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生誕100年 靉光展
展覧会について 昭和の戦前・戦中期に、きわめて個性的な作品を描き、近代日本美術史上に大きな足跡を残した画家、靉光(あいみつ)。このたび彼の生誕100年を記念する回顧展を開催します。 靉光(本名:石村日郎、1907-1946)は広島県に生まれました。1924(大正13)年に上京し、「池袋モンパルナス」と呼ばれた界隈で仲間たちと切磋琢磨しながら、自らの画風を模索していきます。その探究の果てに生み出された《眼のある風景》(1938年)や、細密で幻想的な一連の作品は、シュルレアリスムの影響を思わせつつも、けっしてその一言では片付けられない独自性と“謎”に満ちています。描く対象に鋭く迫り、写実を突き詰め、そして突き抜けた先に生み出された幻想。この類まれな境地に達した彼ですが、戦争によってその画業は途絶しました。召集を受けた彼は、終戦後まもなく上海で、わずか 38歳で戦病死したのです。 現存する彼の作品は、必ずしも多くはありません。しかし、描く対象の本質をえぐり出すようなその作品の評価は、今日ますます高まっています。本展では、幻想的な作品をはじめ、応召前に残した3点の自画像など代表作を網羅し、約130点の作品を時代・傾向別に4つの章に分け、靉光の見つめたものを検証します。 ここが見どころ 生誕100年の大回顧展、代表作一堂に 日本のシュルレアリスム的絵画の金字塔《眼のある風景》をはじめ、晩年の自画像3点など、生誕100年を記念して靉光の代表作が集います。生前、自らの作品の多くを破棄し、故郷広島に残した作品は原爆で焼失するなど、現存する作品は多くありません。靉光の貴重な作品をまとめて見ることのできる絶好の機会です。 多彩な表現 靉光は、《眼のある風景》に代表されるような幻想的な作品が有名ですが、実はその短い画業の中できわめて多彩な表現を試みました。初期はゴッホやルオーの影響から出発し、「ロウ画」と呼ばれる溶かしたクレヨンなどによる作品や、東洋的な描き方も試みています。早すぎる晩年には自画像のような新しい写実を模索しました。とりわけ「ロウ画」は他に例を見ないきわめてユニークな技法です。ご注目ください。 驚くべき密度 靉光の絵の特徴はなんといっても、過剰なまでに描き込んだ密度の高さです。《眼のある風景》では絵具を何度も重ねたり削ったりする作業が繰り返され、また《二重像》では、面相筆とよばれる日本画用の極細の筆で、B5判ほどの紙に驚くべき細密さで幻想的な世界が描かれています。印刷での再現が困難なほどのその密度を、ぜひ実物でご覧ください。 久しぶりに公開される作品 《馬》(1934年、メナード美術館蔵/展示期間3月30日~4月22日)、《パーサーの像》(1943年、蘭島閣美術館蔵、展示期間3月30日~4月 22日)、《チューリップと蝸牛》(1932年)は、いずれも靉光の回顧展としては1979年以来の28年ぶりの公開となります。とりわけ《馬》は、保存上の理由からめったに公開されることのない作品です。この機会にどうぞお見逃しなく。 展覧会構成 第1章 初期作品 広島に生まれた石村日郎は、少年時代から絵に興味を持ち、はじめ広島市内の印刷所で働きますが、本格的に絵を学ぶために大阪へ、そして東京へ出て「靉光」と名乗るようになります。ゴッホやルオーなど、さまざまな画家の作風を試みながら、あちこちの美術公募展に腕試しのように出品しました。しかしまもなく彼は、自分自身のスタイルを求めて悩むようになり、クレヨンやロウを溶かして絵具と混ぜ、不気味さとユーモアをあわせ持つ小品を生み出していきます。 第2章 ライオン連作から《眼のある風景》へ 新しい作風を模索するうちに、靉光は上野動物園に通ってさまざまな動物をスケッチし、ライオンを描いた一連の作品で注目を浴びるようになります。しかし彼の描いたライオンは、ただの写生ではありませんでした。描く対象に迫るために絵具を塗ったり削ったりする作業を繰り返すうちに、次第に幻想的な世界が生み出されていくのです。こうした制作方法をつきつめて、代表作《眼のある風景》が描かれました。当時フランスから紹介されていた前衛芸術、シュルレアリスムとも呼応するようなこの作品は、強烈な存在感で、見る者を逆に見つめ返します。 第3章 東洋画へのまなざし シュルレアリスムというフランスの前衛美術に関心を持ちつつも、靉光はその形式的な模倣をしようとはしませんでした。彼はむしろ、中国の古い時代(宋・元時代)の絵画などに触発されながら、闇の中に植物が生い茂り、その中に虫や鳥が見え隠れする濃密な幻想世界を描くようになります。彼はまたこの時期、日本画で用いる面相筆という細い筆を用いて、さまざまな物体が増殖していくような不思議なイメージの世界を描いたり、墨による自由闊達な表現も試みたりしました。 第4章 自画像連作へ 戦争の激化に伴い、前衛的な表現が取り締まりの対象となる中で、靉光は再び模索を始めます。松本竣介らと「新人画会」を結成して、戦時下でも自分たちの描きたい作品だけを発表することを貫いた彼は、自己を見つめる作業を通して、3点の自画像を描きました。孤独、絶望、あるいは力強さ、未来への意志……。さまざまに解釈のできる印象深い自画像を残して彼は戦場へと召集され、戦後まもない1946年1月に、上海で戦病死しました。 イベント情報 講演会 「靉光の幻想世界はどのように生み出されたか」 2007年4月21日(土) 14:00-15:30 講堂 大谷省吾(当館主任研究員) 「靉光と池袋モンパルナス」 2007年5月12日(土) 14:00-15:30 講堂 土方明司(平塚市美術館学芸主管) ギャラリー・トーク 2007年4月20日(金)18:00-19:002007年5月11日(金)18:00-19:00 会場 大谷省吾(当館主任研究員) 学校教職員対象の鑑賞プログラム「生誕100年 靉光展」美術館活用研究会 04月03日(火) 終了しました 14:00~15:30 小・中・高校の教員および職員先着150名(事前申込制) カタログ情報 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー(1F) 2007年3月30日(金)~5月27日(日) 午前10時~午後5時金曜日は午後8時まで(入館は閉館30分前まで) 月曜日 ただし4月2日(月)と4月30日(月)は開館 一般1,300円(1,100円/900円)、大学生800円(700円/500円)、高校生400円(300円/250円)中学生以下、および障害者(付添者は原則1名まで)の方は無料。それぞれ入館の際、生徒手帳、障害者手帳等をご提示ください。( )内は前売/20名以上の団体料金の順。いずれも消費税込。 観覧券は、JR東日本の主なみどりの窓口・びゅうプラザ、チケットぴあ、ローソンチケット、セブンイレブンなどで取り扱っています。*前売券は2007年3月1日より3月29日まで *本展の観覧券で入館当日に限り、同時開催の「リアルのためのフィクション」「所蔵作品展 近代日本の美術」もご覧いただけます。 東京国立近代美術館、毎日新聞社 新生銀行 大日本印刷、毎日ビルディング 宮城県美術館 2007年6月9日(土)~7月29日(日)広島県立美術館 2007年8月10日(金)~10月8日(月・祝)
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都路華香展
展覧会について 都路華香(つじ・かこう、1871-1931)は、竹内栖鳳、菊池芳文、谷口香嶠とともに、「幸野楳嶺門下の四天王」と並び称された日本画家です。華香はさまざまな展覧会で活躍する一方、教育者としても近代京都画壇の隆盛を支えました。 華香は京都を代表する作家の一人でありながら、今や知る人ぞ知る存在といえるでしょう。その理由の一つには、主要な作品が散逸し各所に秘蔵されていたという事情があります。それゆえ、華香没後の昭和7(1932)年に、華香の弟子であった冨田溪仙の主導によって、大がかりな遺作展が開催されて以降、現在にいたるまで、本格的な展覧会は一度もおこなわれてこなかったのです。 このたびの展覧会は、京都国立近代美術館が中心となり、作品の所在を一つ一つ探し当て、調査をおこなうという地道な研究活動の末に初めて実現にいたったものです。 幼い頃から学んだ四条派の画風に、建仁寺の黙雷禅師に参禅して得た精神性をまじえ、新技法を積極的に取り入れた華香の画風は、現代の我々から見ても新鮮な魅力に満ちています。最近では、その画風が海外で愛され、アメリカに多くの作品が所蔵されています。 本展覧会では代表作を網羅する初期から絶筆《黙雷禅師肖像》までの作品約80点と、大下図、素描、資料等を紹介し、華香芸術の全貌に迫ります。 ※前期(1月19日~2月12日)、後期(2月14日~3月4日)で約30点の展示替があります。 ここが見どころ 待望の初回顧展 戦前の遺作展以来、初となる本格的な回顧展です。地道な調査によって探し当てた作品を一堂に会します。幼い頃から慣れ親しんだ四条派の作風から、大正、昭和期の大らかで自由な作風まで、自在に変転した華香芸術の全貌を紹介します。 華香の先見性に注目 琳派風の装飾性と、印象派絵画の雰囲気をあわせもつ《緑波》(グリフィス&パトリシア・ウェイコレクション)、独創的な水墨表現をみせる《良夜》(京都国立近代美術館蔵)など、華香は波をモチーフにさまざまな表現的試みをおこなっています。ことに明治末から大正初めにかけての時期は、華香にとって模索の時期であると同時に、新技法を盛んにとりいれて意欲的な作品を数多く描いた時期といえるでしょう。華香芸術にみられる洋画的ともいえる表現には、国画創作協会の活動にもつながりゆく先見性がうかがわれます。 素描、資料も豊富に出品 本画ばかりでなく、素描、大下図、資料などを多数出品します。その多くはこのたび初出品となるものです。本展では、これらの出品作によって華香の創作の秘密にも迫ります。 展覧会構成 第1章 写実表現と日本画の問題 1903年-1938年竹喬は1903年に京都の竹内栖鳳に入門しました。西洋近代絵画の写実表現をとりいれた栖鳳の制作に学びながら、自らも西洋絵画のエッセンスを貪欲にとりこんでゆきました。この時期、竹喬をとらえたのは<写実>でした。それは技法だけの問題ではなく、いかに自然の真実をつかむかという問題でもあったため、竹喬は東洋の南画や、竹喬と同時代の画家たちの作品にも学びながら、画風を変化させてゆきます。1918年、竹喬は土田麦僊らとともに国画創作協会を立ち上げます。しかし、やがて日本画材で写実を追及することに困難を覚えるようになります。1921年からの約1年のヨーロッパ旅行をはさみ、竹喬は東洋絵画における線の表現を再認識することになり、線描と淡彩による南画風の表現に到達します。 特集展示Ⅰ 竹喬の渡欧 竹喬は国画創作協会の仲間である土田麦僊、野長瀬晩花、そして洋画家の黒田重太郎とともに、1921年にヨーロッパへと出発しました。日本画家がヨーロッパで学びたかったものとは何だったのでしょう。この特集展示では、黒田の「芸術巡礼紀行」連載の挿図のために、竹喬と麦僊が描いたスケッチを紹介します。 第2章 自然と私との素直な対話 1939年-1979年1939年頃から竹喬の画風には変化が現れます。新しい画風は、色の面によって対象を把握し、かつ日本画の素材を素直に活かそうとするものでした。この時期、竹喬は大和絵の表現を手本とし、線も色も古い大和絵に学ぼうとしたのです。この転換はその後の竹喬作品の方向性を決定づけました。それ以降、竹喬はおおらかで単純な形と温雅な色彩を特徴とする表現を深めます。そして「風景の中にある香りのようなもの」をとらえようと無心の境地で自然と向き合うことで、ゆるぎない独自の世界を確立してゆきます。 特集展示Ⅱ 奥の細道句抄絵 10点からなる《奥の細道句抄絵》は竹喬晩年の代表作です。竹喬はこの作品で、江戸時代の俳人、松尾芭蕉の『おくのほそ道』をもとに、その句意を絵にしようと試みました。この特集展示では、この連作を制作するために竹喬がおこなったスケッチや下図など10点を、《奥の細道句抄絵》全10点とともに紹介します。 作家紹介 都路華香 (明治3年-昭和6年、1871-1931)京都市上京区の生まれ。本名、辻良景、通称宇之助。実家は友禅描きを営んでいました。満9歳の時に幸野楳嶺に師事。折しも社会は近世から近代へと移り変わる最中で、東京と同様京都でも、新しい時代に即応した絵画の創造を求めて多くの若手画家達が意欲的な作品を発表していました。中でも楳嶺門下生の活躍は目覚ましく、華香も竹内栖鳳らと共に同門下の四天王と呼ばれ、京都後素協会展や新古美術品展など京都内の展覧会だけでなく、内国勧業博覧会、絵画共進会など全国的な展覧会でも受賞を重ねています。明治40(1907)年に文部省主催美術展覧会(文展)が開設されると、その第1回展から出品、第10回展では《埴輪》が特選となるなど文展でも活躍、大正8(1919)年、文展が帝国美術院主催美術展覧会(帝展)と改組された後も、13年の第5回展から審査員を務め、京都を代表する画家の一人として、近代京都画壇の隆盛を支えました。門下からは冨田溪仙らを輩出しています。 イベント情報 講演会(当館講堂)*聴講無料 「初めて華香芸術に触れる人のために」 2007年2月12日(月) 14:00-15:30 小倉実子(本展企画者、京都国立近代美術館主任研究員) 申込不要、先着150名 研究員によるギャラリートーク 2007年2月16日(金) 18:00- 鶴見香織(当館主任研究員) *参加無料(要本展観覧料)、申込不要 カタログ情報 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー(1階) 2007年1月19日(金)~3月4日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)(入館は閉館30分前まで) 月曜日(2月12日は開館)、2月13日(火) 一般830円(700/560円)、大学生450円(350/250円)、高校生250円(200/130円)( )内は前売/20名以上の団体料金の順。 いずれも消費税込。中学生以下、および障害者(付添者は原則1名まで)の方は無料です。それぞれ入館の際、生徒手帳、健康保険証、運転免許証、障害者手帳等をご提示ください。 前売は全国チケットぴあ他、ファミリーマート、サンクスにて取扱い(一部店舗を除く)*本展の観覧券で入館当日に限り 「柳宗理」展、 「生々流転」展、 所蔵作品展もご覧いただけます。 東京国立近代美術館、京都国立近代美術館 京都国立近代美術館:2006年11月17日(金)~12月24日(日)笠岡市立竹喬美術館:2007年3月10日(土)~4月15日(日)
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柳宗理:生活のなかのデザイン
展覧会について 柳宗理(1915- )は、フリーランスのデザイナーとしていち早く活動を始め、日本のインダストリアル・デザインの確立と発展にもっとも重要な足跡を記したデザイナーです。経済や生活の環境が急速に変化し成長していくなかで、工業製品や身近な生活道具のデザインをとおして自らの芸術性を明らかにし、国際的にも高い評価を得てきました。 1952年第1回新日本工業デザインコンクールで受賞した《レコードプレーヤー》や1957年第11回ミラノ・トリエンナーレ受賞の《白磁土瓶》《バタフライ・スツール》をはじめ、家具、セラミックのテーブル・ウェア、《早く沸くヤカン》などの生活道具、ミシンや自動車、歩道橋のような環境構造物まで、実に広範かつ先駆的なデザイン活動を繰り広げてきました。それらは、機能に応じ無駄な装飾を排するモダン・デザインの合理性を示しながら、使いやすくて美しい、いわゆる“用の美”を表現したものです。日本の伝統や風土性をもうかがわせるそのデザインと姿勢には、社会生活を鋭く洞察した”日常の美”という思想性が一貫してあります。 今回の展覧会では、1950年代から60年代にかけて戦後のインダストリアル・デザインを先駆的に開拓した柳宗理デザインの確立を明らかにし、そして国内外で現代性が再認識されている優れたデザインを紹介します。 ここが見どころ リニューアルオープンした2002年から、ギャラリー4で開催しているデザイン特別展。赤レンガが印象的な別館、工芸館で展示されることの多いデザイン作品を、違った雰囲気でご覧いただきます。 これまでのデザイン特別展 「森正洋-陶磁器デザインの革新-」 「あかり:イサム・ノグチが作った光の彫刻」 「河野鷹思のグラフィックデザイン-都会とユーモア」 「渡辺力:リビング・デザインの革新」 作家紹介 柳宗理 1915年 東京都生まれ。1940年 来日したフランスのデザイナー、シャルロット・ペリアンの助手を務める。1950年 柳インダストリアルデザイン研究所開設(現・柳工業デザイン研究所)。1952年 第1回新日本工業デザインコンクール受賞。日本インダストリアルデザイナー協会設立。1957年 第11回ミラノ・トリエンナーレに招待出品され、金賞受賞。1958年 《バタフライ・スツール》がMOMAパーマネントコレクションに選定される。1960年 国際デザイン会議実行委員をつとめる。1977年 日本民藝館館長就任。2002年 文化功労者となる。 イベント情報 ギャラリー・トーク 2007年1月27日(土)諸山正則(工芸課主任研究員)2007年2月3日(土)深澤直人(プロダクト・デザイナー)2007年2月10日(土)木田拓也(工芸課主任研究員)2007年2月17日(土)堀井和子(料理スタイリスト) 2月3日(土)のプロダクト・デザイナー深澤直人氏によるギャラリートークは、展覧会会場の観覧者数状況と氏のプロジェクター映写によるガイド希望、そして氏自身の話題性から相当数の参加が予想され、急遽、地下1階の講堂へ会場を変更して行いました。開場時間を前に早くからかなりの参加希望者に行列をしていただき、ご協力と多くのご来場に感謝を申し上げます。可能な限りに入場いただき、柳宗理氏のデザインと深澤氏自らのデザインに関する興味深いトークにご参加いただきました。 同様に、2月17日(土)の料理スタイリスト堀井和子氏によるギャラリートークに際しても、ご協力とご来場に感謝を申し上げます。 なお、予想をはるかに上回る多くの方々にご来場いただきましたが、会場内の窮屈な状況および相当数の参加ご希望にそうことができず、ここに改めてお詫びを申し上げますと共に、当館でまとめましたそのギャラリートーク概要を公開いたします。 また、会場席数の説明や入場対応等においてご指摘の課題につきましては、今後当館スタッフにおいて検討し善処してまいります。 カタログ情報 開催概要 東京国立近代美術館 ギャラリー4 (2階) 2007年1月19日(金)~3月4日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)(入館はそれぞれ閉館30分前まで) 月曜日 (2月12日は開館、翌日休館) 一般420(210)円、大学生130(70)円、高校生70(40)円中学生以下・65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付添者1名は無料。 *それぞれ入館の際、学生証、障害者手帳などをご提示ください。*( )内は20名以上の団体料金。消費税込。*「所蔵作品展」の料金も含みます。 ★無料観覧日 2月4日(日)・3月4日(日)*「都路華香展」と工芸館は有料です。 同時開催の企画展「都路華香展」 美術館1階 企画展ギャラリー2007年1月19日(金)~2007年3月4日(日) 「漆芸界の巨匠 人間国宝 松田権六の世界」 工芸館2006年12月19日(土)~2007年2月25日(日) *どちらの展覧会チケットでも、お求めいただいた当日に限り、本展と「所蔵作品展」をご覧いただけます。 東京国立近代美術館
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揺らぐ近代:日本画と洋画のはざまに
展覧会について 近代日本の絵画は、しばしば日本画と洋画という二つのジャンルに区別されて語られます。明治初年に始まったこのジャンル分けはその後美術界にも一般にも深く浸透していますが、実はこれは近代日本美術史にとって重要な問題を多く含んでいるのです。本展覧会は、この日本画と洋画が並存するという、100年以上にもわたって続いてきた美術状況を見直してみようとするものです。このことはひいては、「近代」「日本」「美術」を問い直すことに通じることでもあります。また、そうした概念上の問題と同時に、この展覧会では、作家個々人にとっての日本画・洋画の存在理由を検証し、実制作上の問題をも取り上げていきます。いわゆる日本画の名品と洋画の名品を時代順に並べていくこれまで繰り返されてきた方法では、そのはざまに揺れ動く絵画史の姿はなかなか見えてきません。本展覧会では、両者のはざまに位置する作品あるいは作家に注目することによって、日本画と洋画のかかえる多様な問題を浮かび上がらせ、日本の近代絵画自体をも再考する機会にしたいと考えています。 会期中、一部展示替があります。 ここが見どころ 日本画と洋画の<はざま>に注目―かつてない初めての切り口により、もうひとつの近代絵画史を語ります。作品、画家の側に視点をおき、制度と近代の問題をとらえなおす試みです。 重要文化財5点を含む日本近代絵画史上の名作も、日本画と洋画の概念が確立する途上に描かれた、奇想漂う作品も、同じ俎上にのせてとらえなおします。 美術ファンや研究者待望の、小林永濯《道真天拝山祈祷の図》、橋本雅邦《弁天(騎龍弁天)》など4点が、ボストン美術館ビゲロー・コレクションから里帰り初公開となります。 気鋭の研究者を招き公開討論会「日本画と洋画のはざまに、なにがあったか」を開催します。 展覧会構成 第一章 狩野芳崖・高橋由一 日本画と洋画の始まり 「日本画」と「洋画」という制度が形をなす時代に、それぞれを背負う立場にあったのは、狩野芳崖と高橋由一でした。芳崖の作品が西洋顔料の強い色彩によって彩られ、高橋由一の作品が江戸絵画に似た構図を示すように、日本画と洋画は、その「はざま」に位置する作品からはじまったといえます。 第二章 明治絵画の深層 日本画と洋画の混成 明治時代、近代の絵画表現をつくりだすために、画家たちは日本画と洋画の「はざま」で、いわば手探りで実験的な制作をおこないました。伝統画題を洋画で描くなど、ときにわれわれの意表を突く作品からは、画家たちの試行錯誤の跡と、創造のエネルギーをよみとることができます。 河鍋暁斎、小林永濯、橋本雅邦、彭城貞徳、田村宗立、原田直次郎ほか 第三章 日本絵画の探求 日本画と洋画の根底 日本画と洋画、それぞれの概念が整えられてもなお、日本画家は日本画の革新を、洋画家は洋画の日本化を求める傾向がありました。そのゆきつくところは、日本画と洋画の区別を超えた「日本絵画」ともいうべき表現世界であったかもしれません。 浅井忠、竹内栖鳳、黒田清輝、横山大観、菱田春草ほか 第四章 日本画の中の西洋 「モノに憑かれて」「風景の発見」というふたつの視点から、大正期の若手日本画家たちによる写実表現のこころみに注目します。彼らは、岸田劉生を中心とする洋画の動向、あるいは西洋の絵画表現を手がかりに、日本画の弱点とされるリアリズムの克服を目指したのです。 土田麦僊、村上華岳、速水御舟、榊原始更ほか 第五章 洋画の中の日本画 大正期の洋画家は、一方では西欧で展開される芸術思潮を受容し、他方で日本の風土に根ざした絵画表現を模索しました。いわゆる「日本的油絵」を生み出す画家たちは、日本画あるいは伝統絵画にそなわるさまざまな要素を取り入れています。彼らの関心は、線や平面的な画面構成、絵具そのものの質感、屏風などの形式にも及びます。 藤田嗣治、小出楢重、藤島武二、梅原龍三郎ほか 第六章 揺らぐ近代画家たち 日本画と洋画のはざまで 第六章で注目する9人は、日本画も洋画ものこした画家たちです。それぞれ数点の作品をとりあげ、個々の画家にとっての日本画、洋画の意味と、絵画表現の問題を考えます。 萬鉄五郎、岸田劉生、小杉放菴、川端龍子、熊谷守一ほか イベント情報 講演会 「戸惑う近代絵画 芳崖・由一から放菴まで」 2006年11月18日(土) 14:00-15:30 当館講堂 古田亮(本展企画者、東京藝術大学大学美術館助教授・当館特別研究員) 聴講無料、申込不要、先着150名 公開討論会 「日本画と洋画のはざまに、なにがあったか」 2006年12月2日(土) 14:00-16:00 当館講堂 児島薫(実践女子大学助教授)/佐藤道信(東京藝術大学助教授)/田中正史(小杉放菴記念日光美術館学芸主任)/古田亮 明治美術学会 *聴講無料、申込不要、先着150名 ギャラリー・トーク 古田亮 2006年11月24日(金) 18:00-19:00 *参加無料(要観覧料)、申込不要 都築千重子(当館主任研究員) 2006年12月8日(金) 18:00-19:00 *参加無料(要観覧料)、申込不要 学校教職員対象の鑑賞プログラム「揺らぐ近代:日本画と洋画のはざまに」展 美術館活用研究会 2006年12月1日(金) 16:00-17:00*15:30開場 小・中・高校の教員および職員 150名(事前申込制) カタログ情報 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー 2006年11月7日(火)~12月24日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)入館は閉館30分前まで 月曜日 一般850円(700/600円)、大学生450円(350/250円)、高校生250円(150/100円)( )内は前売/20名以上の団体料金の順。 いずれも消費税込。中学生以下、および障害者(付添者は原則1名まで)の方は無料です。それぞれ入館の際、生徒手帳、健康保険証、運転免許証、障害者手帳等をご提示ください。 前売は全国チケットぴあ他、ファミリーマート、サンクス(一部店舗を除く)にて取り扱っています。 *本展の観覧券で、当日に限り、「写真の現在3」と「所蔵作品展 近代日本の美術」もご覧いただけます。 東京国立近代美術館、京都国立近代美術館 JAL 財団法人UFJ信託文化財団 京都国立近代美術館 2007年1月10日(水)~2月25日(日) 電子メール討論会:「揺らぐ近代 揺らいでいるのはなにか?」御意見の受付は平成19年2月20日17時まで。
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モダン・パラダイス:大原美術館+東京国立近代美術館 東西名画の饗宴
展覧会について 大原美術館と東京国立近代美術館。西と東にあって、対照的な活動を繰り広げてきた二つの美術館が、この夏はじめて出会います。両館の代表的コレクション(絵画・彫刻・写真)100余点が一堂に会するこの展覧会は、近代美術(モダンアート)をより今日的な眼でとらえなおし、その魅力と可能性をさらに掘り下げていこうとするものです。制作年代、作家の国籍、技法などが異なる多様な作品を、思い切り大胆に組み合わせながら、5つのテーマの下に構成。新鮮な出会いの場を開きます。 人々の生き方が激変する近代、美術にも多くの新しい試みがなされました。アーティストたちは、みなそれぞれの立場からそれぞれの楽園(パラダイス)を追い求め、その夢の結晶はいま私たちの前に残されています。そのひとつひとつを丹念に味わっていくことから、無限に広がる世界が開けはじめるのです。二大美術館が総力を挙げ、近代美術の豊かな輝きをたっぷりとご覧に入れます。 展覧会構成 第1章 「光あれ」 近代の風景画は、描く対象そのものよりもまず、そこにある大気・水・光の存在をとらえようとしてきました。印象派前後にはじまる西洋の風景表現の流れと、日本近代の風景表現を対比しながら、両者の共通点・相違点をみていきます。写真作品も織り込みながら、この百年間の光へのさまざまなこだわりを追います。 <モネ、菱田春草、村上華岳、マティス、安井曽太郎、杉本博司など19作家・26点> 第2章 まさぐる手・もだえる空間 20世紀、作品を描くという行為(アクション)自体が注目を集めるようになり、キャンバスを切り裂く、絵具をたらす、こすりつけるなど、アーティストの手の身振りをことさらに強調した作品が現れます。これらの絵画のうちからは、眼のみならず触覚に直接訴えるような、なまめかしさを持った独特の空間が立ち上がります。 <ポロック、フォンタナ、リヒター、瀧口修造、横山操、李禹煥など14作家・26点> 第3章 心のかたち 作者やモデルの内面の表現は、言うまでもなく、近代の芸術の重要な軸のひとつですが、優れた作品においては、それは単に個人的葛藤や感傷を示すだけにとどまりません。アーティストの内面が作品という場で対象と触発しあう中から、ひろく万人に訴えかける普遍的な力を持った感情が宿りはじめます。 <青木繁、高村光太郎、中村彝、関根正二、岸田劉生、マティス、フォートリエ、ロスコ、スティーグリッツなど23作家・29点> 第4章 夢かうつつか 古来、宗教や歴史の物語を伝える役割を果たしてきた美術は、近代になると無意識や夢といった領域にまで及び始め、シュルレアリスムのような表現も生み出されました。また、戦争や死という普遍のテーマを物語る作品は、最も鋭く、力強い造形となり、私たちの心に迫ります。 <モロー、デ・キリコ、タンギー、エルンスト、古賀春江、国吉康雄、靉光、藤田嗣治、ピカソ、やなぎみわなど14作家・14点> 第5章 楽園(パラダイス)へ 近代美術には、「内面」や「純粋さ」に向かう傾向と同時に、それとは逆の「本能」や「原始的自然」に憧れを持つ傾向が強くありました。このセクションでは、そういったプリミティヴなものの持つ力強さ・野太さ・おおらかさを、近代の知的造形と絶妙に調和させた作品群により、アーティストたちが求め続けたモダン・パラダイスに迫ります。 <ゴーギャン、橋本平八、カンディンスキー、富岡鉄斎、ルノワール、土田麦僊、岡村桂三郎など14作家・17点> イベント情報 関連プログラム 子ども向けプログラム 「こどもセルフガイド」(無料配布)「夏休み!こども美術館」(要申込) 先生向けプログラム 「美術館活用研究会」(要申込) 講演会 8/20、9/16の講演会の聴講ご希望の方は往復はがきに希望日・住所・氏名をご記入のうえ、下記宛先までお申し込みください(当日消印有効)。1枚のはがきにて1講座までの応募とさせていただきます。希望者が150名を超えた場合は抽選となります。*お申し込みの際ご提供いただいた個人情報は、当該の目的にのみ使用させていただきます。 〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷1-51-4-4アート・ベンチャー・オフィス ショウ内「モダン・パラダイス」講演会係 高階秀爾(大原美術館館長)*要申込(応募締切8/7) 2006年8月20日(日) 14:00-15:00 岡谷公二(仏文学者)*要申込(応募締切9/4) 2006年9月16日(土) 14:00-15:00 中林和雄(当館美術課長)*申込不要 2006年9月30日(土) 14:00-15:00 担当学芸員によるギャラリートーク *参加無料(要観覧料)、申込不要 鈴木勝雄(当館主任研究員) 2006年9月1日(金) 18:00-19:00 大谷省吾(当館主任研究員) 2006年9月8日(金) 18:00-19:00 カタログ情報 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー 2006年8月15日(火)~10月15日(日)土・日・祝日は丸の内シャトルの運行があります 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)金曜日は午後8時まで(入館は閉館30分前まで) 月曜日(9月18日、10月9日は開館し翌日休館) 一般1,300円(900円)、大学生800円(500円)、 高校生400円(250円)、中学生以下無料( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。中学生以下、および障害者(付添者は原則1名まで)の方は無料です。それぞれ入館の際、生徒手帳、健康保険証、運転免許証、障害者手帳等をご提示ください。 *本展の観覧料で、当日に限り、「ばらばらになった身体」 と「所蔵作品展 近代日本の美術」もご覧いただけます。 東京国立近代美術館、大原美術館、日本経済新聞社 クラレ、大日本印刷、日本興亜損害保険
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生誕120年 藤田嗣治展:パリを魅了した異邦人
展覧会について 2006(平成18)年は藤田嗣治の生誕120年にあたります。これを記念して、このたび、その全画業を紹介する展覧会を初めて開催します。藤田嗣治(レオナール・フジタ、1886-1968)は、東京美術学校を卒業後、フランスに渡り、モディリアニらとともにエコール・ド・パリの代表的画家として活躍しました。とりわけ、裸婦に代表される「乳白色の肌」の優美な美しさは、多くの人々の心をとらえました。その後中南米を旅行して日本に帰国し、二科展で活躍するとともに、第二次世界大戦中は戦争画も描きます。大戦が終わるとフランスに戻り、やがて帰化して、再び日本の土を踏むことはありませんでした。 こうした波乱に満ちた生涯ゆえに、これまで藤田は、ともすると、個々の作品の検証をおいて、数々の逸話に彩られた伝説の画家としてのみ語られてきた感があります。 この展覧会は、パリ時代から晩年にいたるまでの代表作約100点を、フランスやベルギーを加えた国内外から集めて展示します。一人の芸術家としての藤田嗣治の全貌を、日本初公開作品約20点を含めたこれらの作品を通して探ることで、伝説ではない、あらたな藤田像を見出そうとするものです。 ここが見どころ 藤田作品約100点でたどる、またとない機会 「私の体は日本で成長し、私の絵はフランスで成長した」。そう述べた藤田の制作のすべてを、日本、フランス、ベルギーから出品される数多くの代表作を含む約100点でたどる、またとない機会です。 すべての時代の作品を網羅 パリへ渡る前後の模索時代。「乳白色の肌」を持つ裸婦像で一躍パリ中に名をはせたエコール・ド・パリ時代。中南米をまわって日本へ帰国した時期の重量感のある作品と、日本を離れるきっかけとなった戦争画。そして、戦後再びフランスへ渡った後の、子どもたちの像や宗教画の数々。これらすべての時代の作品を網羅しています。 日本初公開「巴里城門」 初めて自分だけの絵が出来て「でんぐり返しを打って喜んだ」と藤田が語っていた、若き日の作品《巴里城門》(1914年、個人蔵)。その実物が今回の調査で発見され、はじめて公開されます。そのほかにも、ピカソのキュビスム(立体派)の影響を受けた初期の作品など、多くの新発見作品が出品されます。 77年ぶりの日本での公開「構図」 1928年にパリで、翌年日本で展示されたあと、長い間行方のわからなかった3メートル四方の大作シリーズ《構図》。そのうちの1点が、歴史的文化遺産として、フランスの文化省とエソンヌ県によって修復され、今回77年ぶりに日本で紹介されます。 藤田が撮った映画「風俗日本 子供篇」 藤田が撮った映画「風俗日本 子供篇」。外務省が日本の文化を海外に紹介しようと企画したシリーズのうちの一本として、1937年に制作されました。しかし、チャンバラごっこや切腹のまねをして遊ぶ子どもたちの姿が日本文化に対する誤解を招きかねない、と議論を呼び、結局公開されませんでした。今回は、このめずらしい映像を会場内のモニターでご紹介します。 藤田制作の小物や器を公開 藤田がその生涯を通じて、日常生活をいろどる小物や器、衣類に至るまでをこまめに手作りしていたことは、あまり知られていません。今回は、絵付された陶器や自作の帽子などその一部をご紹介します。特に、かつて住まいの壁を一面に飾っていた絵タイルは、大人の職業をまねする子どもたちの姿が一枚一枚に細かく描きこまれ、迫力があります。 特別メニュー レストラン「クイーン・アリス・アクア」では、藤田嗣治展にあわせてつくられた特別メニューも登場! 展覧会構成 第1章 エコール・ド・パリ時代 藤田がフランスへと渡った1910-20年代、モディリアニやスーチンなど、多くの異邦人の芸術家たちがパリに集まっていました。彼らはいつしか「エコール・ド・パリ(パリ派)」という名称で呼ばれるようになります。藤田はこの時期、これらエコール・ド・パリの画家たちと交流しながら、独自の画風を作り上げていきました。とりわけ藤田のトレードマークともなった、細く優美な線とやわらかな「乳白色の肌」を持つ裸婦像は高く評価され、藤田は一躍パリの寵児となります。 第2章 中南米そして日本 1930年代に入ると、藤田は、それまでの繊細な線描の作品から、より写実的な作品へと移行します。こうした傾向は、パリを離れ、中南米をまわって日本に帰国したあたりからより明らかになってきます。色彩は強くなり、また人やものの描写は重量感を増しました。こうした表現は、二科会での活動を経て、戦時中に描いた戦争画で頂点に達したように見えます。 第3章 ふたたびパリへ 戦後、藤田は戦争画を描いたことがもとで日本を離れ、ニューヨークを経て、再びパリに戻りました。この時期の作品には、写実的な表現に、復活した藤田特有の線描の美しさが溶け合っているのが見られます。子どもたちを描いたユーモラスな作品や、カトリック改宗後に数多く描いた宗教画などに、藤田晩年の個性的な作風を見て取ることができます。 作家紹介 藤田嗣治1886年:東京に生まれる。1910年:東京美術学校西洋画科を卒業1913年:フランスに渡る。ピカソ、モディリアニ、スーチンらと知り合う。1917年:パリのシェロン画廊で初めての個展を開催する。1919年:サロン・ドートンヌに初入選し、会員に推挙される。その後、サロンに出品を続ける一方、パリのほかブリュッセル、アントワープ等で個展を開催する。1931-33年:パリを離れ、ブラジル、アルゼンチン、ペルー、ボリビアを訪ね、メキシコを経由してアメリカに入る。1933年:日本に帰国する。1934年:二科会会員となる。戦時中は従軍画家として活躍する。1949年:ニューヨークのブルックリン美術館付属美術館の教授として招かれる。1950年:パリに移る。1955年:フランス国籍を取得する。1959年:カトリックの洗礼を受ける。1966年:ランスのノートル=ダム・ド・ラ・ペ礼拝堂のフレスコ画を制作する。1968年:チューリッヒの州立病院で死去、81歳。 イベント情報 講演会 ※それぞれ地下1階講堂、聴講無料、申込不要、先着150名 清水敏男(学習院女子大学教授) 2006年4月8日(土) 14:00-15:00 蔵屋美香(当館主任研究員) 2006年4月15日(土) 14:00-15:00 尾崎正明(当館副館長) 2006年4月22日(土) 14:00-15:00 学校教職員対象の鑑賞プログラム「生誕120年 藤田嗣治展」美術館活用研究会 「藤田嗣治展のみどころ」 蔵屋美香(当館主任研究官) 「乳白色の肌」の女性像で第一次大戦後のパリを魅了し、さまざまな伝説を残した藤田嗣治(レオナール・フジタ)の生涯を網羅した、待望久しい回顧展が、東京国立近代美術館で開催されます。芸大卒業制作の自画像に始まり、エコール・ド・パリ時代、中南米への旅行、日本への帰国と戦争画、フランスでの晩年の子どもの絵や宗教画と、きわめて多彩な画家の足跡をたどる、日本でもフランスでも初めての規模の展覧会です。 今回の研究会では、展覧会の鑑賞と、企画立案にあたった学芸員の講演とを通して、藤田嗣治の人と芸術について考えます。また、本展を児童生徒向けに解説したセルフガイドの活用法についてもご紹介いたします。ぜひご参加ください。 2006年3月31日(金) 15:30-16:45 東京国立近代美術館本館 講堂(地下1階)(東京メトロ東西線 竹橋駅1b出口より徒歩3分) 東京国立近代美術館、NHK、NHKプロモーション、日本経済新聞社 小・中・高校の教員および職員 150名(事前申込制・先着順) 無料 ※当日のみ、参加証と引換えで、「藤田嗣治展」・所蔵作品展をご覧いただけます※当日の開館時間は10:00~20:00(入場は19:30まで) ファックス:申込用紙(PDF)にご記入のうえ、お申し込みください。eメール:お名前・学校名・返信用メールアドレスを明記し、school@momat.go.jp までお申し込みください。※ 1通につき1名のみ。※ 折り返しお送りする参加証を、当日必ずお持ちください。※ 申し込み後、1週間たっても返信がない場合は、ご連絡ください。※ 申し込みの際にご提供いただいた個人情報は、本研究会に関する連絡および明記された目的以外には使用しません。 東京国立近代美術館 教育普及係電話:03-3214-2605 (受付時間 月~金 10:00~17:00)ファックス:03-3214-2576 「藤田嗣治展」こどもセルフガイド 会期中に来場した小中学生に、解説リーフレットをさしあげます。 カタログ情報 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー 2006年3月28日(火)~5月21日(日) 午前10時~午後5時 金曜日は午後8時まで(入館は閉館30分前まで)*4月20日(木)より、金曜日に加え、木・土曜日も午後8時まで開館いたします 月曜日(ただし、4月3日、5月1日は開館) 一般1300(1100/900)円、大学生900(800/600)円高校生500(400/350)円 中学生以下無料( )内は前売/20名以上の団体料金の順。いずれも消費税込。 チケット取扱:東京国立近代美術館、JR東日本の主なみどりの窓口・びゅうプラザ、チケットぴあ、ローソンチケット、ほか都内主要プレイガイド 東京国立近代美術館、NHK、NHKプロモーション、日本経済新聞社 外務省、フランス大使館 あいおい損害保険、大日本印刷、松下電器 DNPアーカイブ・コム、日本航空 京都国立近代美術館:2006年5月30日(火)~7月23日(日)広島県立美術館:2006年8月3日(木)~10月9日(月・祝)
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須田国太郎展
展覧会について 東京国立近代美術館では、1963年に遺作展が開かれて以来の須田国太郎の画業を回顧する展覧会を開催いたします。 須田国太郎(1891-1961)は京都に生まれ、京都帝国大学で美学美術史を学びながら関西美術院でデッサンを修めました。その後大学院に進学、1919年には絵画理論と実践の綜合を求めるべく渡欧して、主にスペインのプラド美術館で、ヴェネチア派の絵画の色彩表現やエル・グレコの明暗対比の技法を独学します。1923年に帰国後は、美術史を講じるかたわら制作に励み、41歳を迎えた1932年、東京銀座の資生堂画廊で、はじめて個展を開きました。これを機に、翌年、独立美術京都研究所の開設にともない、学術面の指導者として招かれ、1934年には独立美術協会会員となって制作活動も本格化、渡欧で得た成果を糧に独自の重厚な作風を確立しました。 高潔な人格と広く深い学識、そして東西絵画の融合をも視野に収めた壮大な須田国太郎の制作活動は、日本人画家が追求した絵画表現のもっとも注目すべき実践例のひとつといって過言ではありません。すでに当館では、《法観寺塔婆》(1932年)や《犬》(1950年)、《窪八幡》(1955年)など代表作も数多く収蔵していますが、今回の展覧会は、デビューを果たした第1回個展の再現を導入とし、風景や花、鳥、動物など主題ごとに創作の変遷をたどるとともに、珠玉の油彩小品や、19歳のときから絵画制作と並行するように謡曲を習い生涯強い関心を寄せた能・狂言の素描なども加えた約150点で、須田国太郎芸術の真髄を紹介いたします。 ここが見どころ 近代洋画家を代表する須田国太郎の大回顧展 東京の公立美術館での回顧展は、1963年の当館(当時の国立近代美術館)以来42年ぶり 大阪大学所蔵の能狂言デッサン22点を出品 展覧会は、大阪大学、大阪大学附属図書館が特別協力 イベント情報 講演会:須田国太郎 能・狂言デッサンの世界―能と絵画の至福の出会い 2月11日(土) 15:00~ 天野文雄 展覧会会場 聴講無料(ただし、観覧券が必要です) 学芸員によるギャラリートーク 1月21日(土) 15:00~16:002月18日(土) 15:00~16:00 展覧会会場 聴講無料(ただし、観覧券が必要です) カタログ情報 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー(1階) 2006年1月13日(金) -3月5日(日) 午前10時から午後5時まで金曜日は午後8時まで(入館は閉館30分前まで) 月曜日 一般830(700/560)円、大学生450(350/250)円、高校生250(200/130)円小・中学生無料( )内は前売/20名以上の団体料金の順。 いずれも消費税込。 「須田国太郎展」観覧券で「渡辺力:リビング・デザインの革新」と「近代日本の美術」をご覧いただけます 東京国立近代美術館、京都国立近代美術館 大阪大学、大阪大学附属図書館 京都国立近代美術館 [2005年11月1日-12月18日] 福島県立美術館 [2006年4月8日―5月14日] 03-5777-8600(ハローダイヤル) 1F 企画展ギャラリー 「須田国太郎展」所蔵品ギャラリー 「所蔵作品展 近代日本の美術」工芸館 「所蔵作品展 近代工芸の百年」
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痕跡:戦後美術における身体と思考
作家の身体や思考と物質との接触がもたらす、「なにごとかの結果として」生まれたイメージである「痕跡」の系譜として、第二次大戦後の現代美術の流れを捉え直す試み。日本における具体美術協会やもの派、アメリカにおける抽象表現主義からコンセプチュアル・アートへの流れ、ヨーロッパにおけるウィーン・アクショニズムなど、時代的にも地域的にも多様な表現を紹介し、その共通点と差異、影響関係と独自性などを明らかにした。 開催概要 東京国立近代美術館本館企画展示室 2005年1月12日‒2月27日(41日間) 9,332人(1日平均228人) 29.5×21.5cm (353) p. 痕跡:苛酷なる現実としての美術 / 尾崎信一郎 イメージ:航跡 / ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 指標(インデクス)と似せもの(カウンターフィット) / リチャード・シフ 超過とプロセス:ウィーン・アクショニズム / フーベルト・クロッカー [美術]裂く、焼く─「痕跡」の作品展 / 前田恭二 読売新聞(夕) 2005年2月10日 [美術]「痕跡─戦後美術における身体と思考」展 荒ぶる力宿した表現 / 三田晴夫 毎日新聞(夕) 2005年2月22日 [美術]「森山・新宿・荒木」展 / 田中三蔵 朝日新聞(夕) 2005年2月24日 [arts in sight] Even hands-off artists make their presence felt / Jeff Michael Hammond, International Herald Tribune / The Asahi Shimbun, January 28, 2005 約120点 63人 痕跡が美術になる時 / 尾崎信一郎 京都国立近代美術館
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河野鷹思のグラフィックデザイン:都会とユーモア
グラフィック・デザイナーの河野鷹思(1906‒99)の回顧展として企画・開催された。河野の作品は、日々進展する新しい生活とその根底に流れる日本の伝統的な感性を融合し、その後に続く若いデザイナーたちにも大きな影響を与えた。グラフィックデザイン本来の目的と表現とを融合させた河野の代表作でその業績を紹介し、デザイン史に占める位置と今日に投げかける意味を探った。 開催概要 東京国立近代美術館本館ギャラリー4 2005年1月12日‒2月27日(41日間) 12,147人(1日平均296人) 29.7×21.5cm (104) p. 歴史の中の河野鷹思 / 金子賢治 河野鷹思のグラフィック・デザイン:初期活動の背景をめぐって / 北村仁美 「河野鷹思のグラフィック・デザイン─:都会とユーモア」 卓越したエスプリのセンス / 生田誠 産経新聞 2005年2月1日 [美術]河野鷹思展 皮肉利いたデザイン / 西田健作 朝日新聞 2005年2月10日 111点 仲條正義 井上芳子 望月積 北村仁美
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草間彌生
1939年の初期作品から2004年の新作インスタレーションまでを展示。草間彌生(1929‒ )の変わらないメッセージを伝えるために、制作年代の順序にはこだわらず、テーマに基づいた空間を連続させる手法をとった。エントランスロビーには《ナルシスの庭》が展示され、水を使ったインスタレーション《水上の蛍》は日本初公開となった。なお本展はその内容を増殖・変容させながら日本国内5会場を巡回。会場毎にサブタイトルも変わり、東京・京都展は「永遠の現在」とされた。 開催概要 東京国立近代美術館本館企画展示室 2004年10月26日‒12月19日(48日間) 31,961人(1日平均666人) 26.5×25.5cm (312) p. 創造へのプロセス / 草間彌生 鎮魂と再生 ─ 草間彌生の芸術 / 松本透 魂のおきどころ / 澁田見彰 草間彌生の創造の展開 ─ ニューヨーク時代における / 出原均 ディスレクシアの記憶の海へ ─ 私的憧憬の告白として / 南嶌宏 [美術]「草間彌生─永遠の現在」展 一途な芸術信奉が圧倒する迫力に / 藤田一人 東京新聞 2004年11月13日 [単眼複眼]前衛と時代がシンクロ / 西田健作 朝日新聞(夕) 2004年12月1日 草間彌生展 緊迫感満ちる光と色彩 / 宝玉正彦 日本経済新聞 2004年12月2日 [arts in sight] Connecting the dots of innovation / C. B. Liddell, International Herald Tribune/The Asahi Shimbun, November 19, 2004 [Art] Yayoi Kusama’s world still a ʻdotty’ place to be / Chiyono Sugiyama, The Daily Yomiuri, December 9, 2004 110点 無限の反復 ─ 草間彌生の世界 / 建畠晢 個人とコレクションと草間彌生と(座談会) / 高橋龍太郎 宮津大輔 松本透(聞き手) 永遠の現在 ─ 草間彌生の近作を中心に / 松本透 保坂健二朗 松本透 京都国立近代美術館
