年を迎えるにあたり、当時の資料を紹介します。なお、69年に竣工した建物は、99年から2年にわたる耐震化と増築を兼ねたリニューアル工事を経て、現在に至っています。 2F 11–12室 1970s-2010s 昭和の終わりから今日まで *ギャラリー4(13室) コレクションによる小企画「解放され行く人間性 女性アーティストによる作品を中心に」 11室 動くか? 動かないか? 菱田春草《四季山水》 1910年 (展示期間:8月20日-10月20日) 連続撮影した静止画を連続して映写すると動画になります。静止画(コマ)の数が多ければなめらかな動きになり、少なければぎこちない。それがだいぶ少なくなって対象がとびとびに表れる場合でも、見る人は頭で補って、対象は動いているんだなと理解します。絵巻の「異時同図」とは言ってみればそんなようなことです(もはや動画ではありませんが)。絵巻では、光景それ自体が動いているように見えることもあります。とくに、絵巻の本来の鑑賞方法にしたがって、絵巻を手に取り、左手で繰り出し、右手で巻き取りながら連続的に鑑賞すると、すぐれた絵巻ほどすぐれた映画のカメラワークのような妙味を味わうことができます。動かないものを動くように見せる、その仕掛けは漫画でも発展を遂げています。この部屋では、以上のようなことを考えることができる作品を選びました。1階で7月2日から10月6日まで回顧展を開催する高畑勲に、『十二世紀のアニメーション―国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの―』と題した著作があることにちなんだ特集です。 12室 え、なにこれ? 今日のアートでは常識を疑うことが大切とされていて、そうした姿勢が、ビジネス界で注目されたりもしています。しかしここ日本では、柔道や茶道などがあるからでしょう、「道」を究めるのがよしとされるので、「絵画とはなにか?」とか「私とはなにか?」と追求することが大事とされがちです。「現代美術は難しい」となる理由のひとつはここにあると言ってよいでしょう。でももちろん、そうした作品だけではないのです。そこでここでは、「絵画と彫刻をミックスしたらどうなるだろう」とか「日本画のよいところを油画にあてはめてみよう」といったような、柔軟な発想から出発している作品を集めてみました。そうしてできあがったものは、「え、なにこれ?」と思ってしまうものになっているかもしれません。でも、それらは、アートの約束事から自由になっているがために、むしろ私たちの生活で見ることのできるなにかに、より近い存在になっているのではないでしょうか。 イベント MOMATガイドスタッフによるフライデー・ナイトトーク MOMATサマーフェス期間中の金曜日には、「フライデー・ナイトトーク」を実施します。ギャラリーチェアを使い、約30分かけて1作品をじっくり鑑賞するスタイルです。仕事帰りにもプレミアムフライデーにもお気軽にご参加いただけます。 ※参加ご希望の方は、下記にて集合場所をご確認ください。※参加費無料、要観覧券。※集合場所やトーク作品は随時更新いたします。 7月19日 19:00~19:25 ※終了しました。 土田麦僊《湯女》 3階10室 7月19日 19:30~19:55 ※終了しました。 ポール・セザンヌ《大きな花束》 4階3室 7月26日 19:00~19:25 ※終了しました。 靉光《眼のある風景》 4階1室 7月26日 19:30~19:55 ※終了しました。 大竹伸朗《網膜(ワイヤー・ホライズン、タンジェ)》 2階12室 8月2日 19:00~19:25 ※終了しました。 小林正人《Unnamed #7》 2階12室 8月2日 19:30~19:55 ※終了しました。 春木麻衣子《outer portrait》 2階12室 8月9日 19:00~19:25 ※終了しました。 間所紗織《女(I)》《女(B)》 2階ギャラリー4 8月9日 19:30~19:55 ※終了しました。 和田三造《南風》 4階2室 8月16日 19:00~19:25 ※終了しました。 小林正人《Unnamed #7》 2階12室 8月16日 19:30~19:55 ※終了しました。 塩田千春《Bathroom》 2階ギャラリー4 8月23日 19:00~19:25 ※終了しました。 イケムラレイコ《横たわる少女》 2階ギャラリー4 8月23日 19:30~19:55 ※終了しました。 萬鉄五郎《裸婦(ほお杖の人)》 4階1室 8月30日 19:00~19:25 ※終了しました。 和田三造《南風》 4階2室 8月30日 19:30~19:55 ※終了しました。 原田直次郎《騎龍観音》 4階1室 MOMATガイドスタッフによる所蔵品ガイド 休館日を除く毎日 2019年6月4日(火)~10月20日(日) 14:00-15:00 所蔵品ギャラリー(1Fエントランス集合) ※イベント開催日には中止する場合や、時間を変更する場合があります。※10月5日(土)、6日(日)の所蔵品ガイドは中止となります。ご了承ください。※10月12日(土)、13日(日)の所蔵品ガイドは、台風のため中止となります。ご了承ください。 所蔵品ギャラリーでは毎日、作品解説が行われています。当館のボランティア「MOMATガイドスタッフ」が、参加者のみなさまと会場をまわり、数点の作品を一緒に鑑賞しながら、作品についての理解を深められるようにお手伝いします。作品とテーマは、ガイド前に1階エントランスに掲示されます。約40名のガイドスタッフそれぞれ、作品とテーマが異なりますので、何度参加されてもお楽しみいただけます。 *「MOMATガイドスタッフ」のページもあわせてご覧ください。*「教育普及レポート」でも様子を写真付きで詳しく紹介しています。 MOMATガイドスタッフによるハイライト・ツアー 2019年7月7日(日)8月4日(日)9月1日(日) 11:00-12:00 所蔵品ギャラリー(4Fエレベーター前集合) 近代日本の美術の流れをたどりつつ、所蔵作品展「MOMATコレクション」の見どころを押さえたい方に。MOMATガイドスタッフが、参加者の皆様とともに4階から2階までをまわり、代表的な所蔵作品を、やさしく解説します。 キュレーター・トーク 「並べられた時間:伊藤義彦の作品を見る」 6月8日(土) 増田玲 14:00-15:00 3階エレベーターホール 「「土」のなかに「日本」はあった?」 7月12日(金) 花井久穂 18:00-19:00 3階7室入口付近 「女性を描くということ」 7月21日(日) 中村麗子 11:00-12:00 4階エレベーターホール 「いつどこでなにが解放されたのか?」 8月24日(土) 保坂健二朗 14:00-15:00 2階エレベーターホール 「秋の気配を」 9月14日(土) 鶴見香織 18:00-19:00 4階エレベーター前 「1920-30年代の洋画」 10月13日(日)→台風19号の影響により、中止いたします。 都築千重子 11:00-12:00 4階エレベーター前 開催概要 東京国立近代美術館本館所蔵品ギャラリー(4F-2F) 2019年6月4日(火)~ 10月20日(日) 10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00)※入館は閉館30分前まで7月2日-10月6日の金曜・土曜は、21:00まで(入館は閉館30分前まで) 月曜日[ただし7月15日、8月12日、9月16日、9月23日、10月14日は開館]、7月16日(火)、8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)【台風19号の影響により、10月12日(土)、13日(日)は臨時休館いたします。】 一般 500円 (400円)大学生 250円 (200円) 一般 300円大学生 150円※7月19日-10月6日17時以降は、大学生無料※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。※高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料※17時以降の入館は「MOMATコレクション」観覧料が一般300円、大学生150円になります。(ただし7月19日-10月6日17時以降は、大学生無料)※お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。※キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。※「友の会MOMATサポーターズ」、「賛助会MOMATメンバーズ」会員の方は、会員証のご提示でご観覧いただけます。 ※「MOMAT支援サークル」のパートナー企業の皆様は、社員証のご提示でご観覧いただけます。(同伴者1名迄。シルバー会員は本人のみ)※本展の観覧料で、入館当日に限り、工芸館 所蔵作品展「デザインの(居)場所」(6月4日-6月30日)、「みた?―こどもからの挑戦状」(7月13日-9月1日)もご観覧いただけます。 毎月第一日曜日(7月7日、8月4日、9月1日、10月6日)*所蔵作品展 「MOMATコレクション」のみ 東京国立近代美術館
