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ドイツ陶芸の100年:アール・ヌーヴォーから現代作家まで

展覧会概要 ドイツはヨーロッパのなかでも、イギリスやイタリアとならんで、陶芸の最もさかんな国のひとつです。ライン器(せっき)やマイセンなど、古くから製陶業のさかんな国としての歴史があります。またドイツの工芸は、マイスター制度によってつちかわれ、受け継がれてきた、質実で手堅いものづくりの伝統をほこり、機能性と完成度の高さにおいてゆるぎない信頼を得ています。 19世紀末から今世紀初頭にかけてドイツで花開いたユーゲントシュティール(アール・ヌーヴォー)の頃、日本からは茶陶など多彩な釉薬がかかったやきものがもたらされ、釉薬の研究がさかんになり、創作活動としての陶芸がはじまります。また、20世紀デザインをリードしたバウハウスには陶器工房が設置され、1930年代ごろからは個人作家としての陶芸家があらわれます。 そして近年では、ドイツの陶芸においても、美術などと共通の問題意識をもつ陶芸家が活発な制作を行い、陶芸の素材や技法によりながらも、伝統や従来の枠組にとらわれることない自由な造形活動が展開されています。ドイツ固有の伝統は希薄になり、作家個々のきわめて強い表現の作品が多く見られるようになっていますが、その根底には、ドイツのものづくりの精神とドイツ固有の美意識が流れていることを看取できることでしょう。この展覧会が、日本の美術・工芸関係者のみならず、ひろく一般の方々の関心を集めるものと確信しております。 この展覧会は、約70名のデザイナー・陶芸家による約190点の作品により、20世紀のドイツ陶芸の流れと現状を総体的に展望するものです。旧東西両ドイツの作品を一望するはじめての機会でもあり、当館で開催の後、日本国内を巡回し、ドイツでも帰国展が予定されています。 展覧会構成 展覧会は大きく二つの部門で構成されます。第一部では、1900年から1970年頃までのあゆみを歴史的にたどります。そして、第二部では、1970年頃以降のドイツにおける現代陶芸の状況を展望します。 第1部 1900~1970 (1)ユーゲントシュティール(アール・ヌーヴォー)/(2)民間製陶業/(3)1920年代(バウ ハウスほか)/(4)近代の指導的作家 第2部 1970~2000 (1)かたち/(2)釉/(3)絵画と装飾/(4)土の質感/(5)ひとのかたち/(6)インスタレーション イベント情報 (1)シンポジウム 「現代の陶芸-ドイツと日本-」(仮題) 平成12年12月2日(土) 午後2時~ 東京国立近代美術館フィルムセンター(京橋分館) 地下1階 小ホール ハインツ・シュピールマン氏及びガビ・ディヴァルト氏ほかを予定 (2)ギャラリー・トーク(担当者による展示室での解説 平成12年12月16日(土)/平成13年 1月13日(土)/平成13年 2月10日(土)午後2時~ 開催概要 2000(平成12)年12月1日(金)~平成13年2月18日(日) 休館日:月曜日(ただし、1月8日(月)と2月12日(月)は開館し翌日を休館)年末年始(12月28日(水)~1月4日(木))午前10時~午後5時(入館は、午後4時30分まで) 東京国立近代美術館工芸館〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園1-1 [ 交通機関 ]地下鉄東西線 |橋駅下車,1b出口より徒歩8分地下鉄東西線,半蔵門線,都営地下鉄新宿線「九段下」駅下車, 2番出口から徒歩12分 [ 問い合わせ先 ]電話03-3272-8600(NTTハローダイヤル)東京国立近代美術館ホームページ http://www.momat.go.jp/ 東京国立近代美術館 ドイツ連邦共和国大使館 在日ダイムラー・クライスラーグループ,ツァイト財団 摘要個人団体一般950円750円高校生・大学生700円450円小・中学生350円200円 1.団体は20名以上2.消費税込み*ただし障者等は無料とする。 190点

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うつわをみる:暮らしに息づく工芸

展覧会概要 現代の工芸は、社会o済の豊かな発展にともない急速に多彩かつ多様となった生活環境や生活意識のなかで、密接な関わりをもって、まさに多様な展開をみせてきました。実際、伝統への認識は様式化しつつあり、また機能的実用性を越えた造形手法とその表現はますます多様な分化がみられるなど、大きな変貌を遂げてきています。そうして個々の造形性や多様化が広範に受け容れられてきた反面で、工芸の本質はとらえ難くなっているのが現状であり、混迷の様相すらうかがわせています。 今回の展覧会は、そうした状況を鑑み、工芸においてもっとも基本的であり身近なうつわを今日の視点で改めて捉えることにより現代の工芸の本質と意義を問おうとするものです。作品の選定は、次のようなことをもとにした。まず実用を本旨とするうつわであること、伝統工芸や民藝、クラフト、あるいは創作を指向するといったいろいろな現代工芸の範疇のなかで各素材や技法、造形表現などで常に新しい試みを提案しようとしている作品であること、そして現代のさまざまな生活空間のなかでその機能的形態が特色をもった作品であることなどです。具体的には、食に供されるさまざまなうつわと、箱などの収納の具や花器、香炉などの生活空間を彩るうつわを含みます。 以上のような観点から、陶芸やガラス、漆芸、金工、木竹工の各分野から優れたうつわを選択し、約160点を出品する予定です。 ■ 出品作家:38名 陶芸- 伊藤慶二、内田鋼一、金重晃介、七代清水六兵衛、工藤省治、黒田泰蔵、高鶴 元、佐藤 敏、鈴木 蔵、高内秀剛、滝口和男、中里 隆、中村卓夫、藤平 伸、船木研児、宮永東山、宮脇昭彦、山田真萬、山田 光、吉川正道 ガラス- イワタルリ、高橋禎彦、船木倭帆 漆工- 赤木明登、角偉三郎、佐藤阡朗、鈴木睦美、手塚俊明・戸枝恭子、根本曠子、山本英明 金工- 大角幸枝、鈴木盛久、関根正文、畠山耕治、平松保城 木竹工- 有岡良益、宮崎珠太郎、村山 明 ■ 出品予定点数:約160点 イベント情報 ギャラリートーク 2000年10月14日(土)・11月11日(土)午後2時から工芸館会場にて 10月14日の回には、出品作家のなかから3名にご出席いただく予定です。異なった素材や技法を通して、それぞれの「うつわ」に対する考えを伺います。 開催概要 2000年9月30日(土)~ 11月19(日)月曜日休館 10月9日開館、10月10日休館午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) 東京国立近代美術館工芸館〒102-0091東京都千代田区北の丸公園1-1東西線「竹橋駅」下車徒歩8分(1b出口),東西線・半蔵門線・都営新宿線「九段下駅」下車徒歩12分(出口2) 一般:830円(680円)高校生・大学生:450円(330円)小学生・中学生:330円(180円) *消費税込み*( )内は20名以上の団体料金*無料観覧日 11月3日 電話03‐3272‐8600(NTTハローダイヤル)http://www.momat.go.jp/(東京国立近代美術館ホームページ) 東京国立近代美術館

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かたちのちから : 所蔵作品による近代日本の美術と工芸 

展覧会概要 永遠に続くようなくりかえしのイメージ、画面の枠を超えてどこまでものびてゆく感覚、体の芯から沸き上がるような力強い衝動。本展は、作品にいのちを吹き込む「かたちのちから」を、美術と工芸のなかに探ろうとする展覧会です。 いうまでもなく、「かたち」は「色」や「質感」とともに、造形芸術の最も基本的な要素です。私たちは作品のなかにまずかたちを見出し、それをてがかりにその作品の意味を理解し、美を感じているのです。 かたちの現れかたはさまざまです。花や女性の美しい姿を強調するかたちもあれば、何が描かれているかを説明しない抽象的なかたちもあります。また、輪郭として表現される平面作品のかたちと異なり、立体作品のかたちは見る人の視点によってどんどん変化します。工芸作品では、装飾によるかたちと用途に則したかたちが、互いにせめぎあい影響しあうのを見ることができるでしょう。これらのかたちは、配置され組み合わされることによってリズムやパターンを生み、安定感や動きを演出するといった「ちから」を獲得して、作品の表現力を高めているのです。 この展覧会は、子どもを含めた多くの方々が気軽に美術鑑賞に親しむ契機となることを願って、夏休みの時期を選んで企画されました。工芸作品約100点に加えて、休館中の本館から絵画・彫刻作品33点が出品され、<工芸のかたち>、<絵のかたち>、<うまれる/きえゆく>、<あつまる/ひろがる>、<くりかえす>、<のびる・うねる>といったキーワード毎に展示されます。絵画と工芸を見比べ、そこに共通するかたちを見つけていくという体験を通して、ダイナミックな「かたちのちから」を楽しんでいただきたいと思います。 イベント情報 ギャラリートーク(担当研究員による展示室での解説) 8月12日(土)、9月9日(土) 午後2時から約1時間 関連企画 夏休みプログラム「小・中学生のための鑑賞教室」8月2日、9日、16日、23日、30日(8月の毎週水曜日)午前11時と午後2時から各約1時間 開催概要 2000年7月29日(土)─9月17日(日) 午前10時から午後5時(入館は4時30分まで) 月曜日 東京国立近代美術館 東京国立近代美術館工芸館地下鉄東西線「竹橋駅」1b出口より徒歩8分地下鉄東西線・半蔵門線、都営新宿線「九段下駅」2番出口より徒歩12分東京都千代田区北の丸公園1-1 一般:420円(210円)高校・大学生:130円( 70円)小・中学生:70円( 40円)*消費税込み*( )内は20名以上の団体料金、消費税込み 8月2日(水)、6日(日)、12日(土)、16日(水)、26日(土) 9月3日(日)、6日(水)、9日(土)(毎月第1・第3水曜日、第2・第4土曜日) 電話03‐3272‐8600(NTTハローダイヤル)http://www.momat.go.jp/(東京国立近代美術館ホームページ)

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伝統の工芸 : 所蔵作品による

展覧会概要 近代工芸にあっては、「伝統」といってもその内容や意味するところはさまざまで す。一例を挙げれば、久留米絣の伝承的技術も伝統と見做される一方で、やまと絵の 装飾を再現した松田権六の蒔絵も伝統として理解されてきました。この展覧会では近 代工芸のそうした多様な「伝統」を、つぎのように分けてみました。 [I]の意識的「伝統」とは、近代工芸の急速な西洋化に対するアンチテーゼとし て再活用された伝統のことです。[II]の継承的「伝統」とは、失われゆく手仕事や 様式美を守るために保持された伝統のことです。 a) 対外的「伝統」 幕末の開国によって西洋文化と本格的に出会った工芸職人は、自分たちの制作する器物を日本に固有の「伝統」工芸として意識しだし、その装飾や技巧をより増幅して西洋人の異国趣味に訴えかけていきました。 代表的出品作家:駒井音次郎(金工)、鈴木長吉(金工) b) 回帰的「伝統」 関東大震災後の急速に都市化していく生活環境のなかで、工芸の原初に立ち戻ろうとする傾向が生じました。陶磁器でいえば明治の技巧主義を止めて、桃山時代や中国陶磁を再現することであり、金工でいえば青銅器や奈良平安の様式を学び直すことでした。 代表的出品作家:荒川豊蔵(陶磁)、石黒宗麿(陶磁)、香取正彦(金工)、北大路魯山人(陶磁) c) 創作的「伝統」 過去の作品に啓示を受けて、新しい時代の工芸を生みだそうとする傾向です。生活 雑器に造形上の典型を見た民芸運動の図案や、正倉院宝物の文様、やまと絵、琳派を 独自に展開させた装飾、それに伝統技法を同時代の自由な感性のなかで生かした作品 などです。 代表的出品作家:加守田章二(陶磁)、黒田辰秋(漆工)、富本憲吉(陶磁)、松田権六(漆工)、森口華弘(染織) d) 規範的「伝統」 昭和25年に制定された文化財保護法によって、手仕事の保存が本格化しました。現代生活の必需品ではなくても、過去の技術や様式を伝える工芸に、日本の文化的源泉のひとつを認めようとする考えが芽生え、多くの職人的技芸が消失を免れました。 代表的出品作家:小川松民(漆工)、小宮康助(染織)、山田常山(陶磁) e) 様式的「伝統」  今日の工芸展で発表される伝統的作品の多くがこのタイプです。色、形、材料、技法などのひとつひとつは、必ずしも古いままではないのですが、それらを組み合わせる感性のなかに伝統が投影されています。その伝統は、おおむね様式として生き続けています。 代表的出品作家:飯塚琅 斎(竹工)、大場松魚(漆工)、関谷四郎(金工)、高野松山(漆工)、羽田登喜男(染織) イベント情報 ギャラリートーク 2000年6月10日(土)、7月8日(土)午後2時から工芸館会場にて 開催概要 2000年5月20日(土) ~ 7月16日(日)月曜日休館午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) 東京国立近代美術館工芸館〒102-0091東京都千代田区北の丸公園1-1東西線「竹橋駅」下車徒歩8分(1b出口),東西線・半蔵門線・都営新宿線「九段下駅」下車徒歩12分(出口2) 一般:420円(210円)高校生・大学生:130円( 70円)小学生・中学生:70円( 40円)*消費税込み*( )内は20名以上の団体料金*無料観覧日: 5/27(土)、6/4(日)、7(水)、17(土)、21(水)、 7/2(日)、5(水)、8(土) 電話03‐3272‐8600(NTTハローダイヤル)http://www.momat.go.jp/(東京国立近代美術館ホームページ) 東京国立近代美術館

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近代日本の工芸 : 常設展示

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近代日本の工芸 : 常設展示

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見ることと作ること : 所蔵作品による近代日本の美術と工芸

展覧会概要 東京国立近代美術館では、このたび新しい試みとして、本館が所蔵する絵画作品と工芸 館の所蔵品とをあわせて展示します。これは増改築工事のため休館中の本館の所蔵品を活 かして、ふだんは別々に展示されている絵画と工芸とを比較してみようと企画されたもの です。 ふだん私たちは、絵画作品と工芸作品とを、異なる意識をもって鑑賞しているように思 われます。絵を見るとき、多くの人々はそこに描かれているイメージに意識を集中させま す。一方、工芸作品を見るときは、その意匠もさることながら、技術的な「わざ」の巧み さに目をひかれるのではないでしょうか。しかし絵画を成り立たせているのは、そこに何 が描かれているかというイメージの側面ばかりではありません。布や紙などの上に絵具を 用いて作りあげられるという物質的な側面が、描かれるイメージと同じくらいの重要性を 持っているのです。鑑賞する側の人間は、こうした絵画の物質的側面というものを、とも すれば忘れがちです。また逆に、工芸作品を技巧的側面からばかり鑑賞することも、一面 的にすぎるように思われます。このようなふだんは見過ごされがちな点を、絵画と工芸と をあわせて並べてみることで、浮かび上がらせることはできないでしょうか。このたびの 展覧会は「見ることと作ること」と題して、絵画であれば描かれたイメージを「見る」こ とに、工芸であれば手わざの「作る」ことに固定してしまいがちな私たちの鑑賞のあり方 をひとまず自由にして、両者をさまざまな角度から比べてみようとするものです。 展覧会の構成と主な出品作品は次のとおりです。 第1章:生活の彩り 和装の人物を描いた日本画と、着物をあわせて展示します。伝統的な日本画では 季節感の表現が重要視されますが、そこで描かれている人物の衣装は、季節を表 すために「作られ」ているのだと考えることができます。 第2章:暮らしの詩情 田園の懐かしい風景や古き良き時代の生活を回顧する絵画と工芸品を、併せて 展示します。社会の近代化が進むなかで、絵画と工芸は失われゆく情景に、それぞ れなにを見ていたのでしょうか。 第3章:切り取られた自然 自然から抽象的な形態を見出した絵画や、自然から意匠をとった工芸を展示し、 装飾の持つ意味を考えます。 第4章:見えないものとの対話 油彩画を中心に展示します。絵画を見る際に私たちが直接目にしているのは絵 画の表面ですが、私たちはその向こう側にある作者の世界を見ようとします。作 品を見る私たちと、作品の向こう側にあるものの境界の役割を果たす「表面」に ついて、ここでは注目します。 第5章:卓上の小宇宙 静物画と、掌中におさまるような工芸をあわせて並べ、私たちが私たちを取り巻 く自然に対して、どのような距離の意識をもって触れているかを考えます。 イベント情報 ギャラリートーク(担当研究員による展示室での解説) 12月11日(土)、1月8日(土) 午後2時から3時 開催概要 1999年11月27日(土)─ 2000年1月23日(日) 月曜日、ただし1月10日(月)は開館、1月11日(火)は休館、12月27日~1月4日 午前10時から午後5時(入館は4時30分まで) 東京国立近代美術館 東京国立近代美術館工芸館地下鉄東西線「竹橋駅」1b出口より徒歩8分地下鉄東西線・半蔵門線、都営新宿線「九段下駅」2番出口より徒歩12分東京都千代田区北の丸公園1-1 一般:420円(210円)高校・大学生:130円( 70円)小・中学生:70円( 40円)*( )内は20名以上の団体料金、消費税込み 毎月第1・第3水曜日、第2・第4土曜日、第1日曜日 電話03‐3272‐8600(NTTハローダイヤル)http://www.momat.go.jp/(東京国立近代美術館ホームページ)

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加藤土師萌展:近代陶芸の精華

陶芸家加藤土師萌(1900‒68)は、岐阜県陶磁器試験場の技師として窯業技術や図案の研究に従事するかたわら、大正末年から作家活動を展開し、戦後は色絵磁器の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。加藤は中国や日本の古陶磁の技法を幅広く習得したが、なかでも、中国明代の萌釉金襴手、釉裏金彩、黄地虹彩などの高度な技法を解明したことで高く評価された。その生涯の歩みを130点の作品で回顧した。 開催概要 東京国立近代美術館工芸館 1999年9月25日‒11月14日(44日間) 5,827人(1日平均132人) 29.0×22.5cm (132) p. 加藤土師萌 / 木田拓也 [スポットライト]加藤土師萌展 様々な技法で光る才能 / (生) 朝日新聞(夕刊名古屋版) 1999年10月7日 [アートレビュー 陶芸]瀬戸、多治見で育まれた 加藤土師萌の世界 / 唐澤昌宏 中日新聞(夕) 1999年10月23日 [Arts weekend] Reviving lost traditions / Miki Takashima, The Daily Yomiuri, September 30, 1999 130点 木田拓也

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工芸オブジェの系譜

概要 ここでいうオブジェとは、工芸の伝統的素材や技法を使ってつくられる、 用途をもたない造形作品のことです。 彫刻でも置物でもないオブジェの制作は、 もちろん工芸分野や日本にかぎった現象ではありませんが、 茶碗、漆盆、青銅花瓶などの器物づくりから作家活動に入った工芸家が、 あるいは、器物づくりを続けている工芸家が、 オブジェの制作にも挑戦しているのは日本的な光景です。 工芸のオブジェにも、大別するとこれまでのところ三種類あります。 ひとつは、昭和初期にアール・デコ彫刻から学んだ幾何形態をアレンジした作品。 もうひとつは、戦後、日展を中心にして発表されだした、 花瓶や箱などの実用器物を不定形にゆがめた作品。 そして最後は、走泥社などの前衛的工芸団体や個人作家が切り拓いた、 主観的表現のつよい抽象的フォルムの作品です。 工芸家は、なぜ、用途のない作品を作りはじめたのでしょうか。 これまでのところ、オブジェをつくりはじめた工芸家の衝動に共通していたのは、 作品に使われる素材や技法それ自体を作品の見所にしようとすることでした。 工芸品を実用の束縛から解放させることで、 工芸家は用途の影に隠れていた素材や技法の魅力を表面化させようと考えたのです。 実用からの解放は、同時にまた、工芸が美術に似ていくことでもありました。 工芸オブジェには西洋美術の様式が引用されていますし、 さらに、作者自身の主観も込められるようになりました。 しかし、そうした現象も、つねに素材や技術の再解釈と同時進行してきました。 このことは、工芸オブジェが近代美術の「主観的表現」に吸収されるものではなく、 かといって、 工芸の「伝統的職人技」に沈潜するものでもなかったことを示しています。 つまり、工芸オブジェは既成の枠組みには収まりきらないのです。 そのため分かりにくさもあるのですが、一歩踏み込んでいえば、 工芸オブジェとは素材や技法の特性から誘発される心境を 表現しようとする試みだったといえるでしょう。 今回の展示作品は、主に当館のコレクションから選ばれましたが、 一部は作者自身や個人所蔵家から拝借しました。ここにお礼を申し上げます。 開催概要 平成11年7月17日(土)~9月5日(日) 毎週月曜日 東京国立近代美術館工芸館〒102-0091東京都千代田区北の丸公園 1-1 [交通機関] 地下鉄東西線竹橋駅下車、1b出口から徒歩8分地下鉄東西線、半蔵門線、都営新宿線九段下駅下車、 2番出口から徒歩12分 [問い合わせ先] 03-3272-8600 (NTTハローダイヤル)東京国立近代美術館ホームページ http://www.momat.go.jp/ 午前10時~午後5時まで (入館は午後4時30分まで) 東京国立近代美術館 摘要個人団体一般420円210円高校・大学生130円70円小・中学生70円40円 1) 団体は20名以上2) 消費税込み

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近代日本の工芸 : 常設展示

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