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かたちのエッセンス:平松保城のジュエリー

概要 平松保城(1926- )のジュエリーは、シンプルなかたちのなかに金属のあたたかみをたたえています。その作品は、一本の金属の線から、金属板(面)の仕事へ、量塊へと広がりを見せています。そして、さらにはジュエリーという領域をも越えて、日常で使われる器や、壁面に設置される立体作品へと続いています。空間全体を含み込んだかたちへの意識は、再びジュエリー制作へと視線を戻したとき、平松のジュエリーを特徴づけるエッセンスとなっていることが明らかとなります。 《ブローチ》1978年 東京国立近代美術館蔵撮影:斎城卓 戦時中、学徒兵として軍隊生活を送った経験から、平松は生きることへの切実な思いを抱くようになりました。人間が生きる上で真に価値のあるものを、という願いから、生活の中で使う喜びや楽しさを喚起するクラフトやジュエリーの制作にとくに力を入れて取り組んできました。 1950年代半ば、宝石や貴金属の価値にとらわれず、かたちやデザインに重きをおくコンテンポラリー・ジュエリーが西欧からもたらされると、平松はこのムーブメントに共鳴し、その核となる考え方によって、自身の制作をいっそう盤石なものとしていきます。一方、海外での個展開催などをとおして、平松の作品は、簡潔なフォルムのなかに素材に対する美意識を表現したとして高く評価され、1994年には、金工で名高いドイツのジュエリーアート協会(ハーナウ)から、ヨーロッパ以外では初めて「名誉のゴールド・リング」を授与されました。 本展では、日本の彫金の伝統を継承しつつ、それを現代の感覚で斬新に展開する平松保城の初期から現在に至るまでの約70点の作品で、オブジェ、器、ジュエリーという領域を横断して広がるその造形思考を読み解いていきます。 展覧会構成 ◇身体装飾―アート・ジュエリー 1950年代前半、はじめて制作されたリングは、一本のアルミニウムの金属線にリズミカルに鎚目をつけたのみというシンプルなものでした。平松のジュエリーは、文字通り、この一本の金属の線の仕事から、金属板や箔を使った面の仕事へ、そして量塊へと広がっています。金鎚や鏨を用いて、あるいは金銀の箔を手のなかで揉み込みしわをつけるなどして、金属の多様な表情を引き出しています。金属の加工法に伝統的な日本の美意識が息づく彫金技法を身につけた平松ならではの表現と言えるでしょう。 ◇生活のなかのかたち―器 このセクションでは、平松の作品の特徴である明快な幾何学形態のルーツを、器制作を例にとって探っていきます。制作プロセスにおいても徹底的にシンプルであることを貫く姿勢から、素材の美と手わざが融合した平松独自の形態が生まれてきます。 《花器 飛》1993年 ◇人・物・空間―立体造形 平松保城は、戦後間もない昭和22年から27年まで、東京美術学校で学びました。戦争体験によって現代社会や生活へと向けられた意識は、やがて人間と物と空間との関係を作品で表すことへと方向を定めていきます。在学中より日展を中心に発表された作品には、パブリックスペースへの設置を前提としたものが多く見られます。空間全体を射程に入れた制作は、以後の平松の作品において基調をなしていきます。 《あゆみより》1993年撮影:斎城卓 作家紹介 平松保城 略歴 大阪市生まれ 東京美術学校工芸科彫金部に入学(~52年) 第6回日展(51~54年、56年) 《エレガント丸盆》がグッドデザイン賞を受賞個展開催(毎日会館画廊、大阪) 以後国内外で多数開催 日本ジュウリーデザイナー協会が設立され創立会員となる 「'70ニュークラフト賞」を受賞 「東京国立近代美術館工芸館・開館記念展―現代日本工芸の秀作」 第8回世界クラフト会議京都、メタル部門コーディネーター 国際公募展「'83国際ジュウリー・アート展」審査員 東京藝術大学教授に就任(~94年) 第41回芸術選奨文部大臣賞受賞 ジュエリーアート協会(ハーナウ)より「名誉のゴールド・リング」を授与される 通産省デザイン功労者の表彰を受ける 第24回国井喜太郎産業工芸賞を受賞 「コンテンポラリー・ジャパニーズ・ジュエリー」展(クラフツ・カウンシル、ロンドン) 「ジュエリーの今 : 変貌のオブジェ」展(東京国立近代美術館工芸館) 《スカルプチャー ウェイト》1973年東京国立近代美術館蔵 イベント情報 アーティスト・トーク 平松保城 2008年10月26日(日) 14:00 ‐ 15:00 工芸館会場 ギャラリートーク 当館研究員 2008年11月30日(日) 14:00 ‐ 15:00 工芸館会場 工芸館ガイドスタッフによる鑑賞プログラム「タッチ&トーク」 会期中の毎週水・土曜日 14:00 – 15:00 ※いづれも参加無料(一般の方・大学生は要観覧券)/申込不要 開催概要 東京国立近代美術館 工芸館 2008年10月4日(土)~12月7日(日) 10:00-17:00(入館は閉館30分前まで) 月曜日(10月13日、11月3日、11月24日は除く)、10月14日(火)、11月4日(火)、11月25日(火) 一般200円(100円) 大学生70円(40円)高校生以下および18歳未満、65歳以上、キャンパスメンバーズ、「MOMATパスポート」、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(原則1名)は無料 ○入館の際、学生証、障害者手帳等をご提示ください。○( )は20名以上の団体料金。消費税込。 10月5日(日)、11月2日(日)、11月3日(月・祝)、12月7日(日) 東京国立近代美術館 財団法人 美術工藝振興佐藤基金 アイティーエル株式会社

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近代工芸の名品–陶芸 : 所蔵作品展

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こども工芸館 [装飾/デコ]

概要 工芸にはさまざまな装飾が施されています。工芸に見られる装飾模様は、長い歳月の中で育まれた歴史を背負っており、そこにはさまざまな意味がこめられています。装飾模様は器物を飾り、私たちの想像力をかきたててくれるとともに、さまざまなメッセージを伝えているのです。 かつて近代の工芸家にとって、器物をどのように装飾するか、というのはきわめて重要な課題でした。ところが、装飾を排した無機的なデザインが浸透するとともに、工芸家にとって、装飾は、もはやそれほど重要な課題とはみなされなくなってしまったかの感があります。しかしその一方で、近年、過剰なまでに装飾を施した工芸作品を制作する工芸家があらわれています。装飾への欲望、すなわち装飾することそれ自体が制作の原動力となっている工芸家です。こうした現象というのはラインストーンできらびやかに飾られたデコ電(デコ携帯)の出現ともパラレルの関係にあるようにも思われるのです。 今回の展覧会では、大人とこどもがいっしょになって「装飾(デコ)」に注目することによって、工芸の魅力を発見していただきたいと思います。「装飾(デコ)」は、工芸を読み解く手がかりであると同時に、これまで日本人が日本の風土のなかで育んできた美意識を示しているのです。 会場風景 大人も「デコドリル(ワークシート)」に挑戦! ご要望にお応えして、今年は、こども向けのセルフガイド「デコハント」だけでなく、大人の方にもワークシートをご用意しました。全部に答えられたら装飾ツウになれるかも!? 中学生以下の希望者にもお渡ししますので、ぜひ親子で挑戦してください。 イベント情報 ギャラリー・トーク 当館研究員によるガイド 2008年8月3日(日) ★無料観覧日★ 2008年9月7日(日) ★無料観覧日★ 4:00-15:00 工芸館ガイドスタッフによる鑑賞プログラム「タッチ&トーク」 展覧会会期中の毎週水・土曜日14:00~ ※参加無料(一般の方・大学生は要観覧券)/申込不要 こどもも一緒に楽しめる「親子でタッチ&トーク」を同時に開催! こどもむけイベント 夏休みが楽しくなる数々のプログラムを用意しています! 工芸作品鑑賞研究会 *学校教職員が対象のプログラムです こども工芸館「装飾/デコ」展開催に先がけ、教職員の方を対象とした「工芸作品鑑賞研究会」を開催いたします。(要応募)6月13日(金) 15:00-17:00 14日(土) 11:00-13:00 本プログラムは終了致しました 開催概要 東京国立近代美術館 工芸館 2008年7月17日(木)~9月23日(火) 10:00-17:00(入館は閉館30分前まで) 月曜日(ただし7月21日、9月15日は除く)、7月22日(火)、9月16日(火) 一般200円(100円) 大学生70円(40円) ○高校生および18歳未満、65歳以上、キャンパスメンバーズ、MOMATパスポートをお持ちの方、障害者手帳等をお持ちの方(付添者は原則1名まで)は無料○入館の際、学生証、障害者手帳等をご提示ください。○( )は20名以上の団体料金。消費税込。 8月3日(日)、9月7日(日) 東京国立近代美術館

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近代日本の工芸−戦後の金工 : 所蔵作品展

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オーストラリア現代工芸3人展:未知のかたちを求めて

概要 現在オーストラリアで活躍する3人の女性の工芸家、ロビン・ベスト、スー・ロレイン、キャサリン・トルーマンによる新作展です。3人のあつかう素材は、磁器、金属、木とそれぞれ異なりますが、黒を基調とし、すっきりと洗練されたかたちが特色となっています。これまで科学が人類にとって暗闇を照らし出す光としての役割を果たしてきたように、彼女たちは、解剖学や科学的な現象に深い関心を抱き、サンゴや海綿などといった海の生物、あるいは心臓や筋肉などといった身体の器官など、有機的なモチーフを題材として制作を行い、工芸の未知のかたちを暗示する作品群を生み出しています。今回はこうした作品27点を紹介します。 キャサリン・トルーマン《ねじれ》2002年 (木、彩色) イベント情報 ギャラリートーク:  工芸館会場にて 各日午後2時から工芸館会場にて ジャニス・ラリー(本展企画者、通訳付) ロビン・ベスト(本展出品作家、通訳付) 「近代の友禅と型染」今井陽子 「オーストラリア現代工芸3人展について」木田拓也 キャサリン・トルーマン《上向きの手》2002年 (木、朱肉) ロビン・ベスト《コケムシ1》2002年 (磁器) スー・ロレイン 左から、《ふさがれたフラスコ》2002年、《スポンジ・フラスコ》2002年、《からっぽのフラスコ》 (鉄、焼付け塗装) 開催概要 東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、アジアリンク ジャム・ファクトリー・コンテンポラリー・クラフト・アンド・デザイン 豪日交流基金、オーストラリア・カウンシル 2003年(平成15)5月27日(火)~6月29日(日)<月曜休館>午前10時~午後5時(入館は、午後4時30分まで) 東京国立近代美術館工芸館(東京都千代田区北の丸公園1-1)電話03-5777-8600(NTTハローダイアル)http://www.momat.go.jp/ (東京国立近代美術館ホームページ) 地下鉄東西線「竹橋駅」下車徒歩8分(1b出口)地下鉄東西線・半蔵門線・都営地下鉄「九段下駅」下車徒歩12分(2番出口) 一般200円(100円)、大学生70円(40円)、高校生40円(20円)、幼児・小人無料*( )カッコ内は、団体料金

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近代工芸の名作–友禅と型染め : 所蔵作品展

概要 染の技法として代表的なものに、友禅と型染があります。友禅染はひじょうに手間のかかる技法ですが、絵画のように自由な図柄を表現できるのが特色です。江戸時代中期に完成され、江戸、京都、金沢で発達しました。明治以降においては、森口華弘や木村雨山などが優雅で洗練された近代の友禅を生み出しました。一方、型染は型紙を用いて模様を染める技法です。型紙を使うため、同じ図柄を繰り返すことができます。量産に適しているというだけでなく、型紙であらわされた模様ならではの味わいがあります。とくに絵模様を型紙であらわした型絵染の分野では、芹沢銈介、稲垣稔次郎が独自の作品世界を切り開きました。約35点。 イベント情報 ギャラリートーク:  工芸館会場にて 各日午後2時から工芸館会場にて 「近代工芸の名品」唐澤昌宏 開催概要 2003年(平成15)5月27日(火)~6月29日(日)<月曜休館>午前10時~午後5時(入館は、午後4時30分まで) 東京国立近代美術館工芸館(東京都千代田区北の丸公園1-1)電話03-5777-8600(NTTハローダイアル)http://www.momat.go.jp/ (東京国立近代美術館ホームページ) 地下鉄東西線「竹橋駅」下車徒歩8分(1b出口)地下鉄東西線・半蔵門線・都営地下鉄「九段下駅」下車徒歩12分(2番出口) 一般200円(100円)、大学生70円(40円)、高校生40円(20円)、幼児・小人無料*( )カッコ内は、団体料金

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今日の人形芸術:想念 (おもい) の造形

概要 人形には不思議な存在感が具わっています。愛らしくて優美、しかし、時として不安を覚えさせる一面がそこにはあります。人は、自らを模したその姿かたちに、生をめぐるさまざまな想いを託してきました。想いが強く、401そして色濃く映るほどに、人形の表情は生き生きとし、同時に生々しさを増すのかもしれません。今日では、玩具としての領域をはるかに超え、力強い造形感を根拠とする人形制作がみられるようになりました。本展第1部では、この領域における近代化を推し進めた竹久夢二や平田郷陽、堀柳女らの今なお瑞々しい感性をご紹介するとともに、シュルレアリスト、ハンス・ベルメールが写真に刻みつけた人形への鋭いまなざしを検証します。そして第2部では、人間の心の深層を辿りながら、そこから浮かび上がる想いの数々を人形というひとつのかたちへと結実させている四谷シモンや林駒夫、ドイツのアクセル・ルーカスらの作品を並べ、人形芸術の可能性と魅力とを探ります。25名の作家による約100点。 出品作家 第1部 鹿児島寿蔵、川上南甫、川崎プッペ、久保佐四郎、竹久夢二、野口光彦、平田郷陽、ハンス・ベルメール、堀柳女 第2部 岩瀬なほみ、シルヴィア・ヴァンケ、大島和代、ヘニー・コフリー、芹川英子、友永詔三、浜いさを、林駒夫、イルジー・バレシュ、マーレーン・フェアヘルスト、ウヴェ・ホイケンフレル+ユルゲン・ペペル、前田金彌、結城美栄子、吉田良、四谷シモン、アクセル・ルーカス 展覧会構成 第1部 昭和初期までの先駆的な作品約30点を展示し、人形芸術における近代性を紹介。また、ハンス・ベルメールの写真と作品集もあわせて出品する。 出品予定作品鹿児島寿蔵 ≪大森みやげ≫(1952年、紙塑)竹久夢二 ≪椅子に座る男≫(昭和初期、紙・布・針金など)平田郷陽 ≪清泉≫(1961年、木目込人形)堀柳女 ≪けはい≫(1954年、木目込人形)野口光彦 ≪鈴をもてる児≫(1950年、御所人形) 第2部 伝統的人形の世界を越えた新しい人形工芸の世界を紹介。作品点数は約70点。 出品予定作品四谷シモン ≪機械仕掛けの少年≫(1983年)大島和代 ≪2000年への旅≫(1996-99年)結城美栄子 ≪Tomorrow≫(1988年)浜いさを ≪箱の男(110点組)≫(1999-2002年)友永詔三 ≪花占い)≫(1994年)林駒夫 ≪吉祥果≫(1987年) イベント情報 ギャラリートーク 4月20日(日) 次回のギャラリートークは四谷シモンさんにお越しいただきます。 会場は本館講堂です。参加費は無料ですが、講堂入口にて 「今日の人形芸術」展のチケットをご提示ください。 大島和代+小川千惠子(ドール・フォーラム・ジャパン編集発行人) 結城美栄子〈詩の朗読と音楽〉 友永詔三〈TVと舞台の人形芸術~プリンプリン物語〉 四谷シモン+金子賢治(当館工芸課長) 芹川英子 林駒夫 岩瀬なほみ * 午後2時から工芸館会場にて行います。ただし、4月5日、20日は本館講堂で行いますので、講堂入口にて観覧券をご提示ください。* 参加は無料。但し、入館に際し観覧料は必要です* 4月5日(土)は歌とギター演奏が行われます 開催概要 2003年3月28日(金)~5月18日(日) 毎週月曜日但し4月28日(月)、5月5日(月)は開館し、5月6日(火)は休館します 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) 東京国立近代美術館工芸館(〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園1-1)地下鉄東西線「竹橋駅」下車徒歩8分(1b出口)地下鉄東西線・半蔵門線・都営地下鉄線「九段下駅」下車徒歩12分(出口2) 電話03-5777-8600(NTT ハローダイヤル)http://www.momat.go.jp/ (東京国立近代美術館ホームページ) 東京国立近代美術館、TBS、毎日新聞社 文化庁 一般 800(700)円、高・大学生 650(550)円、小・中学生は無料( )内は前売り・割引・20名以上の団体料金、消費税込み 東京国立近代美術館にて同時開催中の「近代日本の美術」もご覧いただけます 観覧券はチケットぴあ、ローソンチケット、CNプレイガイド、サークルケイ、サンクス、JTB、JR東日本(みどりの窓口、びゅうプラザ)など主要プレイガイドで販売致します 京都文化博物館 2003年5月30日~6月29日静岡アートギャラリー 2003年7月12日~8月10日ミウラート・ヴィレッジ 2003年8月20日~9月30日岐阜市歴史博物館 2003年10月10日~11月24日

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松田権六 図案と作品(併催/近代工芸とデザイン)

概要 近代漆工芸を代表する作家・松田権六(1896-1986)は、とりわけ蒔絵のデザインを重視したことで知られています。 彼は出生地・金沢で加賀蒔絵の基礎を身につけ、東京美術学校では各流派の技術を吸収、さらには日本画を学び、卒業後は楽浪漆器の修復など、幅広い素養と経験を身につけました。 この素養と経験により、作品は江戸時代を引き継いだ蒔絵から抜けだしていきます。ただしその道筋は、西洋に影響を受けた同時代の他の作家たちとは大きく異なりました。松田権六は日本の古典作品の豊富な研究を背景に、自然の生命感を意匠へと昇華させ、優れたデザイン感覚を作品に結実させたのです。 松田権六が作家として活動を始める大正から昭和初期は、これまで主に画家や図案家が行っていた工芸の図案製作を工芸家自身が手がけるようになり、工芸家の意識にも変化が生まれてきた時代でした。 図案製作に自ら向きあうようになったとき、近代の工芸家たちがいかに図案にとりくんだのか、本展覧会では松田権六の図案と作品を取り上げ、図案の成立過程を探ります。 第1部 金沢時代から終戦まで ― 石川県工業高校在学中に模写された画帳や写生から1945年までに制作された作品によって、初期作品の図案の変遷をたどります。主な出品作品:  草花鳥獣文蒔絵小手箱(1919年、東京藝術大学 大学美術館蔵)、鶴亀蒔絵棗(1944年、出光美術館) 第2部 戦後 図案日誌から作品へ ― 写生や「図案日誌」をとおして、図案の発想から作品へと至る過程を探ります。主な出品作品:  蒔絵螺鈿有職文筥(1960年)、槙文蒔絵二段卓(1972年)(以上東近美蔵) 「松田権六 図案と作品」展、約35点 併催の「所蔵作品展 近代の工芸とデザイン」、約55点で構成。 イベント情報 ギャラリートーク 2002年12月7日(土)、14日(土)午後2時から工芸館会場にて 開催概要 2002(平成14)年11月30日(土)~ 2003(平成15)年1月 8日(水)午前10時00分~午後5時(入館は、午後4時30分まで)月曜休館(12月23日は開館し、翌日休館)、2002年12月28日~2003年1月6日は休館 東京国立近代美術館工芸館〒102-0091東京都千代田区北の丸公園1-1 地下鉄東西線「竹橋駅」下車徒歩8分(1b出口)地下鉄東西線・半蔵門線・都営新宿線「九段下駅」下車徒歩12分(2番出口) 東京国立近代美術館 一般 420円(210円)高校生・大学生 130円(70円)小学生・中学生 無料 * 消費税込み* ( )内は20名以上の団体料金 2002年12月 1日(日) 電話 03-5777-8600(NTT ハローダイヤル)http://www.momat.go.jp/(東京国立近代美術館ホームページ)

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[クッションから都市計画まで]ヘルマン・ムテジウスとドイツ工作連盟:ドイツ近代デザインの諸相

開催要旨 本展覧会は、今まで我が国でほとんど紹介されることのなかった、第一次世界大戦前後、つまり世紀末からバウハウス誕生に至るドイツにおける近代デザインの動向を検証するべく企画されました。 20世紀に入り社会の産業化が進むにつれ、日常生活とそれを取り巻く様々なものの改良と向上が必須となってきました。そのような社会状況を背景として、1907年に芸術家・建築家・資本家そして政治家など様々な人々が参加し、芸術と産業の融合と近代化を掲げて「ドイツ工作連盟」は設立されました。その参加者には、ペーター・ベーレンスやリヒャルト・リーマーシュミット、カール・エルンスト・オストハウス、フリードリッヒ・ナウマンや若きグロピウスやタウト兄弟など錚々たる人々が含まれていました。「ドイツ工作連盟」の活動理念の一般への流布は、主に展覧会活動や出版活動を通し行われました。中でも1914年の第1回ドイツ工作連盟ケルン展と1927年にシュツゥットガルトで開催された「住居」展がよく知られています。 ドイツ近代デザインの発展を語る上で欠かすことのできないこの「ドイツ工作連盟」の中心的イデオローグとして活躍したのがドイツでのイギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動の紹介者として知られ、若き日に日本滞在の経験を持つヘルマン・ムテジウスでした。ムテジウス(1861―1927)は、建築家として数多くの素晴らしい郊外住宅を設計する一方で、生涯ドイツ政府の官吏として、「ドイツ工作連盟」の理念でもある芸術と産業の近代化に尽力し、それを支える工芸学校教育システムの改革に腐心しました。また、彼の幅広い批評活動は、数々の書籍や新聞雑誌記事として公開され、当時のデザイン理念の動向に大きな影響を与えました。しかし、1914年のドイツ工作連盟展開催を機に起こった「規格論争」で連盟内の若い世代から批判を浴びたため、その後彼の活動が採り上げられる機会は残念ながらほとんどありませんでした。 ドイツおよび日本で所蔵されている作品・資料約250点で構成される本展では、20世紀初頭における近代デザインの動向を、ドイツ工作連盟の活動を中心に、バウハウスを金字塔とする従来の近代デザイン史の文脈から回顧するのではなく、ヘルマン・ムテジウスの言説から再構築することを目的としています。そうすることで、今まで見落とされがちであった様々な要因に光が当てられ、近代デザイン史に新たな視点を提供できるものと信じます。 展覧会構成 プロローグ:19世紀の残照 ムテジウスと日本・イギリス(1887-1903年) 1. ムテジウスと日本(司法省と福音教会および新教神学校舎)2. ムテジウスとイギリス(マッキントッシュとベイリー・スコットそしてイギリス三部作) Ⅰ:ドイツ工作連盟設立への道(1904-1913年) 1. 第3回ドイツ工芸展(ドレスデン、1906年)2. 工作連盟設立と年刊誌(Jahresubuch)の発刊 Ⅱ:第1回ドイツ工作連盟展(ケルン展)と第一次世界大戦(1914-1919年) 1. ケルン展(1914年)と規格論争(Typenstreit) ・・・・・以上第一会場2. ドイツ商品カタログ(Deutsches Warenbuch、1916年)3. ドイツ工作連盟海外展(ハーゼル、ベルン、コペンハーゲンなど、1917-18年) Ⅲ:第一次世界大戦後のドイツ工作連盟(1919-1926年) 1. 雑誌『フォルム(Die Form)』の刊行(1922年、1925年)2. フォルム(Die Form)展(1924年) エピローグ:時代の転換(Zeitwende) 住居(Die Wohnung)展(シュツゥットガルト、1927年) ・・・・・以上第二会場 イベント情報 ギャラリートーク 当館研究員 池田祐子氏(京都国立近代美術館主任研究官) 田所辰之助氏(日本大学専任講師)場所:美術館本館4階会議室 当館研究員 いづれも午後2時、工芸館2階ホールにお集まり下さい。 なお、2月1日は工芸館及び美術館会場をとおして行います。 開催概要 2003年(平成15年)1月18日(土)~3月9日(日)午前10時00分から午後5時00分(入館は、午後4時30分まで)月曜休館 第一会場 東京国立近代美術館工芸館東西線「竹橋駅」下車徒歩8分(1b出口)東西線・半蔵門線・都営新宿線「九段下駅」下車徒歩12分(出口2) 第二会場 東京国立近代美術館1階企画展示室2・3東西線「竹橋駅」下車徒歩3分(1b出口) 東京国立近代美術館/京都国立近代美術館 東京ドイツ文化センター 一般 630円(510円)高校生・大学生 340円(250円)小学生・中学生 無料 電話03-5777-8600(NTTハローダイヤル)http://www.momat.go.jp/(東京国立近代美術館ホームページ)

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昭和の桃山復興:陶芸近代化の転換点

概要 昭和初期はさまざまな分野の人たちが古陶磁に関心を持ち、収集した時代でした。とりわけ日本のやきものとしては、志野、織部、備前、唐津、伊賀などの桃山陶芸が高く評価されるようになりました。こうしたなかで桃山陶芸に注目した陶芸家たちは、はじめはその再現を目指しましたが、やがて、桃山陶芸をよりどころとしながら独自の作風を確立していくようになりました。 この展覧会では、こうした桃山復興という潮流のなかでさまざまな取り組みを見せた近代の陶芸家たち―北大路魯山人、荒川豊蔵、金重陶陽、川喜田半泥子を中心として―の作品と彼らが愛蔵した桃山古陶を紹介します。また、陶芸家と同じようにやはり桃山時代の茶室研究に基づいて近代日本の和風建築の名作を残した建築家堀口捨己にも焦点をあてて紹介します。 1. 桃山の再発見 北大路魯山人や荒川豊蔵など陶芸家が収集した桃山時代の陶磁器、出土した陶片で作ったよびつぎ茶碗、墨跡や茶杓などを紹介します。陶芸家が集めたものには、彼らの美意識が反映されています。彼らがそこから何を学び、何をつかみとろうとしたのかを探ります。 2. 昭和の桃山復興 桃山復興という潮流があらわれてくるのは、昭和戦前期から戦後にかけてのことです。北大路魯山人、川喜田半泥子、荒川豊蔵、金重陶陽などの代表的な作品により、彼らの桃山復興への取り組みを紹介します。はじめは桃山陶芸の再現を目指していた陶芸家も、やがて桃山陶芸をよりどころとしながら独自の作風を確立していきます。 3. 堀口捨己「八勝館御幸の間」と「黄金の茶室」 建築家堀口捨己は、桃山時代の茶室研究に基づき、和風建築の名作を残しました。今回の展示では名古屋の料亭八勝館「御幸の間」とMOA美術館の「黄金の茶室」を紹介します。「黄金の茶室」は、古い文献をもとに復元するにあたり、堀口が監修を行ったものです。また、「御幸の間」の金で文様をあしらった更紗をつかった襖を展示します。 出品作家 荒川豊蔵、石黒宗麿、加藤土師萌、金重陶陽、川喜田半泥子、北大路魯山人、 中里無庵、長野垤志、堀口捨己、水野愚陶、三輪休和 出品点数 約100点 イベント情報 ギャラリートークのご案内 会期中全7回のギャラリートークを予定致しております。各回とも午後2時より工芸館会場にて行います。お気軽にご参加ください。参加費は無料(但し、入館に際して観覧料は必要です) 「桃山復興と半泥子」木田拓也(当館工芸課研究員) 「桃山陶芸と魯山人」木田拓也(当館工芸課研究員) 「金重陶陽―でこ師からの自己革新―」上西節雄(岡山県青少年教育センター閑谷学校次長) 「荒川豊蔵の陶芸」加藤孝造(陶芸家) 「昭和の陶芸」金子賢治(当館工芸課課長) 「桃山復興の国際性」冨田康子(当館工芸課客員研究員) 「桃山建築と堀口捨己」早川正夫(建築家) お茶席のご案内 ギャラリートーク開催にあわせて、抹茶とお菓子のご用意致しました。工芸館建築当時の趣きを残す室内で静かなひとときをお楽しみください。 10/5、10/12、10/19、10/26、11/2、11/9、11/16午後3時から午後5時00分まで(ご利用券の販売は午後4時30分まで) 250円(税込) 開催概要 2002年(平成14)9月28日(土)~11月24日(日)月曜休館ただし、10月14日(月)は開館し、翌15日(火)は休館11月4日(月)は開館し、翌5日(火)は休館*11月3日文化の日は無料観覧日です 東京国立近代美術館工芸館(東京都千代田区北の丸公園1-1) 東京国立近代美術館 営団東西線「竹橋駅」下車徒歩8分(1b出口)、または営団東西線・半蔵門線、都営新宿線「九段下駅」下車徒歩12分 個人団体前売一般630円510円530円高校・大学生340円250円250円小・中学生無料無料無料 消費税込み 団体は20名以上 前売りはチケットぴあ、ファミリーマート、セブンイレブン(都内のみ)にて取扱い致します 電話 03-5777-8600(NTT ハローダイヤル)

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